【S6|外伝】白黒というコード②|世界に、沁みこんでいるもの
①では、
白黒というコードが、
種を超えて立ち上がっていることを見た。
多くの生きものに、同じ白黒が現れているように見えた。
ここで、よくある問いが浮かぶ。
なぜ、こんなにも多いのか。
理由を挙げることはできる。
環境、進化、機能。
けれど、それで本当に腑に落ちるだろうか。
私には、問いそのものが
少しだけずれているように思える。
問題は、
「なぜ多いか」ではない。
なぜ、それがこちらに沁みこんで見えてしまうのか。
白黒は、どこかからやって来るものではない。
私たちの前を通っていくものでもない。
白黒は、最初から世界にある。
境界に。
切り替わりに。
輪郭のあいだに。
白と黒そのものではない。
白と黒のあいだ。
そこに、私たちは反応してしまう。
生きものを見ているとき、私たちは
色を見ているつもりでいる。
けれど実際には、分かれ目を見ている。
内と外。
前と後ろ。
上と下。
白黒は、そうした分かれ目に
自然と立ち上がってしまう。
人間も例外ではない。
白黒の服を身にまとうとき、私たちは
正しさや秩序を感じてしまう。
それは、白黒が意味を持つ色だからではない。
白黒というコードが、
私たちの認識の層に
静かに、沁みこんでいるからだ。
人間は、白黒を発明したのではない。
白黒を再利用しているだけだ。
世界にすでに沁みこんでいるものを、
デザインとして
なぞっているにすぎない。
だから、白黒は強い。
説明しなくても、判断が早い。
説得しなくても、伝わってしまう。
白黒は、
原因ではない。
結果でもない。
意志でも、
戦略でもない。
白黒は、世界と私たちのあいだに
ずっと沁みこんできたコードだ。
もし、
①で見た白黒が、
②で少し違って見えたなら、
それは理解が進んだからではない。
ただ、沁みこんでいる場所に
気づいただけだ。
※本稿は
「白黒というコード①|種を超えて、立ち上がるもの」と
対になる外伝です。よかったら①も併せてご覧ください。
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