助けてもらった人を避けてしまうのは、恩知らずだからではないのかもしれない|オリジナルソング『君だけが知っている』
顔を思い出すたび胸がざわつく。
本当は会いたかった。
助けてもらったことも覚えている。
感謝していないわけじゃない。
でも、会えない。
連絡もできない。
名前を見るだけで苦しくなる。
そんなことが、人にはあります。
恩人ではなく「証人」になってしまうことがある
苦しかったとき。
眠れない夜が続いていたとき。
誰にも会いたくなかったとき。
そばにいてくれた人がいました。
普通なら、その人は恩人です。
でも時々、人はそう受け取れないことがあります。
その人を見るたびに、
泣いていた自分。
頼るしかなかった自分。
立ち上がれなかった自分。
あの日の弱い自分を思い出してしまうからです。
恩人は、
恩人ではなく、
自分の弱さを知っている「証人」になってしまうことがあります。
人は感謝できないほど傷つくことがある
助けてもらえたことは嬉しかった。
本当は助かった。
でも、
「助かった」
と言うことは、
あの日の弱かった自分を認めることでもあります。
もし、
「弱い自分は愛されない」
「頼ることは恥ずかしい」
そんな思い込みを抱えていたとしたら。
感謝より先に出てくるのは、
恥や罪悪感かもしれません。
だから、
避ける。
連絡を返さない。
距離を置く。
時には相手を傷つける。
遠ざけたかったのは恩人ではなく、
その人の前にいた弱い自分だったのかもしれません。
『君だけが知っている』──恥によって切れてしまった関係への鎮魂歌
今回の曲『君だけが知っている』は、
恩を仇で返す人を責める歌ではありません。
感謝できないほど傷ついていた人。
弱さを見せた自分を隠そうとした人。
そして、
恥によって切れてしまった関係を悼む歌です。
歌詞の最後には、
こんな言葉を書きました。
もしまた会えたなら
今度は逃げないで
「助かったよ」
その一言だけ渡したい
誰かに伝えるための言葉かもしれません。
でも本当は、
長いあいだ追放してきた、
弱い自分自身へ向けた言葉なのかもしれません。
人は、
誰かを失うだけではなく、
恥によって、
「ありがとう」と言えるはずだった未来を失うこともあります。
『君だけが知っている』は、
そんな、
恥によって切れてしまった関係への鎮魂歌です。
それでも。
ずっと先になってからでも、
「助かったよ」
と伝えられる日が来ることを願っています。
※この記事は、オリジナルソング『君だけが知っている』の制作過程で考えたことをまとめたものです。
人は時々、感謝できないほど傷つくことがあります。
それでも、いつか「助かったよ」と伝えられる日が来ることを願っています。
オリジナルソング『君だけが知っている』
※この作品は特定の個人を描いたものではなく、人間関係の中で起こりうる心の動きをもとにした創作です。
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