【海外】不登校娘たちのためのフィンランドとイギリス旅
10年ほど前、小学校からの親友が、
ヘルシンキに行ったお土産にと
カラフルな花柄のペーパーナプキンをくれた。
これ、おみやげね〜!と渡された時、私はそこに書かれたロゴを、顔を近づけて1文字ずつ読んだ。
「マ…、マリ、マリメッ…コ…?」
そう。
私はマリメッコを知らなかった。
あんなに有名なのに。なんなら、ヘルシンキがどこの国なのかも知らなかった。
あれから10年。
私は今月、ヘルシンキに行く。
ヘルシンキはフィンランドの首都だった。
そういえば、地理でそう習った気もする。
フィンランドに昔から興味があった訳ではない。
ずっと海外に行きたいと熱望していたこの20年間、私の行きたい「海外」の候補に、フィンランドは入っていなかった。
それなのになぜ、この円安で情勢不安のこの時期にわざわざ物価の高いフィンランドに行くことになったのか。
その理由はシンプル。
娘が行きたがったからである。
我が家には3人の娘がいる。
超陽キャで優等生の高2の長女と、現在不登校中の中3双子の次女と三女だ。
双子は中学1年生の入学直後から学校に行こうとすると具合が悪くなるようになり、中学2年生のGWを境に二人とも全く学校に行けなくなった。今は定期テストや行事などでたまに学校に行けることもあるが、基本家にいる。
やっと双子が中学生になり、そろそろ子どもたちを海外に連れて行きたいと考えていた矢先、二人は不登校になった。
まさか我が子が二人揃って学校に行けなくなるとは想像もしてなかった私は、焦りばかりが募り、年間欠席日数が30日を超えないようにと無理やり二人を学校に行かせていた。
しかし中2になり、欠席日数どころか出席日数が年間30日にも満たない状況になり「もう、どんだけ休んでも一緒か!」と開き直り、せっかくなので、オフシーズンのド平日に海外旅行に行こう!と提案したのだ。
もちろん不登校児を海外旅行に連れていくなんてこと、そもそも風当たりが強いってことは理解している。
つい最近も、不登校児は修学旅行に参加すべきでないという議論が話題になった。私も不登校児の母になって、世の中こんなにも不登校児への風当たりが強いのかと初めて知った。
しかし、そんなことを気にしてずっと家にいても、事態が好転するわけではない。不登校だからこそ、今しかない、そんなタイミングもあると思ったのだ。
私は英語教室を運営をしているが、早めに決めておけばお休みは取れる。パパは海外に興味なし、長女は学校を1日たりとも休みたくない。ならば海外は3人で行ってもいいか。長女とはいつか二人で韓国にコスメを買いに行こうと約束した。
私の仕事の関係で、行けるなら今年の6月。
覚悟を決めたら、次の問題は行き先だ。
台湾や韓国は近いし安いが、英語圏ではない。
せっかく双子も英語を習っているので、英語圏に行かせたい。
アメリカやヨーロッパは王道だがフライト時間も長く、なにより飛行機代がめちゃくちゃ高いし、着いたら着いたで物価も高い。金銭的に近場で…と考えると、シンガポール?オーストリア?まぁ、そのへんが関の山ってとこかな。
でも、待って。思い出した。
これは、私のための旅ではない。
学校に行けてない二人のための旅だ。
何か世界が変わるような、…と言ったら大げさだけど、それでも、普段の生活では経験できないようなことを経験してほしい。
そして、世界は広いんだなとか、いろんな人がいるんだなとか、この小さな街や学校だけでなく、どこかほかにも自分の居場所はあるかもしれない、この世は捨てたもんじゃないなって思ってほしいんだ。そんな旅にしたい。
なので、まず最初に三女に聞いてみた。
「海外旅行行くとしたらどこ行きたい?」と。
すると三女は即答した。
「フィンランド。」
フィンランドーーーーー?!!!!
高い~!!遠い~!無理~!!!
…とは思ったけど、一応飲み込んだ。
まさかのこの物価高の時代に飛行機代も滞在費も一番高い北欧をぶっこんでくるとは。
一応「なんでフィンランドなの?」と理由をきくと、
「テレビで見たフィンランドのガラス工芸が美しかったから見てみたい」だそう。そうだった。三女はアートが好きなのだ。あと「ママが毎週フィンランドの人のYouTube見てるから」らしい。
たしかに。
たしかに見てたわ。毎週日曜の朝。
あれ、フィンランドだった。
そっか、フィンランドか。
考えてなかったけど、まぁ、いいかもしれない。
何より、本人がはっきりと意思を持って「行きたい」と言っているところに連れて行こうではないか。
お金は…まぁ、今までこのために貯めてきたきたし、3人分ならなんとかなるだろう。
でも、フィンランドに関してなんの知識もなく、何なら飛行機のチケットもどうやって取ったらいいかわからない私は、さっそく叔母に泣きついた。
私の叔母は、イギリスやアメリカに住んでいたこともあり、今でも世界中いろんな場所を旅しているし、海外に慣れている。
もう、これは叔母をこの旅のメンバーに組み込もう。そして、諸々を手配してもらおう。4人旅行だ。で、私たちはツアー客のように、うしろをついていこう。それなら行けそう。
待って、それなら母も誘おう。
陶芸家の母がフィンランドのデザインや食器に興味がないわけがない。イッタラ、アラビア、マリメッコ。そういえばアルバ・アアルトの自邸が母の理想の家だと言ってた。アアルトはフィンランドの人だもん。じゃあ、5人だ、5人旅。ちょうどタクシーに乗れない人数だけど仕方ない。
そんなこんなでまず1か所目の行き先「フィンランド」が決まった。
すると叔母が「せっかくヨーロッパに行くならもう一か所追加したい」と言い始めたのだ。私は双子に”ロンパリローマ”のどこかを見せたい、と。
ロンドンかパリかローマか~。
私はパリとローマは行ったことがある。どちらも良かったな~。ロンドンはあんまりよくわかんないし、行きたいとも思ってないけど、ま、どちらかと言えばローマかな~。
やべ、またやっちまうとこだった。
これは私の旅ではない。二人のための旅だ。
もう一人いた。次女だ。
なので私たちは次女に聞いた。
「もう一か所、どこ行きたい?」と。
すると次女は即答した。
「それなら私、ロンドンに行きたい。」
2か所目の、ロンドンが決定した。
最初「私は海外どこにも興味ないからママたちで好きなとこ決めて」と言っていた次女の「私、ロンドンに行きたい」だ。それは叶えてあげたい。
聞けば、ベイカーストリートに行きたいらしい。(←そっか!君はコナン好きだった!)
よし、この際理由は何でもいい。
行こ。両方行こう。
ということで、
私たちの「フィンランドとロンドンの旅」が決まった。
そこからは、私と二人のパスポートを申請したり、チケットやホテルを手配したり、海外旅行に必要な様々な手続きをチャッピーやGeminiにお世話になりながら、なんとか出発2週間前まで来た。
私個人としては、フィンランドとロンドン、8:2でフィンランドが楽しみだ。
ごめんロンドン。
街と人の相性、ってあると思う。
行く前から情報収集のためにフィンランドのVlogを山ほど見てるけど、もうすでに「私、フィンランド大好きです」って思ってる。
山、森、海、湖、食べ物、文化、
街並みに国や街の規模、雰囲気と人。
多分、私が今まで訪れた国と比べても、多分フィンランドは私のツボにドストライク。
何せ、ちょうどよい。北海道で生まれ育った私はフィンランドに既視感さえ覚えはじめ、Vlogと動画を見すぎて、もう行ったことあるような気さえしてきた。
そして、先週くらいから「あぁ、いい街だったなぁ」「また行きたいなぁ」とすら思うようになってきた。まだ行ってないのに。末期である。
その話を長女にしたら、
「ママ良かったじゃん!なんと再来週行けるよ!フィンランド!」と言われて、「えー!最高じゃん!!」となった。(そしてパパに何言ってんの?と言われた。)
楽しみすぎて、スマホの待ち受けにカウントダウンの画面を出した。

こんなに指折り数えて旅を迎えたことがあるだろうか。いや、ない。こんなに先の予定が楽しみだったことがあるだろうか。いや、ない。
うれしい、たのしみ、わくわくする!!
完全にエンジンがかかりすぎている。
それも自覚している。それでも止められない。
20年、海外に行けなかった海外好きの、積年の想いが爆発する。
そんな昨日、叔母から突然連絡があった。
”あなたのホテルをキャンセルしました”と連絡が来たらしい。
え?こちらはキャンセルしてませんけど?
叔母が今、予約サイトの担当者と闘ってくれている。一筋縄じゃ行かないぜ~!
なんとか無事に出発の日を迎えられますように、そして無事に行って帰ってこれますように。
そして、この旅が二人にとって、
「あの旅に行って良かった」という人生の1ページになりますように。
行ってきます!!
