コロンビアビジネススクールでのアカデミックな学び:Analytics
今更ながらなのですが、下書きに残っていたので放出します。
私が通っていたコロンビアビジネススクールにおけるアカデミックな学びについて記載するシリーズ。今回は、Analyticsをテーマにコロンビアビジネススクールで学んだことを記載したいと思います。
Analyticsというのは「ビジネスアナリティクス」であり、様々なビジネスの場面で必要となるデータ分析や解析の方法を習得しよう、というのが大きなテーマです。授業では学問的な角度と実践的な角度の両面から学ぶ内容となっているものが多かったため、非常に学びの多いものでした。
私が取った科目は以下の通りです。
・Managerial Statistics(必修科目)
・Business Analytics(必修科目)
・Analytics Advantages(選択科目)
このうち、必修科目の2つについてはコロンビアの日本人サイトに概要が書かれているので、ご参照いただけると幸いです。
ここでは、選択科目にフォーカスしてその内容を記述します。
Analytics Advantages
この授業は、毎週異なる分野の学者や実業家がやってきて自身の専門分野に関わるアナリティクス手法について講義を行うオムニバス型のものです。ビジネスの実践的な場でアナリティクスがどのように使われるかを学ぶことができる有用な授業でした。
私が受講したタームでは以下の内容で講義がなされました。
1. 最適化問題の発展形
最適化問題とは、「定められた指標をさまざまな条件のもとで最大(または最小)にする解を求める問題」です。例えば、「一定の制約(運送費用や土地費用など)の下に、生産コストを最も少なくする工場の立地を考える」、などの課題があります。
必修科目の「Business Analytics」でもこうした最適化問題は基礎的なものは扱うのですが、この授業ではより制約の多い課題について議論を行いました。
2. Uberのプライシング
Uberは需給に応じて運賃が変動する、いわゆる「ダイナミックプライシング」を採用しています。悪天候の日や特定のイベントがある場所では急にUberの価格は高くなります。こうしたプライシングのメカニズムについて学びました。
3. 協調フィルタリングによるサーチシステムの確立
ネットフリックスをみていると、これまで見た動画の履歴に基づいて次に見る動画のレコメンデーションが出てきます。これは、似たような嗜好を持つ人がみているものをレコメンドしているのですが、このレコメンドに用いられる手法が「協調フィルタリング」と呼ばれます。
「協調フィルタリング」とは、ユーザーの行動や評価パターンをもとに、個々のユーザーに対してパーソナライズされたレコメンドを行う手法です。特に、ユーザー同士の類似性を利用して、新たな情報やアイテムをレコメンドするために使われます。
このレコメンドを行うためには、「自分がどのユーザーと近いのか」を調べる必要があり、この計算手法を学びました。ネットフリックスの例で簡単に説明すると、対象となる動画に対して、各ユーザーが「見たか見なかったか」または「好きか嫌いか」をレーティングし、各ユーザーごとにそのレーティングの差異を数値化します。この数値化された差異が小さいユーザー同士は、「嗜好が似ている」と判断され、そのユーザーの嗜好に基づいて次の動画がレコメンドされます。
こうした協調フィルタリングはアマゾンなどのECサイトでも利用されています。
4. 機械学習の株式分析への応用
機械学習が株式分析にどれだけ応用できるか、を考える回でした。株式銘柄に関するニュースに含まれる各単語が、株価にポジティブかネガティブかを定めます。ニュース全体でポジティブな単語が多い場合にはその銘柄を「買い」、ネガティブな単語が多い場合にはその銘柄を「売り」とするアルゴリズムを作りました。
5. 操作変数法とヘルスケア分野への応用
ヘルスケア分野では、様々な変数が結果に影響するため、単純に回帰分析を行っただけでは結果の解釈が誤ってしまう場合があります。
例えば、喫煙が健康に与える影響を考えます。健康と喫煙の相関性は、他の変数が健康と喫煙の両方に影響を与えた、もしくは健康状態が喫煙に影響を与えたと考えることもできるので、喫煙が健康を悪化させる原因であるということは意味しません。一般の母集団において喫煙状態を制御した実験を行うのはとても難しく費用がかかります。この解決方法として、因果分析における喫煙の操作変数としてタバコ製品の税率の時系列を用いて観測データから健康における喫煙の因果効果を推定しようとすることができます。研究者はタバコ製品についての税率は喫煙に与える効果のみを通して健康に影響を与えると仮定するので、タバコ製品についての税率は操作変数としては合理的な選択となります。もし研究者がタバコ税と健康状態が相関しているのを発見できたならば、それは喫煙が健康状態の変化の原因であるという証拠と見なしえます。(ウィキペディアより編集)
こうした考えの下、授業ではICUの受け入れ可否と実際の死亡率や長期入院率についての関係性を考えました。
6. Generative AI とマーケットプレイスビジネス
Amazonをはじめとするマーケットプレイスでは、商品やサービスに対し、その商品やサービスのユーザーによるレーティングやコメントが付与されています。授業では、ある商品に対するユーザーのレーティングやコメントがまとまったエクセルをChat GPTにアップロードし、適切な指示を与えることで商品のサマリーを書いたり、どちらの商品を買うべきかなどのレコメンドを行いました。
