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mintlatte
コーヒーに角砂糖を~ショートストーリー【シロクマ文芸部】
(586字)
コーヒーに、きみはいつも角砂糖をひとつ入れる。
ぼくはいつも喫茶店の砂糖入れのトングで、角砂糖をひとつつまんで、きみのコーヒーカップにぽちゃんと入れる。
だからその日もいつものように、トングでつかんだ角砂糖を、きみのコーヒーカップの上に運んだら、
「やめて。お砂糖は入れないの」
きみは手でカップをふさいだ。
「どうして?苦くて飲めないって言ってたのに」
「大丈夫、もう飲めるようになったから」
そう言ったけど、きみはコーヒーを半分ぐらい残していたよね。
最近は、きみに電話をしてもすぐ話を切り上げられ、誘っても先約があると断られる。
そして、ある時わかった。
年上の男と毎日のように逢っているって。
街角でちらっと見てしまった。
仕立てのよさそうなジャケットが似合う、元・好青年だ。
きっとあいつがブラックコーヒーを飲むんだろう。
かなわないなぁ……
でも、きみはぼくに、はっきりサヨナラを言っていない。
なんでだ?
実はきみ、あんなカッコイイ男に合わせようとして、無理してブラックコーヒー飲んで背伸びしてるんじゃないか?
きみのことなんか、まるっとお見通しだぞ。
そして、背伸びに疲れたら、ぼくのところに戻るつもりじゃないか?
もしそうなった時ぼくが言うのは、
「いくらなんでも、それは許せない」
「いいよ、またコーヒーに角砂糖を入れてあげるよ」
どっちなんだろう。
コーヒーを飲みながら、ぼくの気持ちは揺れている。
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角砂糖用トング、かわいいけれど置き場所に困る。
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