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制作の裏側 今日の抽象画〜秋の重なりと光を描く〜


抽象画って、一体どうやって描いているの?
そう思う方に向けて、今日の一枚を、できるだけ正確に思い出しながら言語化してみます。
私はいつも、かなり感覚的に描いているので、言語化してみるのは面白い作業です。




1. 秋の気配を思い出しながら

この絵を描いた日は、空気が秋めいてきた頃でした。
季節や湿度や風の流れに、私の絵はいつも影響を受けます。

落ち葉が地面に重なったり、世界が冬支度を始める感じ、秋が深まって行く感じをイメージしながら始めました。

まずイエローオーカーと少しの赤で、
鮮やかな枯葉色を、たっぷり水を含ませた筆でさらっと置きました。
彩度を保ったまま(絵の具のそのまま)たっぷりの水で置くと、光が透けるような色になります。



2. かたちと質感をつくる工程

その次に赤。
枯葉のパリパリした質感をイメージして、
ペインティングナイフで直線的に、感覚に任せて置いていきます。

赤は扱いが難しくて、抽象的に置くと“血”を連想させてしまうことがあるので……
ここでは紫を重ねて少し落ち着かせました。

左下から中央にかけては、光に相対する影、が欲しくなり、
コックリした濃い色を厚塗りで置きました。
これが気に入って、この絵の骨子がほぼ決まりました。

赤色と、絵を締める暗い色たち




3. 私にとっての「線」について

画面の下あたり、濃い紫の上に、オレンジ色のオイルパステルで線を足しました。

線を入れた部分


線を引く、とは私にとってなんだろう?と考えました。
多分、軌跡、生きている軌跡、みたいなものを表したい衝動なのかもしれないです。線は方向があり、動きが出ます。何かと何かの境界でもあります。

具象画では「輪郭線は描かないほうがいい」とよく言われるけれど、ずっと不思議でした。
輪郭線とは存在の境界です。気にならない方がおかしい。
子供の絵で、輪郭線のないものはないと思います。



4. 絵が“終わる”瞬間

最後に、左上に、薄いベージュの不透明な面を置きました。これは、他の部分のステンドグラスみたいな透明感に対する対比として、置きたくなりました。

薄いベージュの面を置いたところ

これを置いた瞬間、「あ、もう終わりにできる」と思えました。

静かな、楽しい散策のような制作時間でした。

完成した絵をもういちど



今日もここまで読んでいただきありがとうございます。

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