コワーキングは生まれ、死に、そして再び生き返る〜フレックスオフィス化への反省と本来のコワーキングへの回帰:今日のノート#567(2025-06-07)
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地域とは、結局人なのだ。"
(高橋武男 『地元人』)
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#コワーキングは生まれ、死に、そして再び生き返る〜フレックスオフィス化への反省と本来のコワーキングへの回帰
ニューヨークの不動産業に詳しいBrad Hargreaves氏の論考「Coworking Must Rise from the Dead(コワーキングは死から復活しなければならない)」が目を引いた。
従来のコワーキングがフレックスオフィス(スペース)化していく過程で失ったものと、テクノロジーの進歩と市場環境の変化によって可能となった新しいコワーキングモデルの可能性について考察している。
あくまで不動産ビジネスの観点からだけれども(いつもならスルーするけれども)、これを参考にコワーキングの変遷と今後、特に大企業向けのフレックスオフィスから、地域に根ざしたローカルコワーキングへの回帰について書いておきたい。
・失われたコワーキングの真髄
2024年春、Hargreaves氏がマンハッタンでコワーキングスペースを探した際の体験は、現在のいわゆるコワーキング業界(※)が抱える根本的な問題を浮き彫りにした。
どういうことかというと、少人数で利用できる手頃なコワーキングが見つからなかった、ということらしい。かつて活況を呈していたコワーキング市場(※)は、今や「WeWorkの形をした穴」を残したまま機能不全に陥っている、と手厳しい。が、判る。
(※)=ぼくは常々「コワーキング業界」とか「コワーキング市場」という言葉は使わないようにしているが、元記事の記述に沿ってここではやむなく使う。
その背景にはコワーキング業界の根本的な方向転換がある。2012年頃から始まったベンチャーキャピタルによる大規模投資は、当初の「人と人をつなぐ場」としてのコワーキングを、「大企業向けの効率的なオフィスソリューション」へと変貌させてしまった。
Industrious、Convene、Regusといった大手事業者は、フリーランサーや小規模スタートアップへのデスク貸しから、Fortune 1000企業への「エンタープライズソリューション」提供へとシフトしている。
・フレックスオフィス化の光と影
このコワーキングからフレックスオフィスへの転換は、確かに不動産ビジネスとしては理にかなっていた。
月単位でデスクを借りるフリーランサーやスタートアップは、支払い意欲が低く(ぼくが言ったのではない、Hargreaves氏がそう書いてる、が、あんまりな言い方だ)、数も限られていた。
そして、投資家は長期リース債務と短期顧客との期間ミスマッチを懸念していた。←これがWeWork破綻の主要原因。
一方で、大企業の側では、オフィス管理のアウトソーシング需要が高まっていた。
ソフトウェア開発や会計サービスに特化する企業が、なぜオフィス管理の専門性を持つ必要があるのか。法務を法律事務所に委託するように、オフィス管理も専門企業に委託すべきであるという考え方が浸透した。
また、2016年に発表された会計規則の変更により、12ヶ月を超えるリースを貸借対照表の資産(使用権資産)としても、負債(リース負債)としても計上することが義務付けられたことも大きく影響している。
「資産と負債の両建て計上により、バランスシートが重くなることを避けたい」という企業心理が、より短期・柔軟な契約を求めて長期リース離れを起こし、フレックスオフィス需要を後押しした。←このことに着目して、いち早くフリーランサーやスタートアップから大企業にターゲットを切り替えたのも、実はWeWorkだ。
こうしてコワーキング事業者は「フレックスオフィス」企業として、企業顧客にアウトソースされた不動産機能とバランスシート軽減の両方を提供するようになった。
・置き去りにされた本来のユーザー
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