🎙️ 「校則があなたを守る」——ルールを教えるのが苦しい先生へ
こんばんは。
元理科室の実習助手、くうあいです。
【代筆投稿しています。】
1枚0.5円のタオルたたみの仕事。
それが、58歳の彼が今、社会とつながる唯一の接点です。
しかし、彼の手から生み出される言葉は、驚くほど深く
知性に満ちています。
通信手段を持たない彼に代わり
彼がUSBに託した魂の記録を連載いたします。
統合失調症と共に歩んだ40年。
その静かな、しかし熱い闘いの記録を読んでいただければ幸いです。
今日から始まった
「先生・先生の卵」の皆さんへ贈るシリーズ。
今夜は、私が離任式の日に
ある「教育困難校」と呼ばれた学校の生徒たちへ贈った
最後のアドバイスについてお話しします。
先生という仕事をしていると
避けて通れないのが「生徒指導」ですよね。
スカートの丈が短い
髪色が明るい
遅刻が多い……。
「どうして校則なんてあるんだろう。
注意する自分も嫌な気持ちになるし
生徒との関係も悪くなる気がする」
そんな風に、ルールを教えることに
苦しさを感じている先生も
多いのではないでしょうか。
私が勤めていた学校でも
校則を守るのが苦手な生徒がたくさんいました。
注意すれば反発され
時には厳しい言葉が返ってくることもあります。
でも、私は
離任式の最後の挨拶で
どうしても彼らに伝えたかったことがありました。
壇上に立った私は
体育館の床に
つまらなそうに座っている生徒たちを
まっすぐに見てこう言いました。
「みんなは、校則を
『自分を縛る鎖』だと思っているかもしれない。
でも、本当は違います。
みんなが校則を守るんじゃない。
校則が、みんなを守ってくれるんだよ」
社会には
目に見えないルールがたくさんあります。
校則を守る練習をすることは
将来、自分が
理不尽なトラブルに巻き込まれたり
誰かから攻撃されたりしないための
「鎧(よろい)」を身につけること。
「ルールなんて破ってもいい」と
投げ出すのではなく
ルールを味方につけて
自分を守れる大人になってほしい。
そんな願いを込めて
精一杯語りかけました。
すると、その後のことです。
普段は少しやんちゃで
真面目な話なんて聞いてくれないと思っていた
生徒の一人が
私のところに駆け寄ってきて
こう言ってくれたんです。
「先生。大好き!」
アドラー心理学では、人間関係を
「上下」ではなく
「横の関係」で捉えます。
「ルールを守らせる」のは
上から下への支配です。
でも
「あなたが傷つかないために
このルールを使いこなそう」と伝えるのは
相手を尊重した「勇気づけ」になります。
ルールを教えるのは
生徒を型にはめるためではありません。
彼らが卒業して
荒波のような社会に出たときに
自分自身を守り
大切にできるようにするため。
そう思えたら
明日からの生徒指導が
少しだけ、温かいものに変わる気がしませんか?
生徒たちの反発は
実は「自分の力を証明したい」という
切実な願いの裏返しでもあります。
だからこそ、私たちは
「支配」ではなく
「愛」を持って
ルールの本当の意味を伝えていきたいですね。
今夜も、一日お疲れ様でした。
明日も、あなたにとって
「もしかしたら」に満ちた
素敵な一日でありますように。
それでは、ゆっくりおやすみなさい。
元理科室の実習助手、くうあいでした。
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