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「この歳で経験がないなんて言えない」あなたへ|臨床心理学者が教える、経験のなさを誠実さに変える方法

「この歳になって、付き合ったことがないなんて、口が裂けても言えない」。

いい人だと思う。話していて楽しい。それなのに関係が近づけば近づくほど、心の奥で同じ声が鳴りはじめます。

バレたら、引かれる。おかしいと思われる。だからあと一歩というところでいつも自分から距離を取ってしまう。

けれど、その声はあなたを守っているようでいて、じつはあなたの幸せを静かに遠ざけています。

恋愛経験がないことを恥じてしまうのは、あなたに魅力がないからでもどこかがおかしいからでもありません。「この歳なら経験があって当たり前」といういつのまにか刷り込まれた思い込みがあなたを一人で苦しめているだけなのです。

実際にはそう珍しいことではありません。ある調査では独身の男女のうち、24.1%、つまり4人に1人がこれまで交際経験がないと答えています。「私だけ」だと感じているその状況を同じように抱えている人はあなたが思うよりずっと多いのです。

ただ、この状況ではあなたの中にいくつもの気持ちが同時に渦巻きます。

「バレたくない」という恐れ。「今さら誰にも聞けない」という孤独。「みんなは当たり前にできたのに」という焦り。「私なんかが」という自己否定。そして、それでも心のどこかにある、「本当はちゃんと人を好きになりたい」という願い。

これらが同時に押し寄せるから前に進むこともあきらめることもできなくなる。それはとても苦しいことです。

そして、この苦しさの厄介なところは誰にも相談できないことです。恥ずかしくて、友人にも言えない。言えないから一人で抱え、「私はおかしいのかもしれない」という思いだけが静かに濃くなっていきます。

「経験があるふり」がいちばん自分を苦しめる

いい人と出会えたとき、多くの女性がとっさにこう考えます。「経験がないことは絶対に隠さなきゃ」。話を合わせ、慣れているふりをして、なんとか気づかれないようにやり過ごそうとします。

一見、正しい対応に見えます。弱みは見せないほうがいい。そう思うのは、自然なことです。

けれど、この「隠し通そうとする」こと自体がじつはあなたをいちばん苦しめます。

心理学に透明性の錯覚という現象があります。ギロヴィッチという研究者が示したもので、人は「自分の内側の状態は相手に筒抜けだ」と実際よりもずっと大げさに思い込んでしまうという心の癖です。

あなたが「経験がないのがバレていないか」と必死になっているとき、その緊張はあなたが感じているほどには相手に伝わっていません。むしろ、隠そうとして身構えるほど、あなたは自然に振る舞えなくなり、会話はぎこちなくなります。相手が感じ取るのは「経験のなさ」ではなく、「なぜか壁がある」という距離のほうなのです。

つまり、あなたが恐れている「経験のなさがバレること」よりも「隠そうとして自分を出せないこと」のほうがずっと関係を遠ざけてしまう。これが隠す作戦の落とし穴です。

そしてもう一つ、隠し続けることには別の代償もあります。ふりを続けるかぎり、あなたは「本当の自分では愛されていない」という感覚からいつまでも抜け出せません。うまくいけばいくほど、「本当のことを知ったら、この人も離れていく」という不安が静かに大きくなっていくのです。

今日、あなたにお伝えすること

今日お伝えするのは、恋愛経験のなさを重荷にせず、初めての交際をあなたのペースで始めていく方法です。そして、経験のなさを「いつ、どう伝えるか」、あるいは「そもそも伝える必要があるのか」の判断の仕方です。

次に「バレたくない」と身構えて、一歩引いてしまいそうになったとき。そのときにこの記事をもう一度開いてください。

申し遅れました。私は神崎叶と申します。臨床心理学者であり、現役の心理カウンセラーをしています。

大学院では臨床心理学を専攻し、人が自分自身をどう見て、その自己イメージが対人関係にどう影響するのかを科学的に研究してきました。「自分には価値がない」という思い込みがどうやって人の一歩を止めてしまうのか。これは私の専門がとても深く関わる領域です。

カウンセラーとして人の話を聴き、心の問題に向き合う仕事をしています。相手が安心して本当の気持ちを話せる場を作ること。この技術はカウンセリングに必要なスキルの一つであり、私自身が専門的な訓練を受けてきました。その技術を後進のカウンセラーに指導する立場でもあります。加えて、スピリチュアルカウンセラーとしても長年活動してきました。

これまで1,000件を超える恋愛や人間関係のご相談に向き合ってきました。その中でも「この歳になって恋愛経験がない」という悩みは恥ずかしさから誰にも言えず、一人で長く抱え込まれやすいとても切実なテーマです。

たとえばこんな方がいました。三十代半ばまで交際経験がなかった彼女はようやく良い人に出会えたのに経験のなさを隠そうと必死になるあまり、緊張で自分をまったく出せず、何度もチャンスを逃してきました。あるとき、思いきって「実はあまりこういうことに慣れていなくて」と正直に伝えたら、相手は少し驚いたあと「そっか、じゃあゆっくりでいいよ」と静かに受け止めてくれた。彼女は言いました。「隠していたときより、打ち明けたあとのほうがずっと心が軽くて、自然に話せるようになったんです」と。

経験のなさは隠すべき傷ではありません。伝え方さえ選べばそれは「誠実さ」にも「これから一緒に育てていける余白」にもなります。

だからこそこの記事でお伝えするのは、気休めの言葉ではありません。現場で多くの方の心に向き合ってきた経験と心理学の裏づけに基づいた、すぐに使える方法です。

「恋愛経験がない」の背景にある、4つのパターン

まず、一口に「恋愛経験がない」といってもその背景はさまざまです。相談の現場で見てきたものを4つのパターンに整理します。自分がどれに近いかで必要な一歩が変わります。当てはまってもどれもあなたの欠陥ではありません。

一つ目は「機会がなかった型」です。学業や仕事に打ち込んできた、周りに出会いがなかった、環境的にタイミングがなかった。ただ、縁とめぐり合わせの問題であなた自身に理由があるわけではありません。

二つ目は「慎重・理想が明確型」です。誰でもいいわけではなく、心から良いと思える人を待ってきた。妥協しなかった結果としての「経験のなさ」であり、これはむしろ、あなたの誠実さの表れです。

三つ目は「自己評価が邪魔をする型」です。「私なんかが好かれるはずない」という思いが先に立ち、好意を向けられても信じられず、自分から引いてしまう。経験がないのではなく、経験を始める前に自分でブレーキを踏んでしまうパターンです。

四つ目は「親密さそのものが怖い型」です。人と深く近づくこと心を開くことに強い不安を感じる。近づかれるとうれしいはずなのに苦しくなって、逃げたくなる。これは意志の弱さではなく、心を守るために身についた反応です。

大切なのは、この四つに良いも悪いもないということです。そして、多くの人はいくつかが混ざっています。自分がどのパターンに近いのかが分かると「何を恥じる必要もない部分」と「少しだけ手当てすると楽になる部分」が見分けられるようになります。

もし、四つ目の「親密さそのものが怖い」という感覚が強く日常生活にも影響しているなら、一人で抱えず、専門家に相談してみることも立派な選択肢の一つです。

あなたの「経験のなさ」は本当に問題なのか

ここで、いちばん大切な見極めをお伝えします。それはあなたが恐れている「経験のなさ」が本当の問題なのかそれとも思い込みの問題なのかを切り分けることです。

次の問いを静かに自分に向けてみてください。

経験がないことで実際に誰かに嫌われたり、傷つけられたりした経験が本当にあるか。それとも「きっと嫌われるはずだ」とまだ起きてもいないことを想像しているだけか。

相手はあなたの経験の数を本当に気にしていると分かっているのか。それともあなたが勝手に「気にするに違いない」と決めつけているだけか。

多くの場合、経験のなさそのものより、「経験がない自分は価値が低い」という自己評価のほうがあなたを苦しめています。そして、その自己評価はたいてい事実ではなく、思い込みです。

まずは恐れているものが「現実」なのか「想像」なのかを分けてみること。それだけで心はずいぶん軽くなります。

焦った女性がやってしまう3つの間違い

良い人に出会えたとき、経験のなさへの焦りから多くの女性がやってしまうことがあります。かえって自分を苦しめる対応を3つお伝えします。

一つ目は経験があるふりをして、話を合わせることです。その場はしのげてもふりを続けるかぎり、あなたは本当の自分を隠したままになります。うまくいくほど、「本当のことを知られたら終わりだ」という不安が募り、自分で自分の首を絞めてしまいます。

二つ目は「経験がない私なんて」と自分で先回りして引いてしまうことです。これは心理学でいう自己成就予言に似ています。マートンという研究者が示した考え方で「どうせダメだ」と思い込んで振る舞うとその通りの結果を自分で招き寄せてしまうというものです。相手はまだ何も言っていないのにあなたが先に「無理だ」と決めて引けば関係は本当に始まりません。

三つ目は焦って、心の準備ができる前に関係を先へ進めようとすることです。「早く経験しなきゃ」という焦りからまだ気持ちが追いついていないのに交際や体の関係を急いでしまう。埋め合わせのように始めた関係はあとであなたを深く傷つけることがあります。

これらに共通するのは、「経験のなさ」を一刻も早く消したい欠点として扱っていることです。けれど、それは消すべき欠点ではありません。あなたのペースでこれから育てていけばいいただの出発点なのです。

この先のすべてに共通する、3つの原則

これからお伝えする方法はすべて次の3つの原則の上に立っています。

一つ目は経験の量と愛される資格はまったく関係がないということです。何回付き合ったかで人の価値は決まりません。あなたが誰かを大切にできる人であることと経験の数は別の話です。

二つ目は「初めて」は隠すべき欠点ではなく、扱い方を選べる情報だということです。伝えるか、伝えないか。いつ、どう伝えるか。それを選ぶ主導権はあなたの側にあります。

三つ目は自分のペースを守ることが良い相手を見分けるふるいになるということです。あなたのペースを尊重できる人はあなたを大切にできる人です。急かす人、焦らせる人はその時点であなたの相手にふさわしくないと分かります。

この先であなたが手にできること

ここまでで経験のなさの背景にある4つのパターンと焦りから来る間違いそして、すべての土台になる3つの原則をお伝えしました。この先では実際にどう進め、どう伝えるのかを順を追ってお伝えします。

この先であなたが手にできるのは、こういうものです。

経験のなさを「弱み」から「誠実さ」へと変える、考え方の転換。伝えるべきか、伝えないでいいか、その判断の基準。もし伝えるなら、重くならずに伝えられる、そのまま使える言葉。初めての交際を人と比べず、自分のペースで進めていくコツ。そして、あなたの経験のなさを相手がどう扱うかでその人が大切にしてくれる相手かどうかを見極める方法です。

この記事は単品(4,980円)でお読みいただけます。ただ、正直にお伝えしておきたいことがあります。この記事を含むすべての記事が読み放題になるメンバーシップ(月額3,000円)なら、この記事を1本だけ読みたいという方でも単品で購入するより安くすみます。退会はいつでもできますので、まず入ってこの記事を読む、という選び方もできます。

次に「バレたくない」と身構えて、せっかくの出会いから一歩引いてしまう前に。あなたがあなたのまま前に進むための道すじを手元に置いていただければと思います。

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