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もう一度加奈子って呼んで~好きになるほど失うことが怖くなる

彼との恋が始まる前、こんなことを考えたことがある。

たくさん恋をした。

クラブで働き、嫌というほど男心も見てきた。

結婚もした。

子どもも産んで、育児もしてきた。

もし今の記憶を持ったまま、若い頃にタイムスリップできたなら。

あの頃よりずっと人の気持ちがわかる今の私なら、たいていの恋は、きっとうまくいかせられる。

そのくらい恋愛は、若さや容姿よりも、最後は人間の中身がものをいうのだと思っていた。

でも、実際にもう一度人を好きになってみたら、そんなことは全然なかった。

LINEが来れば、嬉しい。

来なければ、寂しい。

しょっちゅう誘われれば浮かれてしまうし、少し会えない時間が続けば、別れの予感がよぎる。

傷つかないように彼を忘れようとして、本当に顔まで思い出せなくなりそうで怖くなる。

そしてまた会えると嬉しくて。

のエンドレスw

何歳になっても、恋をした私の心は驚くほど簡単に揺れて、
少しも賢くなってなかった。

私には家族がいる。

そして彼は、私より19歳も年下だ。

いつか終わりが来ることは、初めからわかっていたし、忘れたことはない。

それでも、彼のことが大切になればなるほど、失うことが怖くなっていく。

彼の人生の邪魔をしたいわけではない。

彼には、彼の人生をちゃんと生きてほしい。

幸せになってほしいと、心から願ってる。

それなのに。

私は、彼にいったい何を求めているのだろう。

たとえば、彼が私に夢中になって、

「離婚してほしい」

そう言って、泣いて傷ついたら私は満足するのだろうか。

違う。

そんなことを望んでいるわけではない。

「体だけの関係は嫌だ」

そう言った彼に、きちんと答えなかったのは私だ。

「時々でいいから外で食事をしたい」

と言ってくれた彼を、断ったのも私だ。

それなのに体の関係だけだと寂しいと思う。

なんて身勝手なんだろう。

私はいったい、どこまでなら彼を求めていいのだろう。

出産で体は変わった。

昔よりもイキにくくなったし、濡れにくくもなった。

黒ずみだってある。

若かった頃の体とは、もう違う。

そんな私を、若くてかっこいい彼が一度でも抱いてくれた。

それだけで、逆立ちして喜ぶくらい幸せなことじゃないか。

なのに、会えば会うほど、気持ちは膨らんでいく。

もっと会いたい。

もっと触れてほしい。

もっと私を知ってほしい。

そして、できることなら、

もっと私を好きになってほしい。

女は会えば会うほどに好きになる。

でも彼の気持ちは、私とは逆なのかもしれない。

したかったことを全部して、

見たかった私を全部見て、

やがて満足して、飽きていく。

いつか彼の熱が冷めたとき、私はきっと、たくさん泣くだろう。

でも、その涙だけは絶対に彼には見せない。

重かったと思われたくない。

困らせたくない。

彼の若い人生に、悲しい顔をした私を残したくない。

だから最後は、笑って言いたい。

本当にありがとう。

あなたに会えて、幸せだった。

きっと私は、そう言って笑顔で離れる。

でも、心の中の私は、そんなにきれいには終われない。

彼の目。

彼の唇。

彼の手。

彼の声。

髪に触れた感触。

抱きしめられたときの匂い。

ありがとう、ではなくて。

行かないで。

もう少しだけ、私を好きでいて。

もう一回、抱きしめて。

もう一回、加奈子って呼んで。

二度と触れられない彼を思って、

きっと子どもみたいに泣くんだろう。


いっぱい泣いてもいい。

恋して泣けるなんて、生きている醍醐味だ。

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(※直接的な性表現があります)


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