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【食】すき焼きと人生の「食べごろ」



先日、とあるサイトでポイントが貯まり
何に使おうかと迷っていたら
すき焼きのお肉が目に止まりました❤️

早速注文したものが届き、妻と二人で
「今夜は静かにすき焼きでも囲もうか」と
準備をしておりました。

ところが、不思議なものです。

煮え始めた途端、どこから嗅ぎつけたのか、
近所に住む長女がひょっこりと顔を出し

結局、賑やかに三人での鍋囲みとなりました。
静かな夜はどこへやら。

でも、これがなかなか
人生の深淵を覗くような時間となりました。


焦りは「火の通り」を悪くする




すき焼きという料理は、
せっかちな人には向いていませんね。

早く食べたいからと火を強めすぎれば、
肉は硬くなり、野菜は焦げ付きます。

かつての私は、
まさにそんな風に人生を急いでおりました。


早く結果が欲しい。
人より先に進みたい。

けれど、
強火で急かした時間は、

肝心の「味」が染み込む前に、
心ばかりを磨り減らしてしまいます。


鍋を囲みながら、
早々と箸を伸ばそうとする子供を
「まあまあ。豆腐はまだ白いよ」となだめつつ、

自分自身に言い聞かせているような
そんな心地がしておりました。


春菊には春菊の、豆腐には豆腐の「時」がある




鍋の中には、それぞれの「時」があります。


サッと熱を通すだけで香り立つ春菊もあれば、
じっくりと腰を据えて煮込まれ、
割り下の色に染まってからが本番の豆腐もございます。


人間もまた、同じではないでしょうか。


若くして華やかに咲く人もいれば、
50を過ぎてから、
ようやく人生の深い滋味が
滲み出てくる人もいるでしょう。


「肉さえ食べれれば問題ないし」
と頬張る子供の横で、
私はゆっくり色の付いた豆腐を
つまんでおりました。


焦る必要はありません。


それぞれに、
一番美味しい「食べごろ」があるのですから。


混ざり合う旨味が、人生を深くする




最後は、
すべての具材の旨味が溶け出した汁で
「うどん」をいただきました。

二人で食べるはずが三人になり、
賑やかな会話という調味料が加わったその味は、
予定していたよりもずっと奥深く、格別なものでした。


私の人生も、振り返れば、
思い通りにいかないことばかり。

けれど、
予定調和ではない「不意の出来事」が
混ざり合うことで、

ワガママ放題では決して出せなかった
「いい出汁」が出ていた気がいたします。




幸せというのは、
どこか遠くへ探しに行くものではなく、
目の前の鍋が煮えるのを待つ「心のゆとり」の中に、

そして不意に訪れる「縁」の中にあるのかもしれません。



湯気の向こうで、
笑い合う家族の顔を眺めながら、
ゆっくりと酒を嗜む。


そんなひと時は
私にとっての「極上の養生」となりました。




さてあなたという人生の鍋は、今どんな具合ですか?



観風 拝

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