#32 【宰相への道】士官学校の面接
備忘録に。
日本で言うところの士官学校とは、防衛大学校やその後の幹部候補生学校の課程を指すのだろう。
本稿では、防衛大学校を士官学校と呼称する。
士官学校の筆記試験を突破すると、身体検査と面接試験が実施される。
身体検査は、身長体重など。特に印象に残ったのは色覚検査で、この検査で1問でも間違うと一発不合格になる。
面接試験では、他の学校を受験しているかどうか、また、そこにどのくらいの確率で合格しそうか、それに加えて、士官学校の志望動機などが質問される。
簡単な経歴紹介→志望動機→他の学校の受験に関する質問→寮生活に耐えられるか→士官学校に関する情報の確認→両親は賛成しているのか→文民統制についてどう考えているか
だいたいこういった順番で、面接が進んでいった。
この中で、私が特に、ここで語っておきたいことは、士官学校に関する情報の確認についてである。私は、そこで地雷を踏んでしまった。
というのも、陸海空の3つの部隊のどこに配属されたいかという話の中で、「陸が良いです。死ぬなら日本の地で死にたいからです。」と答え、その後の雑談中に「これからは3つに分ける意味が無くなるでしょう。」と言ってしまったのだった。
「陸海空」ではなく「陸海」にするべきだという話をした時に、そこを深掘りされた。
「航空機を用いた戦闘が当たり前になっているから、わざわざ航空軍を独立させる必要は無い。」と言い、当時ニュースで報道されていたナゴルノ・カラバフ紛争の際の無人機の活躍ぶりについて語り始めた。
私が士官学校で水上軍・航空軍の大佐2名に話したのは、自動化航空艦隊の創設についてだった。
軍隊では、通常、「自動化」とは機械を活用して兵員や兵器の移動効率を上げるという意味合いで用いられることが多い単語だが、私は原義で「自動化」という言葉を使った。つまり、人間の手が介在することなく、あるいはその手間を大幅に削減しつつ、航空艦隊を運用するということだ。
大雑把に言えば、以下だ。
自立型コンピュータによって動く攻撃型ドローンを開発し、加えて、そのドローンを収容・整備できる母艦を複数運用する。母艦と攻撃型ドローンの周回コースを決めることで、現在主流の空母打撃群を運用する場合に比べ、人員やコストを大幅にカットできる。
言わずとも知れていることだが、日本が、現在の支那やアメリカの空母打撃群と張り合うには、最低でも40年は必要だと思う。これに比べ、自動化航空艦隊の場合は、各国はその潜在能力に気づいておらず、大規模な整備も進んでいない。つまり、「持たざる国」の日本にとっては、各国を出し抜く絶好の機会なのだ。
私が士官学校に残り、この自動化航空艦隊の創設を行うことも1つの案ではあったが、それよりも政治の世界に踏み入れようと決意した。
