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すごいAIを手に入れて、最初にやったこと(ハムスター日記㊳)

こないだね、「Fable5」っていう
とんでもないAIが出たんですよ。

プロが何週間もかけて書くプログラムを
たった一日で、涼しい顔で書き上げるようなやつ。


あまりに賢すぎて「悪用されたら危ない」って騒ぎになり、
アメリカ政府まで動いて、リリース三日で使えなくなった。

《 へー。それ、ぽんちゃんに関係あります? 》


世界中の人が、新薬の解析をしたり、ゲームを丸ごと作ったり、管理システムを秒で開発したりしてた、その奇跡の三日間ね。


わたしは Fable5 で、うちのハムスター・ぽんぽこ(♂)の
うんち数えるアプリ」作ってたんです。

《 あら。ぽんちゃん、関係ありましたね 》


いや、誤解しないでね。
わたし、うんちフェチとか、そんなんじゃない。
ぽんぽこへの、溢れんばかりの愛ゆえなんです。



じつは先日ぽんぽこが、病院で要・経過観察になりまして。
次の検診で、先生に日々の変化を正確に伝えたいって思った。


もともと、お迎えした日から記録はつけてたんです。
体重、食べた量、うんちの様子まで、毎日ぜんぶ。

《 え。そんなに見張ってたんですか? 》

でも、それを全部ちっちゃい手帳に書き込むものだから、情報がグッチャグチャになってきて。
もう暗号日記みたいになってたんです。

これじゃ、せっかくの記録も先生に伝えにくい。

どうしたもんかなあと思ってた、まさにそのとき。
その超高性能AIがリリースされたんです。


これはもう、ぽんぽこ健康記録アプリを作るしかないじゃないですか。

《 つくりましょう!》


でもね、わたしプログラムのコードなんて一個も分からんのです。
だからAIに、やりたいことをフワッと頼むわけですよ。

「ここに、うんちの数をピッて入れられるボタン作って」
「体重の推移もピャピャッと表示して」って。


わたし、世界を騒がせた天才知能に、ハムスターのうんちを数えさせている。


それでもAIは嫌な顔ひとつせず、
「かしこまりました」って光の速さで形にする。



これ、たとえるならミシュランの三つ星シェフがすぐ横に控えてて、
「何でも作りますよ、仰せのままに」って言ってくれてる状態なんです。

なのにわたしが頼むのは、
卵かけご飯、ちょっと醤油多めで
みたいなことばっかり。

そいで、完璧な卵かけご飯が出てくる。


一流を、三流に使う天才。
それがわたし。


いや、ぽんぽこのうんちは、わたしの最重要案件ですが。



で。
そんなこんなでね、ぽんぽこアプリが完成したんです。

体重、うんち、おしっこの量から、
ごはん食べた量、起床時間、運動量、すべて管理できる。

これで検診もバッチリだ、と。
毎日楽しいな、と。


…でもね。
毎日使い倒しておきながら、アレなんですけれど。

わたし、このアプリがずーっと怖いんです。

だって、どういう仕組みで動いてるか、一個も理解してないから。

AIって、たまに信じられないヘマするじゃないですか。

ある日突然、ぽんぽこの大切な記録がパッと全部消えたらどうしようって思ったら、もう怖くて怖くて。

《 ぽんちゃんの思い出、消えてほしくないですよね 》

で、結局いま、どうしてるかというとね。


手帳にも記録をとってます。


アプリにパパっと入力した直後、
横の手帳をパッと開いて、
おんなじ数値をボールペンでカチカチ書いてる。


…これって、便利になったの?

なってなくない?

…ものすごい、二度手間だよね?

でもさ、やっぱ紙が一番信用できるよね?


まあ…その手帳も、わたし結構な頻度で書き間違えるんですけどね。

《 いちばんヘマしてるの、
かいぬし じゃないですか 》



追記;
ぽんぽこは変わらず経過観察中ですが、
毎日ごはんを美味しく食べて、楽しく健やかに暮らしています。



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