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クアンタムタロットを解説(したい)、やっと始めます【Ⅰ 魔術師 - 電磁力】

クアンタムタロットを解説(したい)、と言いながら、ずいぶん長く経ってしまいました。

その間にAIさんは、AIさんたちになり、文章をなんとかするだけでなく、とてもとても多くのことをなんとかできるようになっていて。……本当に目まぐるしいですね。
「こんなの魔法じゃん!」ってだいたい毎日言ってます。
言いながら過ごしてたら、こんなに経ってました。

前にこのデッキを気合で翻訳してみたときは、
「英語は目がしんどい…せめて日本語っぽくなあれ、なあれ…」
くらいの気骨具合でしたが、そこから年単位で占術の相方としての付き合いも深まってくると、もう少し言葉を掘れそうな気がしてきまして。

よって「解説(したい)」をちゃんと始動してみることにしました。
しばしお目を拝借いただけると幸いです。

ではでは、こほん。


始める、と言いませば──

「魔術師」からやっていこうと思います。 だいぶ好きなので。


さて魔術師のカード、まず一言でギュッと握りましょうか。

見えないものを、触れる形へ変えるカード。

…とでも呼んでみます。

ライダー版での魔術師は、技術、意志、創造、始まり、道具を使う人……といった感じで読まれるのがスタンダードなあたりでしょうか。

クアンタムタロットでは、そこに「電磁力」という象意が補助線に入ります。

電磁力と書くと、なんだか理系の教科書の1ページがヒュンとよぎりますが、ここでは

「光や電波や赤外線や紫外線のような、目に見えないもの、まだ形のないものが、なにかを起こす現象」

と読むと、とっても「魔術師」らしい感じがしてきませんか?
…してきます。していきましょう。


つまりそこに確かに残るサウふんにゃらジを夕日に例えてみたりしてしまうのも魔術師の仕業です。

そして可視光、赤外線、紫外線、いろんな光線、磁力も電気も電波もみんな電磁力ファミリーです。

色を見ることができるのは可視光のおかげだし、こたつがあったかいのは赤外線のおかげだし、肌を焦がすような南風が吹くのは紫外線のせいです。

でも音は電磁力じゃないようです。不思議ですね。
魔術師にとっては鼓膜の中に残る耳障りの良い言葉なんて「最初から触れるもの」判定なのかもしれません。

つまりポルノグラフィティは魔術師です。(?)


…はい。占い師に戻ります。

目に見える光。
目には見えないけど伝播はする波。

何かがどこかに伝わる。
何かが何かに照らされる。

そこにあっても見えてはいなかったものが──目の前に現れる。

物質として、情報として、言葉として
あるいは創発や発見への、静かな深い感動として。

魔術師は、その「見えるようになる」瞬間を橋渡すカード。

何もないところから突然すごいものを作る人、でしょうか。
そうではなく、
まだ形になっていないものへ、最初の光を当てる人。

漠然とした問いに、言葉の箱をあげる。
頭の中だけのゆらぎを、インクの線に変えてみる。
誰にも説明できない感じへ、たとえ話をひねり出す。
現実になっていないものを、この手に落とすための作戦を立てる。

そういう、エンジニアの脳内のようなお仕事をするもの、として読むのが、
このカードは扱いやすいんじゃないかなぁ、と、私は思っています。

たとえば、文章を書き始める前の「考えがある」だけのときって、まだ「考え未満」じゃないですか?
「まとまった主張」にも「きれいな結論」にもなってなくて、
もっと手前の、”気配”とか、”違和感”とか、”なんかこれ気になるな”、くらいで。

そこへ最初の一文を、ゆるりと並べてみる。

すると、さっきまでただ宙に うにゃむにゃ してるだけだったものが、少しだけ「ふるり…」とする。──まだ ぱきっツルリッ ではないけれど。

「あ…ここに…『なんか』は…あるねぇ…」とわかる。

その一文が、魔術師のおしごとです。


AIに問いを投げるときも少し似ていますよね。

AIへ自分の中のまだ輪郭が出ていないものに、なんとか言葉を重ねたものを渡してみると、あたかも魔法のように色々な言葉へ分光して反響して、増幅されたり変換されたりして返ってきます。

その応答の響きを読んだときの、
「そうじゃない」「近い」「いや、ほんとはこっちだった」
という、自分の心に沸いてくる質感を、自分自身でよく観察することで、自分の本当の問いの形が見えてくる、といった具合に。

そんな付き合い方をしてる人、結構多いんじゃないでしょうか?
私もその一人です。

そしてこの往還は、問いや答えそのものを出力してもらうのではなく、
自分の発した問いの、文字の間に潜む「見えていないもの」へ光を当ててもらう、構文によるエコロケーション、のように感じています。

そんな場にも、「魔術師」はいるのです。


さて、クアンタムタロットを引いて魔術師が出たとき、私はいきなり「なにかが始まる」とはあんまり読まないです。

もちろん「始まり」の象意ではあるのですが、

「いま、[だれ]が [なに]を [どんな]形で、目に見えるものにしつつある。」

という構文の穴埋め問題として読んでいます。

  • 主語は誰? あるいはなに?

  • ここでまだ言葉にもなっていないものは?

  • それを現れさせる形は、文章か、絵か、会話か、行動か、あるいは?

  • すでに場が動き出すための役者は揃っているのに、まだ「ない」と思い込んでいるのは?

  • ただ光を向ければいいだけなのに、まだ暗いままにされているところは?

など。

私はこのカード、「きみ…暗視カメラやサーモグラフィみたいだな…」と思うことがときどきありまして。

なので、人の能力やなんかを占うときにこの魔術師が出たとき、
たとえば「あなたには〜〜の才能があります」といったようにだけ読んでしまうと、ちょっともったいないような感じがします。

「その才能は今なにを媒体にしようとしているのか」

などと読むと、一段鑑定が深くなるんじゃないでしょうか。

言葉にするのか。
手を動かすのか。
誰かに見せるのか。
名前をつけるのか。

まだ見えていないものへ、なんの「電磁波」を当てるのか。

そんな見方をしていくようになると、このカードはぐっと個性が出る。

まだ現実に置かれていないものへ最初の光を当てるカード──
私はクアンタムタロットの魔術師を、そんな象意の窓に置いています。

光が当たると、見えるものが増える。

見えるものが増えると、次に触るべき場所がわかる。

そして触れるものは、
もう、「なんとなく」ではいられません。
もう、「なかったこと」にはならない。

始まるしかないのです。

スプレッドの中に魔術師が現れたら、最小の1問として
こう聞いてみましょう。

「私は何を、見える形にしたいのか」


カードは静かな音色でこう返してくるでしょう。


「ここにあったものを、いまここから、始めていこうか」




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 【偏在構文観測室】 最初にまずなにが欲しいか1カード引いて聞いてみたら、クアンタムタロットさんが自分の「箱」を欲しがっていたので、とにかくこいつの箱代として積み立てます。