『ロビンソンの飼い犬』で、不器用な恋と人生に触れて、やきもきしよう
夏が来る予感はあんなにも心躍るのに、なぜか終わりのほうが何十倍も鮮やかだ。
恋愛小説であり、幻想的な小説でもあり、人生を扱っているから深みもある作品だと感じました。フィクションの「根」がきちんと深く広く張っていると、作品が安定するし、人工的なのに普遍的な何かに通じる気がするのです。
恋愛は、これは僕個人の考えなのだけど、精神的に経済的に自立した大人がする方が、自分達で決められることが多いから楽しいと思います。
どれくらい大人なのか、何を許せるか、人生を歩く歩幅、などが一致しないと上手くいかないでしょう。出会った時は揃っていたのにズレてしまうとか、その逆とか、色々あります。出会い頭の事故みたいなものもあるから、縁とか運命としか表現出来ない何かがありますし。
人が分かりあうことの難しさ。
恋愛を通してでさえ、難しいこと。
そして、恋愛を通して成長すること。
恋愛小説の一要素として、こうした事柄が扱われると思います。小説家の腕の見せどころだから、ご期待下さい。
根底にあるものは「傷」と「救済」だと思います。成長することで、少しずつ自分を回復させて癒していくことは、都合のいい王子様がいない日常から考えると、理解し共感されうる物語に思えるのです。
誰かを好きになり始めたら読んで、パートナーと作品の感想を交換すると、お互いの理解を深めるのにプラスな気がします。
前編・後編通して、サクッと読めるので、ピンと来た方はぜひお試しください。
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