【05】'93.コンサートツアーのCM
93年春、KANさんは常に生活の中心にいました。
新生活の記憶はいつもKANさんと一緒です。
文末を「〜でした」「ですます」調に変えようか迷っていますが、どうしてもしっくりこなくてこの文体のまま続けてみます。ご容赦くださいませ。
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学園祭ではない「コンサートツアー」はいまだ見れていないまま、高校を卒業し、私は岡山県内の大学に進学した。
県外への進学は我ながら無謀な決断で、親もよく許したなと思う。無知の行動力は時に脅威。そこから少しずつ社会勉強をしていくのだけれど。
4月の初旬、大学近辺での新生活に必要なものを、家族で準備していた春休み。
田舎で疎い世間知らずだった私は、初めて一人で住み始めるという展開に、内心少なからず、いやかなりビビっていた。
受験で初めて訪れたような、知人もいない結構遠い所。
最低限の準備を終えたら家族は帰り、私一人でここに残るのだ。
実家にあった、サイコロのようなちっちゃいブラウン管テレビを一緒に車に積んできて、岡山のテレビの周波数に合わせて調整していた。
「これで見られるようになったかな?」とチャンネルを変えつつ、家族でテレビ画面を眺めていたら、目に飛び込んできたのは、KANさんのコンサートツアーの告知CMだった。
忘れもしない。
KANコンサートツアー「早くよくなってね」
「7月8日 岡山市民会館」
「何月何日発売開始」(←この日付は覚えてないけど)
目は釘付け。
初めて知った。
遂にコンサートツアーを見ることができる!
来るべくしてここに来た、これは運命だと確信した瞬間だった。
あくまでも追っかけじゃなくて進学です念のため(笑)。
でもそのCMは、幸運のご褒美が舞い降りてきたように、不安や緊張を和らげてくれた。
岡山きっと楽しいよ?と励まされる感じで、新生活が始まった。
初体験を毎日繰り返す。どこにどんな店があり何が買えるのか等、自転車で探検して見つけては開拓していった。
友達も学校もアルバイトも、第二の故郷と呼べるくらい縁の深い地になっていく。
さて、予期せずKANさんのコンサートツアーの予定がわかった次はチケットだ。どうやってチケットを入手するのか、自力で調べて買うのもまた勇気だった。
当時のコンサートチケットは、CD店のレジカウンターのショーケースに、ゴムで束ねた紙のチケットの現物が展示されていた。
「買いたいです」というと、
店員さんが紙の座席表を出してきて、
「色付けされている席があります。どの席にしますか?」と聞かれ、
「じゃあ⋯この列のここの番号の席で何枚」と答えると、
座席表の席を手書きで塗りつぶされて、
束の中から希望した座席のチケットが買える、
というシステムだった。
当時のダイエーにCD屋さんがあり、そこに並んでいたけれど、なかなか申し出る勇気が出ず、ショーケースを横目に何度も店を往復して、やっと買うことができた。
7列目中央付近だったと思う。
徐々に他にも売っていることがわかってきて、座席表を見せてもらうのも慣れていくけれど、ファンクラブに入って先行予約するのが、良席が買える可能性が高いと学んでいくのはまだ先のお話。
春休み明け4月から全国で始まったKANさんのコンサートツアー「早くよくなってね」は、この7月の岡山公演が最終日だった。
無事チケットを手に入れたし、うきうきして指折り数え当日を心待ちにしていたけれど。
時折聞こえてくる「衝撃」のオープニング?
何だか驚かされるらしいゾ?という噂だけは入ってくる。
でも文通相手も「乞うご期待♪」とのこと。
無垢に何も知らないまま、いよいよあと数日に迫ってきた頃。7月3日か4日頃だったと思う。
ふと近所の書店に行くと、発売されたばかりの「月刊カドカワ」が平積みされていた。
KANの文字に自然と目が行く。
表紙が坊主のKANさんだった。
二度見した。「坊主? え? ぼうず???」
もちろん買う。この髪型が衝撃なのか。
月刊カドカワにネタバレされた。
帰り道「そうかぁ〜それはビックリするかもなぁ〜楽しみだなぁ〜♪」と思いながら自転車を漕いでいた。
ネタバレは予期せず知ってしまうこともあると学んだ。
次はコンサートツアーを観た話。
ブリーフ星人の登場です。

