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【トピックス】週4日勤務でも生産性は変わらない〜だったら4日でいいじゃないの?

その昔、1956年に、当時のアメリカ副大統領だったニクソンが「そう遠くない将来に週4日労働制になる」と予言していたって、知ってました?リチャード・ニクソンといえば「ウォーターゲート事件」を思い起こすけれど、いまどきの人は知らないですかね。

これです(※注意:超長いです)。

それはともかく、60年以上も前に、週に4日働く時代が来ると予見していたとはオドロキ。

で、今、イギリス、アメリカ、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、オーストラリアなどで、週に4日だけ働く「Four-Day Workweek」という実証実験が6月から行われている。期間は半年なので、ちょうど半分過ぎたあたり。

このリポートによると、イギリスでは72の企業の計3,300人の従業員が、月曜日から金曜日の間に週1日の有給休暇を取得している、つまり、週4日勤務。

参加企業は、経済界のほとんどの部門にまたがり、チップショップ(フィッシュアンドチップスを売る店)から大企業まで、あらゆる企業を網羅している。

興味深いのはその経過報告の内容で、多くの企業が「うまく行っている」と感じていて、アンケートに回答した41社のうち、35社が実験終了後も労働時間の短縮を継続する可能性が「高い」または「非常に高い」と回答している。

具体的には、以下のような回答。

・半数近くの企業で生産性が向上している(「少し向上した」が34%、「かなり向上した」が15%)一方、全員が週1日勤務を減らしても生産性は変わらない(回答者の46%)と考える企業が多い。

・86%の回答者が、この時点で、試験終了後も週4日勤務制を維持することを検討する可能性が「非常に高い」「高い」と回答している。

(出典:Forbes)

これ、結構な数字だと思うのですがどうでしょう?もしかしたら、こういう結果(まだ終わってないけれど)が出るとは、当の企業も予想していなかったかもしれない。

気をつけて見ておきたいのは、生産性が上がったのがトータルして49%もあった、ということもそうだが、「週1日勤務を減らしても生産性は変わらない」と回答したのが46%もあったこと。そりゃ、86%が継続しますわね。

ちなみにスウェーデンでも、従業員が4日間で実験前の5日間と同じ量の仕事をこなしたことが判明している。だったら4日でいいじゃないか、と誰でも思う。

実はこの実験に先立って、ベルギーではすでに週4日勤務制が導入されている。アイスランドでも実験済み。

ベルギーの場合、「従業員が週4日勤務(週あたりの労働時間は週5日勤務の場合と同じ)を求めた場合、雇用主はそれを拒否することも可能だが、認めない理由について書面で説明することが義務づけられる」。そんな面倒くさいことするなら認めるのが人情かと。

コロナ禍の流行でワーカーの労働観(人生観)も変わり、世の中の多くの制度が見直しを迫られてるのは事実。そういう不可抗力があって、世界はリセットされていく。

世界で最も働いていない感(失礼!)のフランスでは、2000年から法律で週35時間労働が規定されているが、これを32時間(または週4日勤務制)にしようという動きがある。

「これまで、週休4日制のアイデアはあまり真剣に取り上げられることなく浮遊していた」けれども、パンデミックがより具体的にこのアイデアの実現を後押ししている。

生産性が上がったのは月曜から金曜の間に一日、心身ともに「ホッ」と休める(休ませる)時間を持てたからだと推察される。要するに、ずーっと緊張を強いられていては、生身の人間はアタマもカラダも疲れてしまって本来のパフォーマンスを発揮できない、せいぜい2日が限度ということではないか。

それで思い出したが、確かnoteかどこか(探したが出てこない)に「水曜日を休みにすることの効用」についてオモシロイ考証があって、

  • 月曜日は休み明けだから心身ともリフレッシュして仕事に取り組める

  • 火曜日は今日一日頑張れば明日は休みだと思って仕事に身が入る

  • 水曜日は休み(わーい)

  • 木曜日は休み明けだから心身ともリフレッシュして仕事に取り組める

  • 金曜日は今日一日頑張れば土日の2日も休めると思って仕事に身が入る

で、これが繰り返されるから、結局、このほうが生産性が高い、という説で、その会社で実行されているらしい。なるほど、一理ある。

一方でBBCは、「労働者は週末が3日あるため、平日の幸福度が高く、したがって週5日勤務の場合と同じ量の仕事をこなし、生産性も高くなるという考え方である」とリポートしている。

前述のイギリスの実験に参加しているスキンケアメーカーは、従業員の生産性が向上し、ミスが減り、従業員の協力体制も良くなったと述べている。「というのも、私たちは皆、木曜日の5時にはここを出ようとするからです」。判る、その気持ち。

間に一日休みを取るか、3日まとめて休みがいいか、どっちがいいかは人による(もしくは企業による)けれども、いずれにしろメリハリというものが人間には必要なのだろう。一種のバイオリズムか。

そもそも、週5日労働ってどういう根拠で始まったのか。というか、その前は週6日労働だった。ぼくの子供の頃は(すごい昔)、土曜日は休みではなくて就労日で、「半ドン」と言って正午までの半日勤務が普通だった。週休2日制になったのは、いつだったか…で、調べてみた。

このページによると、8時間労働が制定されたのは1947年(昭和22年)で、週48時間労働から40時間労働になったのは、1987年(昭和62年)だったらしい。高度成長期真っ只中ですね。ただし、企業や業種によって導入のタイミングはまちまちだったはず。

さらに驚いたのが、「時間外労働の上限規制の導入」が大企業で2019年(平成31年)。つい最近。そう言えば、「24時間、闘えますか?」というCMもありましたね。うちの父親は会社員だったけれど、土曜も日曜もなかったなぁ。(うっかりその血筋を引いてしまったのかもしれない)

経済学者のジョン・メイナード・ケインズは、1930年の“Economic Possibilities for our Grandchildren”(孫の世代の経済的可能性)というスピーチの中で、週に15時間労働の時代が来ると予測している。一日5時間働いて3日ですね。ここらへんがベストかも。

してみるに、生産性を向上させるテクノロジーが今ほど進化していなかった時代に、すでにそういう観測、というか願望があったというわけで。

いかにも人間臭いが、つまるところ人間が働くのは経済的合理性を満足させると共に、どうせなら機嫌良く働きたいという情緒的、もしくは情動的要素が大きく絡んでいると思う。それが、結果として生産性に反映される。オモシロイなぁ。

ちなみにこの実験で、5社に1社が実験から脱落しているが、その主な理由は「考えすぎ」と「怖じ気づいた」ためであるとしている。ここも人間的すぎる。

ところで、これを日本で実験したらどうなるだろう。大企業はできそうだが、問題は95%以上の中小企業でしょうか。

自分の場合、最初の会社がメーカーだったので完全週休2日制だった。いま思えば、あの頃が一番休んでいた。その後、不動産建築業界に移って、休みが水曜日になり(つまり、土日は出勤日になった)、その後、ひとりカンパニーを起業してから「休み」という感覚はほぼなくなり、労働時間は12時間以上で、今に至る。もう、下手すると曜日も祝祭日も判らない。

ワークライフバランスならぬワークライフインテグレーション(融合)などと洒落て言ったりするけれど、まあ、好きでやりたい仕事をしているという前提はありつつも、前述したように生身の人間には限界があり、リズム感を失うとかえって能率が悪いので、適度に休みはやっぱり取るべきだと、今にして思う。

これを機会に、週4日労働制の実験してみようか。果たして、どれだけ生産性が上がるのか…と思ったけれど、いきなりはさすがに無理だから、まず、日曜日を休むことからはじめてみますかね。で、余白を愉しむ、と。

※追記
コメントをいただいて書き忘れていたことに気づいたので追記しておきます。

問題は、残り3日で何をするか。ただボ〜っとするだけではもったいない。人生は一回こっきり、時間は有限。なので、他の仕事するのもよし、趣味に打ち込むのもよし、どっちにしても、自分でコントロールできることに時間を使うことが肝要だと思う。

なお、仕事で言うと、一つの会社、一つの仕事というくくりが徐々に緩んできているのが、今。複数の収入源を持つ人がどんどん増えている。「何している人か判らない」という人は、みんなそうだ。自分でコントロールできる時間と仕事を持って生きている。

そういう意味では「雇用」という概念も、もうなくなる頃だと思う。そうではなくて、「取引」関係で仕事する。上下ではなくて仲間で仕事する。だから、コワーキングというスキームが求められる…というわけですが、その話はまた今度。

それでは。

(Cover Photo:Timon Studler

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