夢への旅
10月4日、新潟駅から新幹線に乗った。
目的は「ZINEフェス東京」だ。
noteを始めて3年、気がついたらショートショートを100本以上書いていた。これを何編かまとめて本にしてもいいかな、と思い始めていた。
立派な単行本じゃなくて、通勤・通学の途中や病院の待合室で気軽に読めるような、薄い文庫や新書のイメージだ。
以前――私の若い頃は、自分の書いた物語を知らない誰かに読んでもらう機会はなかった。インターネットはなかったので、どこかに投稿して採用されなければ、活字になって人目にふれることはなかった。
私も、誰かに見せた機会といえば、ノートに手書きした物語を妹に読んでもらったり、学校の友達グループの交換ノートに連載小説を書いたりした程度だ。学校新聞の編集委員だったので、勝手に企画して短い小説を書いたこともあった。おそらく顧問は渋い顔をしていただろう。
そんな時代だから「本を出す」と言ったら「書店に並ぶような本を出す」ということで、出版社に原稿を持ち込んで編集者に見出されたり、文学賞に応募して受賞しなければ素人に道はなかった。
文芸サークルや同人に入れば文芸誌をつくる機会もあっただろうが、読書家ではなく、文学に熱中しているわけでもない私に、そういう場は敷居が高かった。
しかし、今はもっと気軽に創作できる。いい時代だ。
手で書かなくても、スマホやパソコンで創作しnoteやTALESなどで公開できる。「スキ」やコメントがいただけることもある。なんならAmazonのKDPで電子書籍も作れる。
紙の本を作るにしても「書店に並ぶ本」にこだわらず、個人が好きな内容で作れるし、少部数でも印刷できる。そういう本をZINEと呼ぶことを知った。
7月、新潟市で「ふふふのZINE」というZINE販売会があったので見に行き、初めてZINEを買った。小さな会場だったが、次々にお客さんが来るのを見て、興味を持つ人は案外多いんじゃないかと思った。
それより大きいイベントとなると、文学フリマやZINEフェスだが、どんな感じなのだろう?
noteの記事によると、1つのブースは会議机半分ぐらいのスペースで、そこに本を並べて売るらしい。やっぱり若い人が多いのかな。私が参加しても大丈夫かしら。
じゃ偵察だ!と思ったが、どちらのイベントも新潟開催はない。というわけで新幹線一本で行ける東京に向かった。
新幹線で新潟から上野へ。上野から地下鉄銀座線で浅草へ。地上に出ると雨だった。5分ほど歩いて会場の台東館に到着。
入場料を払って、手首につける入場者用タグをもらう。会場はビルの6階と7階に分かれているので、出入りする時にタグを見せるのだ。
片っ端からブースを見てまわる。カラフルなポップや手作り感あふれた微笑ましいブースがあったり、個性豊かで見ていて楽しい。
「こんにちは」と優しく声を掛けられ「こんにちは」と返すが「押し売りされたらどうしよう」とびびっており、出展者さんと目を合わせない(実は小心者)。
イラストや写真の本のブースでは、本の他にポストカードやアクリルキーホルダーなどの小物を並べている方も多かった。イラストレーターさんの「似顔絵描きます」というブースもいくつかあった。アイコン用に描いてもらうのもいいかも、と思った(お願いしなかったけど)。
出展者のみなさんは心が広く、立ち読みだけでも大丈夫そうなので、そのうち度胸がすわり、試し読み本に手を伸ばす。
出展者さんにちょっと質問したりする(今日は純粋にお客さんとして)。
お目当ての出展者さんがいない者にとっては、有名な本があるわけではなく、イベントもない(見落としてたらすみません)。
入場料もかかるし、雨の日だし、人が集まるのだろうか、と思っていたのだが、意外と来場者が多いように見えた。
電子書籍派が増えていると言われるが、紙の本に興味があり、読みたい人は今も多いのだろう。そして、みんなベストセラーも好きだが、もっと身近に感じられるZINEをちょっと手に取ってみたい気持ちがあるのでは。
ふふふのZINEで感じたことは当たっていたようだ。
出展者も来場者も若い人が多かったが、年配の人もいたので安心し、出店しても大丈夫そうな気がした。
会場を何周もして、すっかり歩き疲れて外に出たら、まだ雨は降っていた。
「まず本を作る!」と決心した雨の東京だった。
(1777字)
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よしまるさんの企画 #あなたの旅ショートストーリー に参加しました。
ショートストーリー……じゃないですね、すみません (^^ゞ
思い出話とZINEフェス見学記でした。
新幹線に乗ったので一応旅ってことで (逃)
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【今日の画像】みんなのフォトギャラリーから。
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旅のワクワク感を表したそう。計画を立てているところかな。
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