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ka77nana
本体の帰還(メガネ朝帰り)【#毎週ショートショートnote】
「相田さん、ひと晩メガネ貸してください!」
と言ってきたのは、裸眼で2.0見えると噂の仁見さんだった。
「なんで」
「だってメガネの人はメガネが本体とかいうでしょう? 私、相田さんが好きなんです。相性を確かめたいんです」
メガネでなんの相性を確かめるというのだ。かけ心地か?
変わった子だとは常々思っていたが、恐ろしい発想力だ。
「あのね。メガネが本体なら貸したら大変でしょうが」
「明日の朝には返します」
「話聞きなさいよ」
しかし面白いと思ってしまったのも事実だった。幸いにしてコンタクトレンズも持ち歩いている。
俺はメガネを外した。
「明日の朝イチで返してよ?」
「はいっ。必ずや!」
君は武士か。
翌朝(コンタクトレンズで)出勤すると、仁見さんはメガネを箱に入れてきれいにラッピングして返してよこした。
「随分豪華な朝帰りじゃん」
「とっても相性いいみたいです。今夜お食事でもいかがですか」
「本体? 人体?」
「人体!」
うん、まあ、変な子だ。
(本文416文字)
こちらの企画に参加させていただきました。
