90分後、別人になって帰っていったビジネスマンの話
いつもの場所で、いつものサービスを受けた男性が、90分後にまるで別人になっていた。
悩みが消えたのではなく、悩みの見え方が変わっていた——これは、私が香りのサロンでセラピストをしていた頃に目の当たりにした話です。
「任せられる人がいない」と語っていた男性
新緑の季節、常連の40代男性がリラクセーションサロンを訪れました。
いつものように、仕事のストレスからくる疲れが極限に達した状態。「仕事量が多い」「任せられる人がいない」と熱く語ります。
ご本人が選んだ2種類の香りと、こちらで加えた2種類。合わせて4種類の香りを使い、90分のボディメンテナンスを行いました。
窓の外の樹を見て、彼が言ったこと
施術後、大きな窓のティールームで新緑を眺めながら、ゆっくりしていただきました。
すると彼は、外の樹を指差して話し始めます。
「あの葉と同じなんやろね。自分は違うと思っているけど、こっちから見たらどれも同じ葉っぱやんな。全部で1本の樹なんよな。」
清々しい笑顔でそうおっしゃいました。
本当に90分前のあの方なのか?——目を疑いました。
「任せられる人がいない」と言っていた人が、「自分の代わりはちゃんといる。全体で一つなんだ」と気づいた瞬間でした。
自ら香りを選び、自ら変化した
ご本人が選んだ香りは、ペパーミントとサイプレスです。
ペパーミントは、東洋西洋を問わず古代から治療に多用されてきた植物です。身体的効果に加え、ピリッとした草らしい香りや、真っ直ぐな道筋を示すメントール成分が、状況を好転させる心理的・環境的な証拠も見つかっています。
サイプレスは、体液の排泄を促す治療薬として知られてきました。民族的伝統においては、不要な思考を取り除くお浄めのお香として、紀元前1000年から使われてきた証が残っています。
そして、こちらで加えたのはゼラニウムとプチグレン。
4つの香りに共通していたもの
ペパーミント、サイプレス、ゼラニウム、プチグレン。
この4つに共通するのは、すべて抽出部位が**「葉」**であるということ。青々とした緑色が際立つ植物ばかりでした。
植物学では、植物の各部位が「人のパーソナリティに例えられる」と広く認められています。
「葉」のパーソナリティとは——環境とコミュニケーションを取り、目的や方向性を理解し、向上したいという性質。
私は、2万症例近いお客様の反応を確認する中で、早い時点でこのことを真から信じられるようになりました。
葉の香りを使うと、言動が前向きになり、仲間やグループを意識するようになる。
この特徴を活かして、スポーツのチームプレイに。アルバイト教育の現場に。数字で急成長を掲げる企業からのオーダーに。「葉」の性質を中心に香り選びをしています。
最後に・・・
香りを纏うという文化、そしてフレグランスそのものは、男性が作ったもの。権力者をはじめとする紳士達が、目的を持ってセルフブランディングのために使ってきたもの。私の活動の一つとして、「香り文化を紳士にお返しするような発信」をしていきたいと思っています。
香りを流すのではなく、企業の本質を香りに翻訳する。
20,000件の臨床から生まれた、香りブランディング。
