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ショートエッセイ:ほんのちょっとの充足

1.コップに半分の水


よくある心理ゲームだ。

私はというと、

「まだ、半分も残っている」

と思うタイプだ。

たぶん、奥さんもそうだ。

2.ストックのあるシアワセ

わが家のトイレットペーパーのストックはすごい。

トイレに入りきらず、廊下にまで置かれている。

調味料も、
カップ麺も、
ミネラルウォーターも、
野菜だって、

常にストックがあふれている。

シアワセだ。

3.息苦しさなんてなかった

父は、私が5歳の時に亡くなった。

母は、女手一つで、姉と私を育ててくれた。

しかし、自分を貧乏だと感じたことはなかった。

「お母さん大変だったね」

そういう話ではない。

4.望遠鏡

子どもながらに、状況は理解していた。

でもどうしても、欲しいものがあると母に言ってしまう。

きまって母は言う。

「いまは買えないから、待ってね」

そして、半年後、1年後、必ず買ってくれる。

そうやって買ってもらった天体望遠鏡。

あの時の気持ちは、
いまでも、私の滋養になっている。

5.ほんのちょっとの充足

ストックは不安を解消するためにあるのではないと思う。

ほんの少しの、ココロの余裕。

ほんのちょっとの充足。

そんな積み重ねが、私たちの生活をあたたかいものにしてくれる。

母が、あのとき買ってくれた望遠鏡は、
それを静かに教えてくれた。

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