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ippobito
急性カーテンコール中毒【毎週ショートショートnote】
「千秋楽に主演女優を殺害する」という脅迫状が届いた。
千秋楽の日、劇場に捜査員たちが配備された。
捜査一課の板見は、舞台の書割りの裏から満員の客席を監視する。
劇が終わり、幕が下りた。
客席からの熱い拍手は鳴りやまない。
カーテンコールだ。
主演女優が中央、恋人役の男優がその隣、他に主要キャストが並んだ。
再び幕が上がり、拍手は波のように高鳴る。
「すごい」
板見は思わず圧倒されたが、三階席最前列の女がレーザーポインターを取り出したのを見逃さなかった。
板見は無線で指示し、待機していた出水が女を取り押さえた。
同時に、一階立見席から舞台に駆け寄った男を、待機中の芹田が取り押さえた。男は刃物を持っていた。
「容疑者は、主演女優に恋人を盗られて闇サイトで殺し屋を雇ったそうです……あれ?板見さんは」芹田が出水に訊いた。
「早帰りです。市民劇団の練習」
「劇団に入ったの?」
「あのカーテンコールの感動が忘れられないって」
「板見さん、急性カーテンコール中毒か」
(416字)
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お題「急性カーテンコール中毒」
書割り=舞台装置で用いられる、風景や建物などの背景を描いた平面的なパネルや布のこと。
文字数の関係で書けませんでしたが、大道具係が書割りを細工して、裏で監視している板見さんが客席から見えないようにしてあります(笑)
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