【詩】僕達は月を救わない
彼女が勤めている会社は一流だが、
いわゆる『ブラック企業』に相違ない。
決められた時間に出勤して
明るく輝く 営業スマイル
本当はとっても暗い奴なのに
決して見せない心の裏側
太陽社長の御威光を浴び
今日も会社の御意向に従う
自分の意見など発するものか
休日出勤 海外転勤 単身赴任
寂しくても死んでしまう訳ではないが
ウサギを飼ってみることにした
身が削られるような毎日で
もう消えたいと思うのだけれど
月に1度のお給料が頂けるので
また満ち足りて辞められない
ぐるぐる回る 月のサイクル
これは天職なのだろうか
いっそ転職すべきだろうか
幸運はどちらか 知る術はない
ツキは天下の回りもの

満天の星空に 一際白い月景色
こんなにも美しいと心打たれるのは
きっと、他人事だからなのだろう

月は回り続けなければならなくなる
