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【結論への焦り】「早く決めなきゃ」が迷いを深くする

■答えが出ないことより、「早く決めなきゃ」が苦しさを大きくする

「今日こそ、どっちか決める」
そう思って、また一日が終わる。
夜に出したはずの結論が、朝にはもう、ぐらついている。

続けるのか、諦めるのか。
連絡するのか、このまま待つのか。
何度も同じところを回って、答えが出ない。

そういう日が続くと、答えの中身より先に、「とにかく早く決めなきゃ」という焦りだけが、大きくなっていきます。

曖昧なままでは、落ち着かない。
どちらかに決めてしまえば、この考え続ける苦しさから、抜けられる気がする。

でも、急ぐほど、何を頼りに考えればいいのかが、分からなくなる。
諦めると決めても、本当にそれでよかったのかと、不安になる。
連絡すると決めても、送ったあとを想像して、また迷い直す。

一度は結論を出したはずなのに、すぐ別の可能性が気になって、はじめから考えなおしてしまう。

これは、あなたに決断力がないからではありません。
答えが出ていないことと、今すぐ答えを出さなきゃいけないことを、いつのまにか同じものにしていた——そこから、苦しさがふくらんでいきます。

■なぜ、曖昧な状態が続くと「早く答えを出したい」と思うのか

曖昧な状態には、決まっていないことが、たくさん残っています。

彼が何を考えているのかも、これから関係が変わるのかも、自分が何をすればいいのかも、まだ見えない。

決まっていないことが多いほど、考えても考えても、確かなところにたどり着けません。
同じことを何度も行き来して、そのたびに少しずつ、すり減っていく。

この状態がしんどいのは、彼との関係そのものだけが理由ではありません。
「答えが決まらないまま、時間だけが過ぎていく」——その宙づりの感じ自体が、だんだん大きな負担になっていくからです。

だから、「早く答えを出したい」と思うようになる。
どちらかに決めてしまえば、もう考え続けなくて済む。
白黒をつければ、この宙づりから、下りられる気がする。

答えを出すことが、この苦しさを終わらせる方法のように、見えてきます。

ただ、ここには、性質の違う二つの苦しさが混ざっています。
一つは、彼との関係について答えが出ないこと。
もう一つは、「早く決めなきゃ」と自分を急かすこと。

はじめは、前者だけだったはずです。
それが、答えの出ない時間が続くうちに、

「いつまで迷ってるんだろう」
「早く決められない自分は、おかしいんじゃないか」

と、答えを出せない自分のほうにも、苦しみはじめる。

関係への苦しさに、決められない自分への焦りが重なって、宙づりの状態が、よけいに苦しくなっていきます。

■「答えが出ていない」は、それだけで一つの状態

答えが出ていないと、その状態自体が、どこか間違っているように感じてきます。
決められていない自分を、中途半端だと思ってしまうからです。

でも、いま答えが出ていないのは、あなたの中に答えがないからとはかぎりません。

続けたい気持ちも、ある。
このまま曖昧なのが不安な気持ちも、ある。
連絡したい気持ちも、そのあと傷つくのが怖い気持ちも、ある。

どれか一つだけが本音なのではなく、いくつもの気持ちが、いま同時にそこにいます。
そのどれを真ん中に置くかが決まっていないから、一つの答えに、まとまりきらない。

それに、決めるための材料が、今はまだそろっていないこともあります。
彼との関係がこの先どう動くのか。自分が本当は何を望んでいるのか。
そこが見えないうちに結論だけ出しても、その結論に、なかなか心が乗ってくれません。

だから、「答えが出ていない」ことと、「今すぐ決めなければならない」ことは、同じではありません。
いま結論が出ていないからといって、すぐにどちらかを選ばなければならない、とはかぎりません。

「今はまだ決めきれない」。
それ自体が、いまの状態です。

材料がまだ足りないこともあれば、複数の気持ちが同時に残っていて、どれを基準にするか決まっていないこともあります。
答えが出ていないからといって、何も考えられていないわけではありません。

■急ぐほど、「決めること」そのものが目的になっていく

はじめは、自分が納得できる答えを、見つけたかったはずです。

でも、考えても結論が出ない時間が続くと、目的のほうが、少しずつずれていきます。
自分がどうしたいのかを分かることより、とにかく早く、この迷いを終わらせたい。
納得して決めることより、どっちでもいいから決めて、落ち着きたい。

こうして、答えの中身よりも、答えを"出すこと"自体が、目的になっていきます。

早く決めることが目的になると、材料の見方まで変わってきます。
自分の中にある複数の気持ちを確かめるのではなく、選ぼうとしている結論を、支えてくれる材料のほうを、探しはじめる。

諦めようとしているときは、「やっぱり諦めた方がいい」と思える出来事ばかりが、目につく。
続けようとしているときは、「まだ可能性がある」と思える出来事ばかりが、目につく。

早く一つに確定させたくて、その答えに合う情報を、集めやすくなります。

でも、反対側の材料が、消えたわけではありません。
諦めると決めたあとに、彼の優しかった言葉や、まだ残っている気持ちが、気になってくる。
待つと決めたあとに、状況が動かないことや、このまま時間が過ぎる不安が、気になってくる。

一度結論を出しても、そこに入れなかった材料が、あとから戻ってくる。
すると、「本当に、これでよかったのかな」と、また不安になる。
その不安を消すために、もう一度、考えなおす。
別の答えを出しても、今度は反対側が気になって、また迷いはじめる。

この繰り返しが続くと、答えを出した回数は増えても、納得のほうは、深まりません。
急ぐほど、材料を一つずつ確かめる余裕が、なくなっていくからです。

結論があることと、その結論に納得できていることは、同じではありません。答えを出したという事実だけでは、そこへ行きつく前に置いてきた迷いは、消えてくれません。

■分からないことまで、答えに変えようとすると苦しくなる

答えを急いでいるとき、意識は「何を選べば正しいのか」に向きます。
諦めるのが正しいのか、待つのが正しいのか、連絡するのが正しいのか。

でも、答えを急ぐと、「分かっていること」と「まだ分からないこと」の境目が、だんだん曖昧になっていきます。

彼との関係が進んでいないことは、確かめられる事実です。
彼がこの先どうするのかは、今はまだ、分からないこと。

本来、この二つは、性質がちがいます。
それでも今すぐ結論を出そうとすると、その「分からないこと」まで、推測で埋めなければならなくなります。

きっと彼はこう思っている。たぶん、これ以上は変わらない。
そうやって埋めた推測が、いつのまにか事実のような顔をして、判断の材料に混ざっていく。
この先への不安が、そのまま「こうなるに決まっている」という結論のように、扱われていく。

答えを急ぐほど、確かな材料が増えるわけではありません。
確かめられた事実と、推測と、不安と——性質のちがうものが、同じ一つの器に混ざっていくだけです。

だから、その材料で結論を出しても、どこか確信が持てない。
土台に、推測や不安が混じっているからです。

分からないことが残っているのは、あなたの考えが足りないからではありません。
今は確かめようがないことも、自分だけでは決められないことも、あります。

「今はまだ分からない」を、分からないまま置いておけずに、急いで答えへ変えてしまう。そこが、答えを出しても楽にならない理由の一つです。

■まとめ|「決められない」より、「今すぐ決めなきゃ」を、いちど手放す

答えが出ていない状態は、それだけで、不安を生みます。
関係がどうなるかも、自分がどうすべきかも、決められない。
どちらを選んでも、後悔するかもしれない。

その不安から離れたくて、「早く答えを出さなきゃ」と思う。
でも、その焦りが強くなるほど、答えの出ない状態が、よけいに耐えにくくなります。

今日じゅうに決めなきゃ。
もう、迷っていちゃいけない。
——そう自分を追い立てるほど、考えるための時間を、自分に渡せなくなる。
そして、何が納得できるのかよりも、とにかく早く決めることが、目的になっていきます。

急ぐほど、材料も見えにくくなります。
今の事実も、自分の感情も、彼についての推測も、この先への不安も、ぜんぶ混ざったまま、一つの答えを出そうとするからです。

だから、一度決めても、納得しきれていなければ、不安は残る。
決めた直後は楽になった気がしても、入れられなかった気持ちや状況が、あとから戻ってきます。

そのときに、「また迷った」「やっぱり自分は決められない」と、責める必要はありません。
最初の結論では、まだ扱いきれなかったものが、残っていたというだけだからです。

はじめにあったのは、「答えが出ない」という迷いでした。
そこへ、「早く決めなきゃ」という焦りが重なる。
すると、迷っている時間そのものが、失敗のように見えてくる。
決められない自分まで、問題のように思えてくる。

こうして、関係についての迷いと、決められない自分への焦りが、二重になっていきます。

答えを急ぐほど苦しくなるのは、迷いがあるからだけではありません。その迷いを、今すぐ終わらせなければいけないと、自分に迫り続けるからです。

その二つを別のものとして見ると、「答えが出ないこと」そのものと、「早く決めなければならない」という焦りが、同じ苦しさではなかったことが、見えてきます。

■「早く正解を出したい」のに、かえって苦しくなるとき

「次に行けばいい」と言われても、動けないとき。
「諦めた方がいい」と言われて、迷いが大きくなるとき。
区切りをつけたのに、気持ちだけが追いついてこないとき。
正しい答えが分かればすぐ楽になれる、とはかぎりません。頭では分かっていても気持ちが動かない恋愛を、いろいろな場面から整理しています。

▶︎正解への違和感マガジンはこちら

■一人で考えるほど、答えが遠ざかっていく方へ

今すぐ答えを出すべきなのか、決めきれない。
何を基準に考えればいいのかも、分からない。
一人で考えるほど、かえって結論が見えなくなってしまう。
そんなときは、正解を押し付けずに、分かっていること、まだ分からないこと、自分の気持ち、彼についての推測を、一つずつ分けて見ていけます。

▶︎言葉にならない違和感を整理します|ココナラ

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