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suzumuraxxxjun
夢のふわふわパジャマ【毎週ショートショートnote裏】
初冬の夜、十歳の沙彩は寒くて眠れなかった。
ママはまだ夜のお仕事から帰ってこない。
ママと沙彩が住むアパートの一室にはエアコンもストーブもない。
沙彩がパジャマ代わりに着ているのは、Tシャツと短パン。
掛け布団も薄手の一枚だけだ。
沙彩は布団の中で体を縮めながら、両手で自分の肩をぎゅっと抱きしめて思い浮かべる。
ふわふわした、あったかいパジャマ。
色はピンクで、リボンがついてるの。
ふと我に返ると、着ているのは古びたTシャツだが「ちがうちがう」と頭の中で否定して、ひたすらふわふわパジャマを思うのだ。
毎晩毎晩思っていると、やがてなんだか温かくなり、肌に触れるふわふわした柔らかささえ感じられるようになった……
三十年後。
幻覚を感じるほど強く念じていた沙彩は、そのパワーで大企業のCEOに成り上がり、いまやジェラピケのふわふわパジャマ買い放題だ。
「いや、もう四十なんだし……」
夫にそう言われても、ふわふわパジャマはやめられない。夢なんだから。
(413字)
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#毎週ショートショートnote に参加しました。
裏お題「幻覚パジャマ」
※ジェラピケ=ジェラートピケ
ふわふわした着心地が人気のルームウェア。オシャレ女子に人気。
沙彩の夫さんはあんなふうに言ってましたが、四十過ぎた人が着てもいいですよね。とはいえ、もし私がジェラピケの世界に迷い込んだら「すみません、間違えました」と逃げてしまいそうですが。
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【今日の画像】みんなのフォトギャラリーから。
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