こんな日に限って、夢は叶う(ハムスター日記㊶)
うちのビビりハムスター・ぽんぽこ(♂)。
先週の火曜と水曜、たった二日間で、
わたしの胃を二回ねじり上げました。
ギュルンギュルンに。
雑巾絞りの刑かっていうくらい。
で、その強烈なねじれとねじれの狭間で、
ついにわたしの悲願を、ポロッと叶えてくれたんです。

まず、火曜日。
ぽんぽこの定期検診でした。
じつは彼、ここ二ヶ月ほど経過観察中です。
大きな異常は見つかっていない。
ただ、気になる症状が消えたわけでもない。
だから検診のたび、結果を聞くまではヒヤヒヤする。
この日も、「今回も問題なし」って聞けて、
ようやく胃のねじれがほどけました。
ぽんぽこにしてみれば、病院なんて恐怖でしかない。
「今日はもう絶対に出てこないな」と思いながら、家に帰りました。

ところが、その日の夜。
ぽんぽこはすんなりとお外遊びに登場した。
そしてなんと、
わたしの膝元で毛づくろいを始めたんです。

お腹をペロペロ舐めて、
顔を洗って、
耳の後ろをカリカリ掻いて。
そして極めつけに、そのまま寝落ちしかけた。

ちょっと待て。
こんなデレ、ぽんぽこ史上、初めてだぞ。
どうした?
おまえ、ホントにうちのぽんぽこか?
病院の待合室で、どっかのハムスターと入れ替わっとらんか?

さらに翌朝、また奇跡が起きた。
ぽんぽこが、わたしの手のひらにスルンと乗ってきたのだ。





ぽんぽこは怖がりだから、
わたし、一生抱っこできないだろうなと思ってたんです。
寂しいけど、それでいいって。
その彼が、いま、わたしの手に乗ってる。
手のひらに、ぽんぽこの温もりと重みがある。
ああ、乗った。
ほんとに乗った。
ぽんぽこ、ありがとう。
わたし、生まれてきてよかった。

ところが、その日のお昼ですよ。
今度は、おしっこに起きてこないんです。
うんちはしてる。
ペレットも食べた。
お水も飲んだ。
でもね。
おしっこだけ、しない。
経過観察中の身で、おしっこゼロはあかんでしょ。
わたしの胃袋、あっという間に雑巾しぼりへ逆戻りです。
夜になっても、おしっこの気配はなし。
ぽんぽこはケージの中ゴソゴソされるの、嫌がる子なんです。
分かってる。
分かってるけど、我慢できなくなって、調べました。
そしたら…あった。
おしっこ。
巣箱の中に、ちー、って。
お布団に、まんべんなく「ぽんぽこアロマ」を振りまいていた。
わたし、ヘロヘローって床に座り込みました。
よかった。
出てた。
おしっこ、出てたよ。

そして気づいたんです。
心配させて。
↓
安心させて。
↓
急にデレて。
↓
音沙汰なし。
これ、歌舞伎町で一番売れてる人間のやり口やないか。
ぽんぽこ、恐ろしい子。
おまえ、そのテクニックどこで覚えてきた?

いいんだよ。
健康なおしっこが出てるなら、もうそれでいい。
巣箱が汚れたら、また買えばいい。
何せあなたは、幼少期におしっこで巣箱を12個もダメにした伝説の男。
こっちは、そんなあなたを育ててきた、覚悟の決まった女だ。
ただ、ひとつだけ。
巣箱で済ませたなら、「今日はココでしたんで」って教えてくれんか。
膝元での毛づくろいも、手乗りも、あれっきりです。
ぽんぽこは、わたしの胃をギュルンギュルンにねじり上げながら、
悲願をふたつだけポロッと叶えて、通常営業に戻っていった。
わたし、とっくに「ぽんぽこ沼」にどっぷりだったんですけどね。
あの二日間で、さらに深く沼に沈められました。

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