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アメリカの中のカニ工船−日系企業とビザ奴隷

こんにちは。

アメリカ在住4年目の管理人です。アメリカに関する日本語ニュースを眺めていると、断片的で偏向的だなぁとよく思います。ここでは私の周りで実際に起こったことや感じたことを、あくまで個人の見解として忘備録的に書き連ねていこうと思います。

タイトルの"カニ工船日誌"ですが、これは就労ビザにより劣悪な環境の会社に捕らわれている私の生活の現状を表しているものです。ということで、初回のブログはビザと日系企業をテーマに書いていきたいと思います。

簡単に、ビザとは?ということをお話しすると、国によりルールは異なるのですが日本人がアメリカに入国するためには原則全員、ビザが必要です。観光を目的とする場合はビザの代わりにESTAを申請することで、ビザ取得の義務が免除されます。その他の場合は、留学や就労・インターンなど、アメリカ入国の目的に合わせたビザの取得が必要になります。ですので観光ビザで入国しアメリカでバイトをして賃金を得るのは違法になります。また定められたビザの期間を超えて滞在することは不法滞在になり、強制送還の対象になります。ちなみに強制送還されると向こう10年、アメリカには入国できません。

私が現在所持しているのはE2という一種のワーキングビザ(働いても良いビザ)です。ワーキングビザには他にもH1-B、L1、J1などいくつか種類がありますが、基本的にはアメリカ側にある会社がスポンサーとなって取得が許可されています。つまりその会社で働くために発行されているビザということになるので、どんな事情があれその会社に在籍しなくなった時点でビザは失効することになります。

ここで登場するのが"日系企業"と呼ばれる現地法人です。日系企業の定義は曖昧ですが、ざっくり言うと日本人が運営している会社ということです。トヨタや日清のような超大企業もアメリカでは日系企業ですし、従業員数名の零細企業でも社長が日本人なら日系企業です。アメリカで働きたい日本人はこれらの日系企業の1つからスポンサーを受けてワーキングビザを取得することになります。

アメリカに住んでみたい、アメリカで働きたいという人は多いと思います。私もそうでした。残念なことに、アメリカの日系企業の中にはそういう気持ちを利用するブラック企業が少なからず存在します。私が現在の会社に入社した4年前、給料は手取りで1,600ドルでした。年収にして約2万ドル。東京で働いていた頃の半分以下です。定時は9-18時ですが18時に帰れることはほぼなく、イベントがある日は休日も出勤、残業代や休日手当、代休は一切なしです。同僚が以前働いていた日系の旅行代理店はフルタイムでも給料が1,000ドルだったそうです。それではとても生活できないので、その子は夜、キャバクラでバイトしていました。

上司や雇用主側に改善要求はしないのか?しても良いのですが、彼らがまともに取り合うことはまずありません。彼らはその従業員たちがビザがなくなったら困ることを知っているからです。アメリカにいたいでしょ?ビザ欲しいんでしょ?出してあげるからモンク言わずに働け、辞めたいなら辞めればいい、代わりはいくらでもいるから。最近はもう見慣れてしまいましたが、こういう考え方をする日本人が案外多いことにとてもがっかりしています。こういう従業員たちはこちらでは"ビザ奴隷"と呼ばれます。

もちろん日系企業全てがこうではありません。きちんとした給料体系や福利厚生を完備している会社もあります。ただ日本からビザを餌にして奴隷のように搾取する悪習が、このアメリカの日系社会には確かに存在しています。私は現在の会社をもうあくまでアメリカに滞在するための手段と割り切っているのでそこまで深く落ち込むことはないのですが、アメリカで働くという夢を持って、大金を掛け苦労してビザを取ってアメリカに来た人たちがこういう現実に直面し、たった数ヶ月で失望して日本に帰っていく姿を見ていると、どうにもやるせない気持ちになります。


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