地域に根ざした中小のインディー・コワーキングこそがコワーキングの本質的価値を提供している件:今日のノート#536(2025-05-07)
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#地域に根ざした中小のインディー・コワーキングこそがコワーキングの本質的価値を提供している件
今日は久しぶりに(そうでもないかもしれないが)、インディー・コワーキングについて書いているお馴染みCat Johnson氏のニュースレターを紹介したい。
インディー・コワーキングとは、地域に根ざしたカルチャーを持つ独立系コワーキングのことを言う。詳しくはこちらを参照ください。
と思ったが、ちょっと抜き書きしておく。
・インディー・コワーキングの大きな利点のひとつは、特に近隣に住んでいる場合のコミュニティ意識だ。
・近所の何人かがここで一緒に働いていて、この地域に対する愛情を共有している。伝統的なオフィススペースや自宅での仕事とは異なり、インディー・コワーキングはメンバー間の強い人間関係を築くことを優先している。
・インディー・コワーキングには、メンバーのニーズに合わせて、よりパーソナライズされた環境を提供できるという明確な利点がある。大規模なコワーキングスペースの無機質で非人間的な性質とは対照的に、このような小規模なコミュニティでは有意義なつながりが育まれ、メンバー同士の仲間意識や信頼関係が生まれる。
・インディー・コワーキングスペースは、一般的に大手と比較してリーズナブルな料金でメンバーシップを提供している。その結果、利用者は予算を圧迫することなく、専用デスク、共有デスク、個室、会議室などを利用することができる。
・持続可能性という点では、インディー・コワーキングは市場の変化や需要に容易に適応しながら、さまざまな方法で地域経済に貢献している。
例えば、近隣の企業とコラボして割引サービスを提供したり、地元の焙煎業者からコーヒーを仕入れてコミュニティをサポートしたり、地元のイベントやイニシアティブのプラットフォームを提供したりしている。
・インディー・コワーキングはとりも直さず、地域のあらゆるプレイヤーと共存する立場にある。それらとコラボすることで、お互いの事業領域で持続可能性を高めている。それがローカル経済を活性化するのに役立つ。
ざっと、イメージは掴めたでしょうか?
その地域でカツドウするあらゆるコワーカーをつなぎ支援するために、「コワーキングの5大価値」を提供し、そのコワーキングならではの(どこを切っても同じ金太郎飴ではないユニークな)カルチャーを育んでいるコワーキングのことを言う。というか、コワーキングとは本来そうなのです。

インディー・コワーキングは、規模の拡大による経済的成功が目的ではない。それよりも、小さくとも個々のカツドウをサポートすることで生まれる価値を積み重ね、ローカル経済を活性化することを優先する。
言うまでもなく、その根幹にあるものはコミュニティだ。
さて、今回、彼女はそのインディー・コワーキングの認知度を上げることについて、こう書いている。以下、ざっくりと。
こんにちは、
インディーズのコワーキングブランドからの声を聞くことはあまりありません。
LinkedInだけをフォローしているなら、大手ブランドだけがコワーキングの唯一の選択肢だと思うかもしれません。何百もの拠点、高層ビル、潤沢な資金を持つ投資家、そして世界的な市場セグメントを擁しています。
しかし、この図は、私たち全員が知っている事実を完全に見落としています。それは、インディー・コワーキングがコワーキングの心臓部であり、巨大な市場セグメントであるということです。
2018年のJLLの報告によると、上位10社のコワーキング事業者が市場の34%を占めており、これはつまり、コワーキング市場の66%が小規模なインディーズブランドによって支配されていることを意味します。
これらの市場内訳に関する最新データは見つけられませんでした。コワーキング市場全体における小規模ブランドやインディーズブランドの割合に関する最新データをご存知でしたら、ぜひお知らせください。
しかし、インディーはコワーキングに関する議論の中で、あまりにも過小評価されていることは確かです。そしてそれは、私たちが変えない限り、すぐに変わることはないでしょう。
そこで、あなたのインディー・コワーキングのブランドの認知度を上げるために、そしてそうすることですべてのインディー・コワーキングのブランドの認知度を上げるためにできる10のことをご紹介します。
1.ウェブサイトやさまざまなチャネルで、あなたのスペースがどのようにしてはじまったかのストーリーを共有する。
2.あなたの持つ「なぜ」をあらゆる場所で頻繁に共有する。
3.あなたのスペースやコミュニティから生まれたハイパーローカルな成功を共有する。
4.インディー・コワーキングであることのメリットを共有する。WorkbarのSarah Traversは、LinkedInでこの点について素晴らしい成果を上げています。(※後述)
5.地元の出版物やメディアに、あなたのスペース、目的、影響力、コミュニティについて、強く説得力のあるストーリーの切り口で働きかける。
6.国や世界に資金を流出させるのではなく、地元の資金を地元に留めることの重要性を強調する。
7.すべてのチャンネルで、インディーズであることを声高に主張すること。ビッグブランドのコワーキングと競争する方法は、全く競争しないことだ。あなたは他とは違っていて、優れている。だから、声を大にして他と違う、より良い存在であれ。
8.プログラミング、メッセージング、コンテンツを通して、地域社会に深く根ざすこと。大手ブランドのコワーキングと比べて、あなたが持つ圧倒的なアドバンテージは、機敏性、柔軟性、対応力、そして地域に深く根ざしている点だ。
9.本来の自分ではないものになろうとしてはいけない。自分が何者なのか、誰に奉仕するのか、なぜ奉仕するのかを、自分自身に委ねましょう。
10.そして覚えておいてほしい: 私たちメンバーが求めているのは、一番広くて、ピカピカで、スマートなスペースではありません。私たちが求めているのは、我が家のようにくつろげ、帰属意識を高め、仕事と自分自身をレベルアップさせてくれるスペースなのです。
もう、おっしゃるとおり。これをぜひ、日本のインディー・コワーキングもやるべきだと思う。というか、やりましょう。
パンデミック以降、リモートワークが常態化するにつれてコワーキングスペースのニーズは世界中でうなぎのぼりだ。そこを狙ってさまざまな事業者がさまざまな形態でこのマーケットに乗り込んできている。
日本もいずれ、全国チェーン的にコワーキング(と呼ばせる)ワークスペースを運営する大手企業が「業界」でしのぎを削り始めるだろう。いや、もうその予兆はあるかもしれない。
けれども、コワーキングにおいて本当に重要なことはスペースの規模でも企業のネームバリューでもない。利用者(コワーカー)にとって、そしてその地域にとって、どれほど深く信頼できる関係を築き、ともに活動することでローカルに貢献する新しい価値を生み出すか、だ。
少なくともインディー・コワーキングはこの世界観、価値観を共有して運営されている(はず)。この本質を履き違えて、あるいは無視して、「場所貸し」業としてしか運営されていない施設をコワーキング(Coworking)とは言わない。
4番目に出てきたWorkbarのSarah Travers氏は、LinkedInでこう言ってる。
業界の巨人が次のような広告を出しています。
「ボストンで最高のコワーキングスペース。そう、言ったよ」
他の都市に行っても、同じ広告が表示されます。
「ニューヨークで最高のコワーキングスペース。そう、言ったよ」
「ワシントンDCで最高のコワーキング。そう、私たちはそう言った」
「オースティンで最高のコワーキングスペース。そう、言ったんだ」
どこへ行っても最高になれるなんて信じられない。
地元のオペレーターには何か違うものがあります。ここに住んでいる人たちです。街の内外を知っている人たち。それが彼らの家でもあるので、気にかける人たち。
ボストンについて少しお話しさせてください:私たちは自分たちの面倒を見ています。
私たちはお互いのために存在します。私たちはお互いに投資しています。私たちは、マーケティングのスローガンだけでなく、真のコミュニティを構築します。Workbar では、ボストンを支持しているだけではありません。私たちは実際にボストンだからそうしています。
毎年、地元企業の成長を支援するために、スモールビジネス助成金を実施しています。パンデミックの最も暗い日々でさえ、私たちも生き残るために戦っていたとき、私たちはコミュニティの支援を倍増させました。なぜなら、彼らが成功しなければ、私たちも成功しなかったからです。
スモールビジネスウィークは5月4日から10日まで、イベントやプログラミングを開催します。しかし、私たちを知っているなら、それが新しいものではないことをご存知でしょう。スモールビジネスのサポートは、私たちにとって1週間のマーケティングの瞬間ではありません。それが私たちが毎日行っていることです。
なぜなら、私たちはボストンで最高だからです。
うん、言ったよ。
最後が可愛いが、言ってることは至極真っ当だ。
インディー・コワーキングのお手本はスケールのデカいことを声高に喧伝する事業者ではない。あなたたちと同じ立場で、ローカルに根を張って、地道に、しかし明快な目的意識を持って、地元コワーカーのカツドウを支援する中小規模のコワーキング、それがお手本であり、仲間だ。
そして日本の各地にそれを実践するコワーキング、インディー・コワーキングが存在する。ぼくはYouTubeのライブ配信番組「トーキング・コワーキング」で、そういうコワーキング運営者をゲストに招いてお話を聞いている。
彼らの思想と哲学、そして行動を知ることで、他の地域のインディー・コワーキングの運営にも役立つことを願っている。
あ、そうそう、次回の「トーキング・コワーキング」は今週、5月9日(金)の19時から、初の現地からのライブ配信です。ぜひ、ご視聴ください。
ということで、今日はこのへんで。
(トップ画像:WORKBAR)
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