Photo by
takoyakiyuchan
蘇生試験【毎週ショートショートnote】
「話しかけてあげてください。聞こえていると思いますよ」
医師は男性患者の妻に言った。
妻が患者の手をとり、娘と息子が代わる代わる話しかける。
患者は薄く口を開けるが、表情は動かない。
彼ら人間の目には見えないが、わたしは天使だ。
大天使とともに病室の天井近くに浮かんでいる。
そろそろ蘇生試験の本番だ。
死んだ人間を蘇生できれば、天使レベルが十段階アップする。
天使の輪が金色になり、周囲から一目置かれるのだ。
しかし蘇生術の試験は難しく、何年も合格者が出ていない。
その一方で、有資格者は高齢のため次々引退していく。
さっきまで苦しげだった患者の息は穏やかになっていた。
最期の時が近づいている。
心電図モニターに直線が伸び始め、蘇生術の講師である大天使が「今だ」とわたしの背中を押した。
わたしは両手から患者にパワーを送る!
送る!
送る!
……足りなかった。
「ご臨終です」
また不合格だ。
天使による蘇生件数が増えないと、地球の人口減少がさらに進むのに……
(412字)
=====
#毎週ショートショートnote に参加しました。
お題「蘇生試験」
お題が発表されてすぐ、いくつも投稿されるので、みんなすごいなーと思ってます。特にこの土日は遊んでいてすっかり出遅れ(-_-;)
=====
【今日の画像】みんなのフォトギャラリーから。
「天使」で検索。
イケメン天使さんがいたので採用です(^-^)
いいなと思ったら応援しよう!
ありがとうございます!
大切に使わせていただきます✨😌✨