うちのキンクマ、実は「月4000万売りあげてた」件。 (ハムスター日記㉛)
わたしは先日、ヘンなお菓子を見つけた。
いや、ヘンという言い方は失礼かもしれない。
ちゃんとした銘菓である。
その名は、「ぽんぽこおやじ」という。
見つけた瞬間、PC画面の前で手が止まった。
ぽんぽこ。
おやじ。
うちにもいる。

うちの子、年齢的には立派なおやじである。
ぽんぽこ & おやじ。
名前 & 属性、ここまで重なること、ある?
さらに、「ぽんぽこおやじ」のお姿、こんな感じなのだ。

メーカーさんによれば、どうやらこれは「たぬき」のお菓子らしい。
いやいや、またまたご冗談を。
画面の向こうの職人さんに、心の中で語りかける。
これ、キンクマハムスターでしょ。
もっと言えば、うちのぽんぽこでしょ。
まず色が近い。
焼き色と呼ぶにはやさしく、クリーム色と呼ぶにはこんがりしている感じ。
ぽんぽこが光を浴びたときの、背中の色に似ている。
そして形。
ぽんぽこが前足をちょこんとそろえて座っているときの、あの丸み。
背中なのか、おしりなのか、本人に聞いても答えてくれなさそうな、あのなだらかな塊感。


さらには、顔。
長いおヒゲ、閉じると一本線になるお目目。


もはや、わたしのプライベートが極秘に商品化されていたんじゃないかとすら思えてくる。
うむ。
これはもう、完全にフィーチャリング・うちのぽんぽこである。
夫に聞いた。
「ねえ、ぽんぽこおやじってお菓子あるんだけど、食べる?」
「うん。食べる」
ぽんぽこおやじとは何か、とは聞かれなかった。
夫はわたしの「ぽん活」にはとっても寛容なのだ。
「ぽん」がついてりゃ、うちの子関連だよね、いいよ、くらいの大らかさだ。
ありがたいよ、ほんと。
わたしはすぐに通販でポチった。

勢い付いたわたしは「ぽんぽこおやじ」について調べ始めた。
だって気になるよね。
なんでぽんぽこなの?
なんでおやじなの?
どこで作ってるの?って。
そうしたら、思ったよりずっと歴史のあるお菓子だった。
かつては都内に本社があって、多くの店舗を展開し、上野駅の店舗だけでも月に4,000万円も売り上げていたらしい。
ひと月に4,000万って。
ぽんぽこおやじ、どんだけ多くの人に愛されてたんだ。
しかも、全盛期にはTVCMまであったらしい。
その後、バブル崩壊で「元祖ぽんぽこ」を作っていた会社は倒産してしまったらしい。それでも、金型を受け継いだ方がいて、いまは埼玉で「ぽんぽこおやじ」として作られ続けているという。
なんだか、応援したくなる。
これはもう、買うしかない。
もう買ったけど。
それから、もうひとつ面白いことがわかった。
このお菓子、あの東京銘菓「ひよ子」からヒントを得たらしい。
そう。
ぽんぽこがお水を飲んでいるときのシルエットも、「ひよ子」にそっくりなのだ。


おやじにも、ひよ子にも似ている。
ハムスターという生き物は、最初から銘菓寄りなんだな。
うちのぽんぽこもそのうち、駅ナカの銘菓コーナーに並ぶかもしれない。
一週間後、わが家に「ぽんぽこおやじ」がやってくる。
もちろん食べる予定だ。
食べて応援するんだ。
ただ、届いた箱を開けて、あのぽんぽこそっくりの顔がわたしを見上げてきたとき、わたしはちゃんと食べられるんだろうか。
だって、毎日見ているのだ。
こんがり色で、まんまるフォルムで、かわいいおヒゲの、ぽんぽこを。

いやー。
なかなか勇気がいるよな。
食べられないかもなあ。
…いや、食べる。
それも「ぽん活」の一環なのだから。
たぶん。
うん、たぶん大丈夫。
……たぶん。
いやー、どうかなあ。

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