【月間メタスコア】WBOメタスコアレポート【2026年7月】
仮面A(エース)だ。
2026年7月まるごと1か月ぶんのWBO(世界ベイブレード機構)の大会データを集計し、分析したレポートを送る。
先に結論から言う。今月、環境の頂点で異常なことが起きた。ウィザードロッドとシャークスケイル、この2枚の加重スコアが完全に同じ数値になった。偶然だ。だが、偶然がここまで綺麗に出るのは、2枚が本当に拮抗しているからだ。
そしてこの同点を調べる過程で、俺が週次で書いてきた読みが1つ間違っていたことがわかった。それも今回書く。
📌 集計方法について
スコア計算式:参加人数 × 順位係数(1位=3・2位=2・3位=1)で重み付けし、部門ごとに最大値100で正規化
集計対象:WBOにRANKEDとして記録された大会のみ。UNRANKEDは全除外
集計期間:2026年7月1日〜7月31日(大会開催日ベース)
集計大会数:81大会
延べ参加人数:2,463人
使用スタジアム:エクストリームスタジアム。7月のランクドにインフィニティスタジアム開催は1件もなかった。ハズブロ製スタジアム開催が1大会のみあり、これは別枠で末尾に分離した
データソース:WBO「Winning Combinations at WBO Organized Events - Beyblade X」スレッド
今月のランキング
ブレード部門(TOP20)
#1 | ウィザードロッド | 100.0 (↑前回2位)
#2 | シャークスケイル | 100.0 (↓前回1位)
#3 | エアロペガサス | 51.6 (=前回3位)
#4 | ワイバーンホバー | 24.6 (↑前回9位)
#5 | メテオドラグーン | 22.3 (=前回5位)
#6 | コバルトドラグーン | 22.0 (=前回6位)
#7 | フェニックスウイング | 16.1 (=前回7位)
#8 | シルバーウルフ | 15.3 (=前回8位)
#9 | ドランストライク | 10.6 (↓前回4位)
#10 | ブラスト | 8.0 (↑前回11位)
#11 | ゴーレムロック | 7.7 (↑前回12位)
#12 | クロックミラージュ | 5.7 (↑前回16位)
#13 | デルタ | 5.2 (↑前回14位)
#14 | スコーピオスピア | 5.2 (↑前回19位)
#15 | マミーカース | 3.7 (=前回15位)
#16 | バレットグリフォン | 3.3 (↓前回10位)
#17 | ティラノビート | 2.3 (↓前回13位)
#18 | ブリッツ | 1.9 (↑前回圏外)
#19 | グローリーワルキューレ | 1.7 (↑前回圏外)
#20 | インパクトドレイク | 1.4 (↑前回圏外)
※ CXブレードはメインブレード単位で統合して集計している。ブラスト(#10)はペガサスブラスト・エンペラーブラスト・ウルフブラスト等を、デルタ(#13)はワルキューレデルタ・エンペラーデルタ・ユニコーンデルタ等を、それぞれメインブレード単位でまとめた値だ。
※ #1と#2は正規化前の加重スコアが同値だった。入賞件数(ウィザードロッド164件・シャークスケイル163件)を第2基準として順位を決めている。詳細はトピック①で扱う。
ビット部門(TOP10)
#1 | Hexa(ヘキサ) | 100.0 (=前回1位)
#2 | Low Rush(ローラッシュ) | 80.3 (↑前回4位)
#3 | Rush(ラッシュ) | 79.2 (↓前回2位)
#4 | Free Ball(フリーボール) | 64.9 (↓前回3位)
#5 | Kick(キック) | 59.8 (=前回5位)
#6 | Elevate(エレベート) | 40.4 (↑前回7位)
#7 | Level(レベル) | 30.7 (↓前回6位)
#8 | Narrow(ナロー) | 15.3 (↑前回圏外)
#9 | Low Orb(ローオーブ) | 13.1 (=前回9位)
#10 | Ball(ボール) | 12.7 (=前回10位)
ラチェット部門(TOP10)
#1 | 1-60 | 100.0 (=前回1位)
#2 | 9-60 | 81.4 (=前回2位)
#3 | 1-70 | 34.8 (=前回3位)
#4 | 3-60 | 32.7 (=前回4位)
#5 | 7-60 | 28.6 (=前回5位)
#6 | 1-50 | 24.9 (=前回6位)
#7 | 4-50 | 9.4 (↑前回圏外)
#8 | 7-70 | 9.2 (=前回8位)
#9 | 9-70 | 6.9 (↑前回10位)
#10 | 5-60 | 6.2 (↓前回7位)
7月の鉄板&注目カスタム
上位ブレードが1か月を通してどう組まれて勝ったか。入賞構成の実数で示す。
ウィザードロッド
鉄板は1-60 Hexa。入賞164件中94件——過半だ。次点は1-60 Free Ballの25件。ラチェットは1-60で固定され、争点はビットだけになっている。7月中旬の週次でHexa以外の食い込みを指摘したが、月間で均すとHexaの牙城は崩れていない。
シャークスケイル
鉄板は1-70 Low Rush(29件)。次いで3-60 Low Rush(14件)、1-60 Low Rush(9件)、9-60 Free Ball(9件)。入賞163件に対して最頻構成が29件——ウィザードロッドと比べて分散が大きい。ラチェット高さを50から70まで振れる自由度が、そのままこの分散に出ている。
エアロペガサス
鉄板は1-50 Rush(19件)。1-60 Rush(14件)、7-60 Rush(10件)と続く。ラチェットは割れるがビットはRush一択に近い。アタック枠として走らせる用途が固まっている。
ワイバーンホバー
鉄板は9-60 Kick。入賞36件中13件。6月は36件中8件だった。数字が動いた。詳細はトピック②で扱う。
メテオドラグーン
7-60 Level(16件)と9-60 Elevate(12件)の二極だ。7-70 Levelの6件を足すと、Level系22件・Elevate系14件。持久寄りに振るならLevel、回転吸収を重視するならElevate——役割の分岐がそのまま構成の分岐になっている。
コバルトドラグーン
Elevate固定。入賞44件のうち9-60 Elevateが24件、5-60 Elevateが11件。合計35件でElevate以外を握る理由がほぼない。ラチェットが9-60寄りに傾いたのが6月からの変化だ。
シルバーウルフ
9-60 Free Ballが33件中17件。過半だ。ラチェットもビットも動かない、完成された1枚になっている。
ドランストライク
鉄板が存在しない。入賞21件が9通りに割れ、最頻構成でも2件しかない。6月に4位まで駆け上がった機体で、これが起きている。トピック③で扱う。
今月のトピック
① ウィザードロッドとシャークスケイル、加重スコアが完全に一致した
7月のランクド81大会。ブレード部門の頂点2枚の正規化前スコアを並べる。
ウィザードロッド:10,630.0
シャークスケイル:10,630.0
1の位まで同じだ。だが中身は違う。ウィザードロッドは1位58件・2位52件・3位54件。シャークスケイルは1位57件・2位48件・3位58件。順位分布も参加規模の内訳も別物なのに、重み付けの総和だけが一致した。偶然だ。
偶然だが、意味はある。1か月・81大会・延べ2,463人という母数で、この2枚が誤差の内側に収まったということだ。どちらが上かを議論する段階は終わっている。両方が環境の背骨だ。
そしてこの同点は、俺が週次で書いてきた読みを1つ取り消させる。
俺は週次レポートで繰り返しこう書いてきた。「ウィザードロッドなし優勝が6件」「前回は6件、今回は9件」「ウィザードロッドの一強構成は確実に崩れ始めている」——と。
件数で語っていた。それが間違いだった。
集計大会数が増えれば件数は増える。母数を固定して率で見ないと、増えたかどうかは判定できない。そこで4月末から7月末まで、週ごとのロッドなし入賞率を並べ直した。
26.7 / 29.6 / 36.9 / 28.3 / 34.8 / 34.9 / 30.4 / 34.8 / 29.2 / 23.8 / 36.5 / 31.7 / 31.7 / 41.7
3か月、約30%で横ばいだ。増加トレンドは存在しない。
ロッドなしで勝てるのは事実だ。だがそれは「増えている」のではなく、「最初からずっとその割合で存在していた」だけだ。俺は変化を見ていたつもりで、母数の揺れを見ていた。読み違えていた。訂正する。
同じことがシャークスケイルにも言える。7月のスケイルなし入賞は32.9%。ロッドなしの32.5%とほぼ同じだ。この2枚は、搭載率でも非搭載率でも並んでいる。スコア同点はその帰結だ。
骨格としての結びつきは強まっている。7月の優勝デッキ81個のうち、両方を積んでいたのは43個——53.1%。6月は47%だった。半数を割っていた同居率が、半数を超えた。
② ワイバーンホバー、9位から4位へ。9-60 Kickで答えが出た
6月9位(15.8)だったワイバーンホバーが、7月は4位(24.6)に入った。トップ20で最大の上昇幅だ。
上がった理由は構成の収束にある。
6月:入賞36件中、9-60 Kickが8件(22%)
7月:入賞36件中、9-60 Kickが13件(36%)
7月中旬の週次レポートで、俺はワイバーンホバーについて「本命がまだ固まっていない。使い手ごとに解が違う」と書いた。2週間の母数ではそう見えた。1か月で均すと、答えは出ていた。9-60 Kickだ。
構成が収束すると順位が上がる。当たり前に聞こえるかもしれないが、逆向きの因果ではない。バラバラに使われている間は、そのベイの正解が見つかっていないということだ。正解が共有された瞬間に、入賞の密度が上がる。ワイバーンホバーは7月にその段階を通過した。
今から握るなら迷うな。9-60 Kickだ。
③ ドランストライク、4位から9位へ。入賞が半分以下になった
6月に「5月発売から早くも4位」と書いた新鋭が、7月は9位に落ちた。
6月:入賞45件
7月:入賞21件
半分以下だ。しかも構成が収束していない。21件が9通りに割れ、最頻構成でも2件しかない。6月は3-60 Joltと9-60 Kickという2つの型が優勝実績を複数持っていた。その型が今月は残っていない。
ここで断言できるのは、事実として「入賞が減った」「構成が分散した」の2点だけだ。
なぜ減ったかは、このデータからは判定できない。新製品の初動が落ち着いただけかもしれない。環境側が対策を持ったのかもしれない。使い手が別の解を探して分散しているのかもしれない。どれも仮説であって、WBOの構成記録に残っているのは「誰が何を使ったか」だけだ。そこから理由は読めない。
俺が書けるのはここまでだ。これからのデータで、この下落が続くのか、型が再収束するのかを見る。
④ 新ビット「ナロー」が圏外から8位へ。単発ではない
ビット部門に新顔が入った。Narrow(ナロー)だ。6月はランキング圏外。7月は8位(15.3)。
数字の中身を見せる。
入賞16件
使用された大会数:14大会
うち優勝:3件
ここが重要だ。16件が14大会に散っている。特定の大規模大会1つで数字が跳ねたわけではない。地域も主催も違う14の大会で、別々の使い手が独立に選んで結果を出している。
使用ブレードの内訳も見ておく。
シャークスケイル8件、ウィザードロッド5件、グローリーワルキューレ2件、シルバーウルフ1件。上位2枚に集中している。持久・防御軸のブレードに載せる選択肢として入り込んだ形だ。
ナローは公式スペックで持久60・ダッシュ5。Bビット(ボール)の持久50・ダッシュ10と比べて、持久を上げダッシュを半減させている。同じ球状でも軸先が細く、接地径が小さい。摩擦力 f = μN において接触状態が変わり、スタミナロスが減る。Xライン接触も起きにくくなる——俺は以前、この設計を「Bビットがスタミナ型の基準点なら、ナローはスタミナ特化に振り切った先にある」と書いた。
7月の実データは、その読みと矛盾しない。物理から予測した性格と、大会で選ばれた文脈が一致している。
ただし言い添えておく。8位という順位は、上位7つとはスコアの桁が違う。定着したと言うには早い。8月に14大会規模の分散を維持できるかどうかが分岐点だ。そしてトピック①で書いたとおり、俺は件数の増加をトレンドと読み違えた前科がある。ナローについても、判定するのは率と分散を見てからだ。
⑤ 今月の海外強豪ブレーダー
複数のランクド大会で優勝したブレーダーを挙げる。ブレーダー名はWBO表記のままだ。
Modulus——7月のランクドで優勝2回・準優勝2回、計4大会入賞。Champion's Path 14とWest Cary Bar Brawlを制した。注目すべきは骨格の固定度だ。4大会すべてで「ウィザードロッド+シャークスケイル+デルタ PeakHeavy 9-60 Kick」を握っている。デルタのロックチップだけがエンペラーからワルキューレに切り替わっているが、それ以外は動いていない。トピック①の骨格2枚に、CXアタッカーを1枚足した形だ。
kabiriatthezoo——優勝2回。うち1つは88人規模のInBEYsion New Genesisだ。デッキはウィザードロッド 1-60 Hexa、メテオドラグーン 9-60 Elevate、シャークスケイル——2大会で3枚とも同じ。シャークスケイルのビットだけをRushからLow Rushに振っている。
carlos_flo10——優勝2回。Money Monday #5とDave and busters weekly #21。シャークスケイル 1-70 Low Rush/ウィザードロッド 1-60 Hexa/エアロペガサス 7-60 Rushの3枚を、ラチェットもビットも1つ違わず持ち込んで連覇した。
Bleck3v3——優勝2回。The Red Bey District #18とHeavens Piercer #4。この人物だけ骨格が違う。エアロペガサス 1-60 Rush、ワイバーンホバー 9-60 Kick、バレットグリフォン Unite——ウィザードロッドもシャークスケイルも積んでいない。トピック②で挙げた9-60 Kickのワイバーンホバーが、この非スタミナ骨格の中核に入っている。
4人のうち3人が、環境の中央値を高い再現性で回して勝っている。残る1人は中央値を外して勝っている。優勝デッキに限れば、7月の81個のうちウィザードロッドを積んでいなかったものは23個——28.4%だ。中央値は強い。だが唯一の道ではない。そしてトピック①のとおり、この割合は増えても減ってもいない。ずっとそこにある。
別枠:ハズブロ製スタジアム開催(1大会)
7月のランクドのうち、タカラトミー製エクストリームスタジアムではなくハズブロ製スタジアムで開催された大会が1件あった(スタジアムの具体名は不明)。スタジアムが変われば形状もアウト条件も変わる。本編の集計と混ぜられないため、ここに分離して記録する。
RCX: July 2026 Ranked Tournament(参加23人):優勝はエアロペガサス 1-50 Rush+シャークスケイル 4-50 Low Orb+ウィザードロッド 1-60 Free Ball
1件だけの結果から傾向は出さない。事実として記録するだけだ。
なお、7月のランクドにインフィニティスタジアム開催は1件もなかった。6月は2件あった。
俺は仮面A。今後も動き続ける海外メタを追い続ける。
参考資料——俺だけを信じるな、一次ソースを当たれ。
WBO 大会データ:https://worldbeyblade.org/Thread-Winning-Combinations-at-WBO-Organized-Events-Beyblade-X-BBX
日本公式レギュレーション:ベイブレードX公式サイト(タカラトミー)
パーツからカスタムやメタスコアを検索できるWEBアプリ「KAMEN Ace LAB」:https://kamenace.vercel.app/
