データが示す新たな働き方のパラダイム~RTOの限界とワーカーの価値観の変化とは:今日のノート#583(2025-06-23)
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"アイデアをシェアするのは全員に賛成してもらうためではない。あなたから学ぼうとする何人かの人のためであり、同時に、彼らから学ぼうとするあなたのためでもある。
世間に認められなくても、自尊心を犠牲にするよりはよっぽどいい。
人気はどれだけたくさんの「いいね」を集めたかだが、影響力はどれだけたくさんの人の人生を豊かにしたかで測られる。"
(アダム・グラント)
Posted by Adam Grant on Tuesday, June 22, 2021
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#トーキング・コワーキングVOL .27
次回のトーキング・コワーキングは、6月27日(金)の19時から。
ゲストは、岩手県盛岡市の「岩手大学:イーハトーヴ協創ラボ TOVLAB〈トヴラボ〉 」のプログラムディレクター、平尾 清さんです。
よろしくです!
#データが示す新たな働き方のパラダイム~RTOの限界とワーカーの価値観の変化とは
2025年も半ばに差し掛かろうとする今、企業の働き方に対するアプローチが二極化している。
一方では従来のオフィス勤務への回帰(Return to Office、以下RTO)を強固に推し進める企業があり、他方では柔軟な働き方を積極的に受け入れる企業が存在する。
しかし、最新の調査データが示すのは、RTO政策の行き過ぎた推進が企業にとって想定以上の負の影響をもたらしているという現実だ。
JPMorgan Chase の事例から見るRTO政策の代償
・従業員満足度の量的な低下
JPMorgan Chase の最新の内部調査結果が、RTO政策の問題点を鮮明に浮き彫りにしている。同行は2025年3月から従来の週3日勤務から完全なオフィス勤務への移行を義務づけたが、その結果、約28万4千人の従業員の90%が回答した内部調査において、健康と幸福感に関する従業員満足度が前年比で明確に低下した。(Barron's)
この低下は単なる一時的な不満ではないことは明らかで、最も大きな不満の領域は、「ワーク・ライフ・バランス」、「キャリア成長の機会」、「従業員のウェルネス」に集中している。これらは現代のワーカーが最も重視する要素であり、企業の人材戦略の根幹に関わる問題だ。つまりこれは由々しき事態であることを示しているということ。
・経営陣と従業員の深刻な乖離
さらに深刻なのは、経営陣と従業員の間の認識の溝が拡大していることだ。JPMorgan Chaseの最高製品責任者であるRohan Aminは、2万5千人以上の従業員に向けたメモで「もっとハッスルと活力が必要だ」と記し、人工知能に関するフィードバック要請に対して5件未満の回答しかなかったことを批判している。(Reuters)
この一件は象徴的だ。従業員が積極的に参加しないのは、必ずしも彼らの怠慢ではないだろう。RTO政策により失われた柔軟性とワーク・ライフ・バランスが、従業員のエンゲージメントに深刻な影響を与えている可能性が高い。つまり「やってられるか」という話。
CEOのJamie Dimon氏は、オフィス勤務5日間を求めない従業員を尊重するとしながらも、クライアントと会社にとって最良であるためRTO政策は変更しないと断言している。しかし、この姿勢こそが問題の核心を示している。従業員の声と企業の一方的な判断の間に生じる乖離は、長期的に組織の健全性を損なう危険性をはらんでいる。と、なぜ判らないのかしらね。
そして、さらに注目すべき調査結果がある。
リモートワークがもたらす健康と生産性の向上
・南オーストラリア大学の画期的な研究
JPMorgan Chase の事例とは対照的に、リモートワークの効果を科学的に実証した研究結果が注目を集めている。南オーストラリア大学が実施した4年間にわたる大規模な研究は、リモートワークが従業員の健康と生産性の両面で明確な改善をもたらすことを明らかにした。(HR Grapevine)
この研究では、数千人のワーカーが従来のオフィス環境から在宅勤務に移行する過程を48か月間追跡し、睡眠の質、ストレス、食生活、職務満足度、生産性などの主要な側面を検証した。その結果は、リモートワークに対する従来の懸念を覆すものだった。
・健康面での具体的な改善
研究で明らかになった健康面での改善は顕著だ。リモートワーカーは1日あたり約30分多く睡眠を取り、その結果、疲労レベルが顕著に低下した。日々の通勤がなくなることで、多くの場合1日最大3時間(!)を節約でき、従業員はこの時間を休息、家族との時間、または仕事へモードを切り替える精神的(物質的ではなくて)準備に活用している。(HR Grapevine)
さらに、リモートワーカーは在宅で食事を準備する機会が増えることで、より健康的な食習慣を身につけ、加工食品やファストフードへの依存が減少した。1日を通して短時間の頻繁な休憩を活用した軽い運動により、血流が改善され、座りっぱなしの時間が減少した。こういう健康面での改善が数値化されて評価されるのは大事。
さらに、これらの変化は単なる個人の健康改善にとどまらない。集合的に、これらの変化は健康関連の欠勤の発生率を低下させ、日々のエネルギーレベルを向上させた。ここも案外見落とされているかもしれない。
それだけではない。
・生産性の大幅な向上
生産性面での改善も実現している。自律性の向上が重要な要因となり、労働時間とタスク管理においてより大きなコントロールを与えられた従業員は、生産性の顕著な向上を示した。技術関連分野では、効率性の向上は15%から25%の範囲に及んだ。(HR Grapevine)スバラシイ。
この生産性向上は、従来からの懸念とは逆の結果を示している。在宅勤務がチームの結束や企業文化を損なう可能性があるという当初の懸念にもかかわらず、ビデオ会議や協働プラットフォームなどの現代的なデジタルツールがチームの連携を維持するのに役立つことが判明した。
オンラインコーヒーチャットやカジュアルなメッセージングスレッドなどの非公式な(仮想)交流も、チームワーク精神と帰属意識の維持において重要な役割を果たした。
というか、人間は指示されるより自律的にコトにあたったほうが相応の結果を生む、ということ。だったら、そういう環境を用意すればいい話。ただし、そこに企業と社員との信頼関係が築かれているかどうかが肝要。それがないから「ちゃんと仕事するのか」と心配する。
そして、そう疑われているワーカーの価値観も以前とは違ってきている。
ワーカーの価値観変化:収入よりも幸福感を重視する時代
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