見出し画像

ポンコツ新卒時代のピボット地獄の経験が、40歳で仕事になった話

「若いときの苦労は買ってでもしろ」
「無駄な経験なんてひとつもない」

こういう言葉が嫌いだった。

20代の頃は「意味わからん、苦労なんてしたくない」と思っていたし、30歳になっても「具体的にどういうことやねん」と思っていた。

なんだけど、さすがに40歳になると「ああ~、無駄な経験はないって、こういうことだったのね」と、腹落ちする経験がいくつかある。

いまの私は、若い頃の「どういうことやねん」のモヤモヤした気持ちも、40歳としての「これは、たしかに無駄な経験はないとしか言えないよなあ」という感じのどちらもわかる。

なので今日は、若い頃の無駄っぽく見える経験が、後になってどう活きてくるのかを書くことに挑戦してみたい。

テーマは、新卒時代のピボット&関数地獄の経験が、まさか40歳で仕事になるとは…!と驚いた話だ。

このnoteが「この経験がなんの役に立つわけ?」とモヤモヤしている人とか、「自分なんて、なんのスキルもない…!」と凹んでいる人のヒントになればうれしい。


私が、新卒の配属面談で「数字が苦手なので、数字を扱わない部署がいいです」とふざけたことをぬかした結果、ゴリゴリに数字を扱う体育会系の部署に配属された話はいつかのnoteに書いた気がする。

そう、私は数字がめちゃくちゃ苦手だった。

大学受験のときに、センター試験の数学を数Ⅰ・Aで受けたくらいには苦手意識がある。微分積分あたりから、よくわからなかった。

なんだけど、いまはデータ分析やウェブ解析を仕事のひとつにしているので、人生ってホントによくわからないなと思っている。

ちなみに微分積分がわからなくても生きていけているけれど、わかったらもっと楽しいのかなと思うときは、たまーにある。

そんな私が新卒時代に最初にやったのは、世界各国からの注文をまとめて、工場に生産依頼をするという仕事だ。年間の生産計画を作るための数字を品種別にまとめたり、各国の動向をヒヤリングするのが仕事だった。

これがもう、めちゃくちゃ苦手だった。説明は理解できたのだが、実務でのミスが多いのだ。OJTの先輩にも「お前、最初の説明の理解はよかったけど、身につくまでが遅いな」と言われたりした。その通りだった。ぐうの音も出ねえ。

特に苦手だったのがエクセルの関数だった。何十種類もある商品の年間需給計画表を作るのだけれど、どこかでなにかがズレて数字が合わない。でも、どこでズレているのかわからない。数字を合わせることに必死だった。数百時間は溶かしたと思う。

一度だけ作る資料と、これからもずっと使う資料、毎日データを取って見る表、それぞれにかけるべき時間も見るべき場所もピンとこないので、とにかく無限に時間をかけていた。

いまだったら「量の問題で、慣れたらわかる」と思えるけれど、当時の私は「自分の頭が悪いからだ」「先輩たちのようにはなれない」と本気で凹んでいた。

私がマウスを使って必死に「えーっと、Vlookupで、ふたつめのデータを参照するから2で、falseは…」とかポチポチやっている横で、キーボードだけでシャカシャカ作業する先輩がまぶしくてカッコよかった。いつかマウスは使わない派になりたかったが、実はいまのところはなれていない。

私から見ると天才な先輩が一瞬で終わらせる資料作成を、私は何日もかけてやっていた。「そんな簡単な作業で残業するな」とチクリと言われたこともある。悔しかったけれど、その通りだった。でも、だってできないんだからしょうがないだろう!向いてない仕事させんな!とも思っていた。

覚えることがシンプルなピボットのほうが好きだったので、ピボットをよく使っていた。

でも、はじめてピボットで表を作ったときは、品種別に色を変えようとして、素データをいじると表の色が元に戻ってしまう!と困惑しながら何度もやって日曜日を溶かした。

後日、先輩から「お前…!ピボットで色を使おうとするとは…!…大変だったろう…」と哀れみの目で言われた。呆れられていたと思うけれど、さすがに日曜日を溶かした私に強く言うのをやめてくれたのだと思う。優しい人だった。

そんな数字ゴリゴリ仕事の日々は2年も経たずに終わった。次の新入社員が入ってくるとバトンタッチになるのだ。たしかに、その後の基盤になるから最初にやるのは大事だったのだと思う。当時はありがたみがわからなかったけれど。

私の仕事人生を振り返ってみても、あれだけの数字とデータの羅列に向き合ったのは、あのときだけ。

でも、いまだに、あの時代に作った貯金(?)で生き延びている気がする。当時ポンコツだった私にめちゃくちゃ感謝している。

ここからは、最初の2年で身につけたデータ分析の力が、その後にどんなふうに活きることになったのかを書いてみる。

会社の外に出たら、データを使える人は意外といないと知った

新卒で入った会社は、データ分析やそれを使った資料作成がすごい人がいっぱいいて、私は最後まで自分のことを劣等生だと思っていた。でも、転職してみると「世の中は広い」と知った。

次に入ったのはデザイン文具の会社だったのだが、そもそも社員の職種の割合がまったく違うのだ。

デザイン文具の会社なので、企画、デザイナー、商品開発の人が多かった。

データをがっつり扱うのは、発注を考える部署、情報システム部くらいの印象だった。

その会社で私は商品開発部にいたのだけれど、そこでの私は「わりとデータ分析ができる人」であり「資料作成をささっとやれる人」みたいな感じだった。なので、月次資料のフォーマットを作ったり報告資料を作ったりすることが増えた。

場所が違うと扱いが違うんだなあと感じたのだが、この後、フリーランスになってからさらに違いを知ることになる。

ピボット+関数を使える人は、わりと限られる説?

新卒時代から約20年、40歳になった現在、データ分析の仕事をちょいちょいやっている。

わりとしっかりやるウェブ解析や、実績集計とその分析、関数やピボットを使ったちょっとした作業まで幅広いのだが、よく言われるのは「データ分析できる人がいない」という声だ。

最近でも「かなえさん、ピボットは使える?」と聞かれて、「ピボット…?ふつうくらいなら」と答えて、お仕事につながったことがあった。

聞いてみると、エクセルの関数は使える人がいるけど、ピボットを使える人がいないのだと言う。なんとなく関数とピボットはセットで覚えるイメージを持っていたが、そんなことがあるのかと驚いた。

ありがたく仕事させてもらいながらも「ピボットのスキルが仕事になることなんてあるのか!?」「新卒の経験をここで回収するとは…」と感慨深かった。20年前の私が数百時間を溶かして習得したことが、いまにつながっているんだなと感じた。

自分ができなかったから「わからない人目線のフォーマット」を作れる

私の仕事のいちばんの特性は、自分がポンコツだったからこそ、ほかの人がどこがわからないのかを想像できることだ。

会社員時代もフリーランスになってからも、私が作る表をそのまま私が使うことはなくて、いつかは、ほかの誰かに引き継いでいく。

そのときに大事だなと思っているのが、仕事の手離れがいいことだ。どんなにすごいシートを作っても、引き継いだ後に質問されまくったら時間が溶けるばかりで、いつまでも抜け出せない。

終わったことは思い出すのに時間がかかるから、できれば質問されるのも避けたい。だからこそ、引き継ぎ時に「これさえ見ればOK」のシートを作ることに力を注ぐ。

慣れない人が見てもわかることはもちろん、作業自体がシンプルなことを意識してフローを作る。

「作った人はわかっていても、引き継いだ人はよくわからない」は、ほんとうによくある。

素データのシートひとつとっても、ベタ打ちの箇所と数式の箇所が入り混じっていたりする。それなら最初から色を変えておく方が親切だ。私の作るシートは、そういう細かい工夫をたくさん詰め込む。

あとは、表のできあがりが「資料としてちゃんと美しいこと」も大切にしている。整っているかどうかは、信頼につながると思っているからだ。

そう考えると、新卒時代の私が溶かした数百時間は、いま誰かの時間を救うことに少しはつながっているのかもしれない。

そんな感じで「昔の自分がやった、一見すると無駄っぽいことが、いつかなにかにつながることがある」とわかってからは、いろいろツールを使ってみるようになった。

自分のホームページを、時間を溶かしながらSTUDIOで作った

私のホームページはSTUDIOで作ったのだが、このサービスを選んだ理由は、最近よく聞くSTUDIOを使ってみたかったからだ。

コーディングができなくてもホームページを作れるツールは増えてきてるようだけど、どう違うのかな?と興味があった。

使ってみたらスーパーわかりにくくて「WiXにすればよかった」と心から後悔した。けど、半年前ほど放置したらデザイン画面が仕様変更したのか、わかりやすくなった。ちょっと感動した。

そんな感じで一度きりで終わる経験も多いけれど、いつかなにかの案件で「STUDIOでホームページを作ったことがあること」が活きるかもしれないし、半年前の私が溶かした時間は無駄ではないはず。

去年の私がAIで600時間を溶かしたことも、イラストツールで着物の柄を描くために8時間くらい費やしたことも、いつかのなにかに活きるのだと思う。

なんの仕事にもつながらなくても、「あのツールもこんな仕様していたから、たぶんこのあたりにこういう設定があるはず…」みたいな勘くらいは上がるだろう。それくらいでいい。

こうして振り返ると、「無駄に見えることをやってみる」という姿勢そのものが、いまの私を形作っている気がする。

それに気づけたことが、とてもうれしい。この文章がどなたかのヒントになれば、さらにうれしい。

🎁

毎日note、146日目でした。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

もし似たことでモヤモヤしている方がいれば、気軽に声をかけてください。いっしょに整理するお手伝いができるかもしれません。

▼ お仕事のご相談はこちら(Googleフォームに飛びます)


“数字にならない過程”を言葉に整える思考の伴走者。立ち上げフェーズの企画・言語化サポートをしています。

曖昧な思考を整理し、意味や価値を見つけながら次の一手を選べる状態へ。30冊の“大人の学びノート”を作りながら、AI対話と内省を通して思考を整え中です。

小さな工夫や気づきを、日々ちまちまと記録しています💡

▼ このnoteの歩き方はこちら(気になるところからどうぞ)

▼ 自己紹介はこちら


いいなと思ったら応援しよう!