長男2回目 6 《不登校実録》
栄養指導
ゲームと食べることにしか楽しみがないように見えた長男に対して、私自身も親としてそれを強く止めることができなかった。
だから、肥満の原因の一端は私にもあったと思う。
本格的に通院し始めた中2の春頃、長男の体重はMAX 93kg!!
身長はまだ165cmくらいだっただろうか、とんでもないことになっていた。(それでも親からすれば、笑うと可愛かったのだから、親ってスゴイ(笑) 確かに、かさばってはいたけれど💦)
肥満(脂肪肝)を治すため、病院の栄養指導を受けることになった。
私は食品関係で勤め、おまけに部下に管理栄養士が3人いるような部署のリーダー、これでも栄養には知識がある方だ。
しかし、いくら体に良いものをと思っても、昼間の挙動が見えない。
自分自身、子供の栄養管理をやり切れていない悔しさや恥ずかしさも、正直言えばあるにはあった。なんか屈辱的・・・
でも、もうそんなこと言ってられない!
「もう1度長男を健康な体に戻したい!」と思い、長男とともに栄養指導室のドアを叩いた。
成長期男子(12~14歳)の1日のエネルギー必要量2600kcal。
あまり動かないことを加味すると、1日のおやつは160kcalとのこと。
血液検査とCTの結果から、脂肪肝、痛風の手前であることが言い渡されたため、脂質、糖質の摂取量低減と、プリン体の制限が掛かった。
・・・明太子が世の中で一番好きな長男にとっては、絶望的な案件。
さぁどうしよう・・・
ここから毎日、ざっくりではあるが私の栄養計算が始まった。
仕事上、そこそこ触れ合っている栄養学だから、理論はだいたいわかる。
が、毎日の工夫とともに実践するのは、なかなか大変だった。
夜はできるだけ炭水化物を減らし、かつマンナンライスに。
おかずは野菜と豆腐を増量。
たんぱく質は消化するのにエネルギーを使うから、夜食べても一石二鳥。
そしておやつは160kcalになるよう、毎朝ジップロックに小さいお菓子の詰め合わせを作った。
長男が少しでも楽しめるよう、大袋菓子をいろいろ買って、ちょっとずつ詰め合わせる。子供会の景品みたい(笑) もちろんカロリー計算してね。
そして、今まで毎日食べ過ぎていた明太子断ち。
完全に断つのは可哀想過ぎるので、いろいろ考えてやっと辿り着いたのが
「明太マヨはんぺん」
はんぺんの魚肉はたんぱく質。中の明太マヨソースは量的にも少なめ。でも味はしっかりする。
大人だと魚肉練り製品は食塩相当量を気にしなければならないが、長男は不幸中の幸い?で、低血圧ゆえ食塩を摂りなさいと言われていたのでセーフ。
長男も相当気に入ったため、以降長男の主食となった(笑)
成果が見えると人は変わる
最初の2週間ではさほど変化はなかったが、1ヶ月後、体重が2kg落ちた。
先生も長男も私も「おおっ!?」
「やったら痩せるんだ…」と長男がボソッと言った。
これまで、太っていく自分のことは心の奥では気になっていたらしい。
でもどうせ自分は外にも出ない。運動できる体力もない。
半分自暴自棄になったままで暴飲暴食をしていた。
・・・そりゃいくら若さがあるとしても体に支障をきたす。
たくさんのことを諦め、自分に対する期待も捨て、ゲーム廃人のようになっていた長男に「やったら効果が出る」という体験が久々に訪れた。
これを機に長男のダイエットが加速する。
起立性調節障害はそう簡単によくはならなかったが、先生のおすすめに従って、夕方に家の周りをぐるっとお散歩に出かけるようになった。
「筋トレやジョギングは最初はしちゃだめ!その体重じゃヒザ壊す!」
と先生に釘をさされていたので、早足で夕陽を浴びて歩いていた。
軽く運動し始めたからか、太陽光を浴びるようになったからか、だんだん身長も伸び始めた。
診察のたびに体重は徐々に減り、自分に対して少しずつ自信も戻ってきたのだろう、半年もするときちんと先生の目を見て話を聞けるようになった。
努力した成果が目に見える、成果を実感できる。
モチベーションは誰かに与えてもらうものではなく、自ら作り出し、維持していくものなんだなと、長男に教わった。
努力が実った長男は、1年後には27㎏のダイエットに成功した。
学校に行けなくなる前の、(私から見て)カッコ良かった中身が出てきた!と私が大喜びしていたら、なんとI先生が診察後に
「ほんとに良かった・・・すごい頑張ってくれた。めちゃくちゃ嬉しいね」と、目をウルウルさせながらしみじみ話されていたということを、仲良しの看護師さんから聞いた。
人に傷付き、人に苦しんだ長男を、結局救ってくれるのは人だった。
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