Photo by
oagefox
LINEの返信が遅い夜に。
ある言葉に触れて、
大学生だった頃のことを思い出した。
物が散らかった、ワンルームで、
ひとり、光る画面を眺めて。
彼女の返事は、夜空の中に。
すきま風が通る、胸の奥に、
傷つく物語を浮かべながら。
静まり返った部屋の中で、
天の川を挟むような、
届かない想いの遠さを。
ふと、誰かの囁く声が、
はるかな時を越えて。
「相手の画面ばかり見てるね。」
「その前に、自分の水面を見てあげて。」
画面越しの彼女より、
揺れる水面みたいな画面を。
あの頃には、もう戻れないままで。
届かなかった想いだけが、
音もなく、ひとり揺れて。
それでも今は、
朝日に照らされながら、
水鏡となった、胸の奥を見つめて。
あの言葉は、今も静かに。
この言葉を届けてくれた、カケルンさんへ感謝を込めて。
