キャリアブレイクの深みに足が着く瞬間
1. 心の声が消えた日
会社を辞めて、しばらく仕事をしないで過ごしているのに、
「何をしたいのかわからない」。
まさかこんな空白が、長く続くとは思わなかった。
まるで、自分を導いてくれていた心の声が、
ふっと遠くへ旅立ってしまったようだった。
そんな気持ちになったこと、ありませんか?
2. ChatGPTとの対話で見えたキーワード
消えてしまった自分の心の声はどこへ行ったのか?
暇さえあればChatGPTに話しかけ、自分の内側を掘り下げていた。
返ってきたのは、共感の言葉と、
時々「そうかもな。」って思うアイデア。
中でも心に残ったのは――
「自分が話していて心地いい人に会ってみる」
なるほど。今の時間を使って、
自分の心が動く瞬間を探してみよう。そう思った。
3. 春、久しぶりの再会
一年ぶりに会った知人は、僕より2歳上の先輩。
28年前に出会ったときから、
自由で、少し風変わりで、どこか似ている部分もある不思議な人だ。
会社を辞めた僕は、勝手にこの人と距離が近づいた気がしていた。
4. 無駄がくれる安心感
会話の中で、彼が言った。
「世間一般の人とはどんどん話があわなくなっていく」
という言葉が、妙な安心感をくれた。
僕も最近、同じ感覚を抱いていたからだ。
彼は、大人から見れば意味のない悪ふざけや、
合理性ゼロの行動の話をしてくれた。
それは小さな魚が群れからはぐれ、
自由に泳ぐような時間の話だった。
5. 「働かなくていいなら、それが良いよね」
僕が失業保険をもらいながら過ごしている話をしたとき、
彼がこう言った。
「その権利を使える間、お金をもらえる間は、
その時間をより良く過ごしたらいいんじゃないの」
ちょっと驚いた。
そんな生活に、迷っている自分に、
「これで良いんだ」って
言い聞かせているところがあったからか、
ふっと肩の力が抜けた。
そして、彼が落ち着いた感じで放った
「働かなくていいなら、それが良いよね。」
その一言は、水底で耳に届く低い響きのように、胸にじわっと広がった。
最初は驚きだったが、時間が経つと、その響きが身体に馴染んできた。
6. キャリアブレイクの底に足がつく瞬間
「何をしたいんだろう」と問い続けてきたけれど、
「何も特にしたくない」が前提なら、答えが出ないのは当然かもしれない。
思い返せば、新卒の就活も同じだった。
「働きたい」というより、
「働かなきゃいけない」から動機を作っていただけだ。
ライオンに “何を狩りたい?” と聞けば
「目の前に来たやつで、一番いいやつを。」
花に聞けば
「自然にまかせて、咲かせるだけ。」
それくらいシンプルなことかも。
そんな考えが、頭の中をぐるぐると巡り続けた。
7. 問いの立て方が変わる
「どうせ働かなきゃいけないなら、何がしたい?」
この問いなら、まだしっくりくるなぁ。
そんな簡単な答えが、その時に見つかった。
前は「やりたいことが見つからない自分」を責めていた。
今は「何もしたくないのが自然かもしれない」
と受け入れられるようになった。
それは静かで、とても大きなパラダイムシフトだった。
8. これから先は、また別の景色
底に足がついたら、後は、浮かびあがるだけ。
少なくとも下の方向のことは、
もう考えなくていいとわかった。
あとは水面へ向かうだけ。
そして、いつかプハーッと顔を出した瞬間、
「どこに向かったらいいの?」って、また迷うのかな(笑)。
でも、底に一旦足をつけてグングン上がっていく感覚とか、
底が見えない不安を知ってるって、人間として深い。
まだ途中の道のり。
でも、「人が知らない、何も見えない暗い奥底を知ってる事」って
「“光の素晴らしさ”も良く分かる人間になってる事」かと、
そんなふうに思うんです。
ま、ここから先の浮かび上がりはまた別の話だけど、
でも、その時は今より”落ち着いて”泳げる気がしています(笑)。
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