「株式投資」について
僕はここ20年ほど、株式投資はやっていない。銀行員は、インサイダー情報に接する機会が多い関係上、株式投資に関してはいろいろと規制があったので、面倒くさくなって、ある時期に全部手じまいしたからである。
もし仮に、今から株式投資を再開するのであれば、日本株式については消極的なスタンスを取らざるを得ない。日本経済自体がちっとも成長していないからである。
もちろん個別銘柄で成長が期待されるものがあるのは否定しないが、仕事の片手間にそうした銘柄を研究するだけの時間も体力もない。
投資というのは、安く買ったものを高く売るだけのことであるが、安いものは安いだけの理由、高いものは高いだけの理由がある。
株式投資は、プロもアマも入り乱れた総合格闘技みたいなものであり、アマチュアが入手できる情報など、プロ(=機関投資家等)の方ではとっくの昔におり込み済みである。アマチュアが、個別銘柄への投資でプロのアクティブ投資を上回るパフォーマンスを上げるのは相当に難易度が高い。
そうなると、インデックス投資でもするのが無難ということになる。でも、日本経済が成長しないのに、日本株式が対象銘柄のインデックス投資をしても面白くもなんともないと思う。したがって、今から投資を再開するならば、インフレや円安のリスクも考慮するならば、海外ものということになる。
あるいは、大して株価上昇は期待できないが、高配当の銘柄を購入して、貯金でもしたと思って、持ち続けるという選択肢はある。
大企業でも、株価純資産倍率(PBR)が1倍未満の割安な銘柄がいくつもある。そういう割安銘柄で安定して高配当を出しているところを選んで投資をすれば、銀行預金をしているよりはマシであろう。
ただし、配当利回りだけで投資対象を判断しない方が良い。業績が不安定な会社、先行きの見通しがあまり期待できない業界だと、株価が下がる、減配になる、最悪は倒産するというリスクは否定できない。そうなったら配当どころではない。PBRが1倍未満ということは、何か脛に傷があるかもしれないからである。
そうなると、誰もが知っている伝統的大企業ということになる。メガバンクなど、この先、株価が上がるとは思わないが、倒産することはないと考えると、ずっと持っておくには悪くないかもしれない。
しかしながら、PBRが1倍未満というのは解散価値よりも株式時価総額が下回っているということであり、「もう、事業をやめたらどうなのよ」とマーケットから言われているのと同じである。日本の少なからぬ伝統的大企業を含めて、プライム市場の上場企業の約半分がPBR1倍未満だという話もある。こんな状態は明らかに異常なことであろう。
要するに、マーケットが日本企業は真面目に経営をしていない、経営者が会社の持てる能力を十全に発揮させていないと引導を渡していると解釈するべきだろう。
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