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里庭寓話|カエルのボニョ

夕ご飯を終えて、テラスでお茶を飲んでいました。

この時間は2番目に大好きな時間です。すると、

「ボワーン、ボワーン」

カエルの鳴き声が響き始めました。

薄暗がりに大きなカエルの声が鳴り響いています。


カエルはテラスに上がってきて

わざとらしく、うろちょろします。


気になって仕方ないので

「お茶でもどうですか」と話しかけてみました

するとカエルは

「あ、ありがとうございます」

と言うなり、テーブルの上までひと飛びで乗ってきました。

危うく、急須や湯呑みが倒れるところでした。


カエルにも小さなお皿にお茶とクッキーをあげました。

カエルは、自分の家族の話や、仕事の話をして帰ってゆきました。


次の日の夕方も、カエルはやって来ました。

見計らったように、やって来て

今度はテーブルの上に勝手に登ってきました。


仕方なく、お茶とクッキーを出してやりました。

そして、また仕事や天気や好きなご飯の話をして帰ってゆきました。


カエルは次の日も、その次の日も来ました。

ある日、カエルはいつものお礼にと

手土産に虫の詰め合わせを持ってきてくれましたが

とても食べられるものではありませんでした。

でも申し訳ないので、いただいてからこっそり穴に埋めました。

ため息が出ます。


それからというもの、カエルが毎日やってくるので

夕方の時間が憂鬱になりました。

秋も深まってきたこともあり

カエルもあまり来なくなり

外も寒くなってきたのでテラスには出なくなりました。


冬の間、カエルは冬眠していると思い

安心して暖かくした家の中で過ごしていました。


しかし、外から不自然な音がするのでのぞいてみると

ゆっくり動くカエルがいます。

どうして起きているのかと聞いてみると

この家の暖を借りて、寝ないで済んでいると言います。


仕方なく、カエルにお茶とクッキーを出しました。

カエルは、ひと冬を家の中で過ごしました。

家族は冬眠中だからのんびりできると言う具合でした。


困ってしまって、神様に毎日、毎日どうしたらいいのか

尋ねましたが、神様は何も言いませんでした。


カエルがいると、部屋は汚れるし

1人の時間がなくなって仕事にも集中できませんでした。

そして春がやってきて、カエルは何もないように家族の元へ帰ってゆきました。


そして、初夏が近づいてきました。

その頃、不思議といつも迷惑している

ゴキブリや蚊などがいなくて、とても快適に過ごせていました。

これは、大好きな夕方の時間の幸福感が大きくなりました。


どうもカエルが、綺麗に食べてくれていたようです。


さて、今年の初夏にまたカエルが来たら、どうしたものかと

考えながら窓の外を眺めています。

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