風侠無頼
十九人の第3回単独ライブ『風侠無頼』へ行ってきた。
(2025年9月21日、昼公演)
正に、“これから”の芸人の単独ライブ。恵比寿エコー劇場は、キャパ130人。この回は当日券もあったものの、ほぼ満員。椅子は古いけれど妙に座り心地が良い。吉本大帝国の劇場とは比べ物にならないくらいの狭さも、不思議と落ち着く。誰かの笑い声が反響して、天井から落ちてくるように響く。

開演前、客席は静かにざわついている。常連の痛ファンが盛り上がっているわけでもなく、全員がそれぞれのペースで2人を待っている感じ。けれど、どの客も「十九人を推している」という共通の目的を持っていて、その無言の連帯感をはっきりと感じた。

ネタは勿論しっかり面白い。
「このネタはM-1でもやるかな?」とか「テレビでやったらどうなるかな?」と余計なことを考えながらも、結局ちゃんと笑ってしまう。採点している自分と、観客として楽しんでいる自分が同時に存在していた。満員の客席が一斉に息を吸い込んで、同じタイミングで爆発するように笑う。
物販は、キャップとクリアファイルの2種類のみ。
正直、ロゴ入りのキャップを日常でかぶる予定はないし、クリアファイルは溜まる一方なのに、なぜかどちらも買った。「これを買うことでこの時間を確定させたい」という、よく分からない欲が働いた気がする。レジでお金を払った瞬間、少しだけ自分が“推し側の人間”になった気がして、気恥ずかしかった。

帰り道、手にしたキャップとクリアファイルを見て「これ、どこで使うんだろう」と思いながらも、なぜか嬉しい。自分が軽く乗せられて財布を開いた事実すら、今日は悪くない。

