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「サイト合わせ」と秘密兵器

ターゲット競技、フィールド競技に限らず、サイトを使って射つ場合「サイト合わせ」という作業があります。何メーターのサイトはこの位置で、ということです。最近ターゲットは「70m」しか射たないので、サイト位置は「1か所」しかありません。そこであまり考えることはないのですが、少し昔は90m-70m-50m-30mと、4つの距離を順番に射たなければなりませんでした。そんな時サイト位置はどうするのか。
サイトバーには、4本の線を引いていました。各距離のサイト位置を表す線です。多くのアーチャーは難しく考え、線を何本も引くようですが、実は非常にシンプルです。90mは線の位置から射ち始め、90mが終わった時に線より2mm下がっていれば、70mは70の線より2mm下げた位置から射ち始めます。70mの終わりが線から1mm上にサイトがあれば、50mは線より1mm上げて射ち始めます。これで最初の矢が8点から外れることはなく、うまくいけば10点からスタートできます。

サイトは毎日変わります、仮に全く同じ射ち方だとしても、その日の温度や湿度によってストリングや空気抵抗は変化します。大事なのはサイトの線の位置ではなく、線と線の間の距離なのです。いつも線の上にサイトがあることではなく、「線の間隔」が大事です。だから4本の線は、無風の練習で「うまく射てている日」に何度か確認して引きます。

ところが、フィールド競技はそうはいきません。「10m~60m」の範囲で射たなければならず、アップダウンもあり、1射目から外せない。とフィールドアーチャーは言うかもしれません。
実は個人的には世界フィールドには5度参加して、全日本も勝ったことがあります。知らない人もいるので、ご参考までですが、そのあとフィールドをやめてしまったのは、同じコースで試合をして、知っている人はみんな「距離を知っている」「サイト位置が分かっている」から、面白くなくてやめました。
というのも、8年ほどフィールドの試合に出ましたが、実は一度もフィールドコースを試合以外で回ったことがありません。コースでの練習やアップダウンの練習を一度もしたことがないのです。だから世界で勝てなかったのかもしれませんが、フィールド競技の面白さは、距離が分からず、サイト位置が分からない状態で競うことにあるように思います。

1984 Finland World Field

そんなフィールド競技で、「サイト合わせ」はどうしていたのか。これは単純に、試合の前日にサイトバーに引かれた4本の線に定規を当てて、その間を5m刻みに線を引き、それで練習場で射って確認するのです。基本的に平地で当たらない射ち方や、あっていないサイトがアップダウンで通用するはずがありません。
ただし、目盛りの線を引く時、例えば30mと50mの間隔が3cmだとして、40mの線はその真ん中の15mmのところに引くかというと、もちろんそうではありません。感覚で上が14mm下が16mmのところに線を引きます。これも後で実射で確認するので、問題はありませんが、これが「チャート表」や「サイトスケール」の間隔ということになります。

チャート表

しかしこんな試合前の、目盛りの線引きやサイト合わせに時間を取られるのが本意ではありませんでした。それに正しくチューニングされた弓で、正しく射つ限り、チャート表のような位置に矢が刺さるのは当たり前で、外れても誤差の範囲です。
そんなサイト合わせに時間や意識を取られるのが嫌でした。ましてや海外の試合なら、地球の裏側まで飛行機に乗って、その後短い練習時間でサイト合わせや線引きをしなければなりません。

そこで、こんな当たり前のサイト合わせをもっと簡単に、楽をしようと考えたのがこれです。自分でデザインして作ってもらった「フィールド用のパーツ」です。
このパーツは普通のサイトに取り付けますが、これによって目盛を指すピンがサイトブロック本体に対して「上下左右」に動かせるのです。普通は動かせても上下だけのはずです。

目盛り「ピン」が上下、左右に可動できます。

使い方は簡単です。例えば、普段の30mと50mのサイトの間隔をチャート表に合わせて、それを真ん中に表をサイトバーの幅に合わせて切り、サイトに貼り付けるだけで出来上がりです。

ここまでは皆さんのチャート表の使い方と同じかもしれませんが、ここから先が特製サイトの楽ができるところです。普段毎日練習していても、技術的な問題だけでなく、天気やストリングハイトなどによって、サイト位置は微妙に異なることがあります。距離と距離とのサイトの間隔が変わるわけです。

しかしこのサイトの場合、試合の朝30mを目盛を気にせず、納得いくサイト合わせをします。サイトが決まったら、初めてサイトバーの目盛を見ます。そして針を30mの目盛を指すように「上下」に移動させて合わせます。30mはチャート表の線が真横に水平の位置です。
次は50mでも60mでも構いません。これも納得いくまで目盛りは見ずに、サイト合わせをします。その結果、60mでピンがチャート表の60mを指していなかったら、今度は針を「左右」に動かしてチャート表の60mに合わせます。
これで完璧だとは思いませんか。簡単でしょう。いちいち線を引き直したり、考えたり覚える必要はありません。あとはどの距離であっても、ピンが示す縦列でサイトを動かすだけです。
サイト位置は「間隔」と「BUTSURIの時間」で決まるのです。

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亀井 孝のアーチェリーノート 貧しいアーチャーです。点数はお金で買えませんが、もしこの記事があなたのアーチェリーに幸運をもたらすと思われたら、チップをお送りください。 きっとあなたのアーチェリー人生は、素敵なものとなるでしょう。