Can't Buy Me Love/The Beatles(1964)【楽曲考察#3】

ダイヤの指輪なんて要らないって言ってくれ そしたら僕は満足だ

こんにちは。

今回の楽曲考察は洋楽を攻めてみようと思います。

洋楽第1弾はビートルズ(The Beatles)の『Can't Buy Me Love』(1964)です。
1964年(昭和39年)といえば、最初の東京オリンピックが開催されたり、東海道新幹線が開通したりした年ですかね。
私の両親も生まれていない時代ですね。

今回の曲名で思い出したのが、中学の頃ミュージシャンのYUI(現・yui)さんの曲が好きでよく聴いていたのですが、YUIさんの2枚目のアルバムのタイトルが『CAN'T BUY MY LOVE』(2007)なんですよね。
1枚目のアルバムも『FROM ME TO YOU』(2006)ということで、これもビートルズの同名の曲が由来になっているみたいです。
ご本人は音楽的にかなり洋楽に影響を受けていて、たしかに彼女の曲を聴くと洋楽感(うまく定義できませんが)を感じることがあります。
私が好きな曲は上述の2枚目アルバムに収録されている『Winding road』なのですが、いずれ楽曲考察で取り上げるかも。

話をビートルズに戻して。
『Can't Buy Me Love』の歌詞を眺めてみようと思います。

いちおう私による和訳をつけていますが、これを「弊訳」と呼びます。
「弊社」のように「弊○」は「私の○」と言う意味ですが、もともと「弊」には「悪い」「拙い」と言う意味があります(「悪弊」などの熟語からも感じられる)。
文法的にも作詞者(Lennon-McCartney)の意図的にも正しいかどうか保証はできないので、こう呼ぶことにしました。
個人の解釈のひとつとして理解してください。

それでは見てみましょう。

考察

Can't buy me love, love
Can't buy me love
(愛、そう愛は買えない
買えないんだ)

出典: Can't Buy Me Love/The Beatles

いきなり英語のお勉強だが、
「buy + 【人】 + 【もの】」で「【人】に【もの】を買う」という意味
主語は表現されていないが、「愛は買えない」だけでも意味が通じる
'love'が繰り返されているので、和訳もそれに忠実にしてみた

I'll buy you a diamond ring my friend if it makes you feel alright
I'll get you anything my friend if it makes you feel alright
'Cause I don't care too much for money
But money can't buy me love
(ダイヤの指輪を買ってあげるよ それで君が喜ぶなら
なんでも買ってあげるよ ねぇ それで君が喜ぶなら
だってお金のことはそれほど気にしないから
でもお金で愛は買えないんだよ)

出典: 同上

英語のお勉強②
「make + 【人/もの】 + 【動詞(の原形)】」で「【人/もの】に【動詞】させる」という意味になる

英語における相手への呼びかけについてあまりよくわからないが、'my love' (恋人)とかでなく'my friend'なのね
「友よ」とかじゃないと思うから、無難に「ねぇ」という呼びかけに訳してみた

''Cause'からがいわゆるサビ?
「愛は買えない」の主語は'money'らしい

「なんでもお金で買ってあげるよ」
      ↓
「でも愛はお金で買えないんだよ」
      ↓
「僕の(君への)愛は要らないの?」
みたいな

I'll give you all I got to give if you say you'll love me too
I may not have a lot to give but what I got I'll give to you
I don't care too much for money
But, money can't buy me love
(あげるとなったら全部あげるよ 君も僕を愛してると言ってくれたら
そんなにあげられるものはないかもしれないけど 全部あげるよ
お金のことはそれほど気にしないから
でもお金で愛は買えないんだよ)

出典: 同上

君の(僕への)愛も「お金で買えない」ほどの価値がある
だから「お金で買える」ようなものを全部あげてもお釣りが来るくらいだ

Can't buy me love
Everybody tells me so
Can't buy me love
No no no, no
(愛は買えない
みんなそう言う
愛は買えない
そうなんだ)

出典: 同上

ここで'No no no, no'を「そうなんだ」と訳している

英語では、たとえば
'Don't you think so?' (そう思いませんか)
と訊かれたとき、「思わない」場合
'No, I don't think so.' (はい、思いません)
と答える
これは
'Do you think so?' (そう思いますか)
と訊かれたときと同じ答え方になる
どう訊かれようが、否定の場合は'No'となる

Say you don't need no diamond rings and I'll be satisfied
Tell me that you want the kind of things that money just can't buy
I don't care too much for money
Money can't buy me love, ow
(ダイヤの指輪なんて要らないって言ってくれ そしたら僕は満足だ
お金で買えないようなものが欲しい そう言ってくれ
お金のことはそれほど気にしないから
でもお金で愛は買えないんだ ああ)

出典: 同上

ここがこの歌の真意な気がする
いままで「なんでもお金で買ってあげるよ」と言っていたが、本当は「『お金で買えるものなんて要らない』『お金で買えないもの(=愛?)が欲しい』と言って欲しい」ということ

最後の'ow!'を言いたいためにカラオケで歌ったりする

Can't buy me love
Everybody tells me so
Can't buy me love
No no no, no
(愛は買えない
みんなそう言う
愛は買えない
そうなんだ)

出典: 同上

間奏後のブロック
ここまできて思ったが、いわゆる「サビ」ってこの'Can't buy me love'の段落?
それとも次の'Say you don't need no〜'の段落かな

Say you don't need no diamond rings and I'll be satisfied
Tell me that you want the kind of things that money just can't buy
I don't care too much for money
Money can't buy me love
(ダイヤの指輪なんて要らないって言ってくれ そしたら僕は満足だ
お金で買えないようなものが欲しい そう言ってくれ
お金のことはそれほど気にしないから
でもお金で愛は買えないんだよ)

出典: 同上

書き忘れていたが、
'you don't need no diamond rings'
とあり、否定語が2つ連なっている
これは「二重否定」と呼ばれるものだが、高校の英文法で習う「強い肯定」を表す二重否定ではない
英語話者の口語表現として、この種の「普通の否定」としての二重否定はよく見られる
「正しい」英文法としては
'you don't need any diamond rings'
となる

余談だが、Led Zeppelinの『The Crunge』(1973)と言う曲で
'I don't need no respect from nobody' (誰からもリスペクトなんて要らない)
という「三重否定」を見たことがある
「二重」だろうと「三重」だろうと、肯定にひっくり返らない

Can't buy me love, love
Can't buy me love
(愛、そう愛は買えない
買えないんだ)

出典: 同上

お金で愛は買えない
物理的な幸せじゃなくて、精神的な幸せを求めよう

〜考察おわり〜

まとめ

英文法の話が多めになりましたが、こうやって言葉を分解してその歌詞の意味を分析するのは面白いですね。
こうやって楽しんで勉強できるのはいいことだと思います。

この曲は、最初は
「お金でなんでも買ってあげるよ」
と言いながら、後半は
「『お金で買えないものが欲しい』と言って欲しい」
と、ひるがえって真意を伝える流れになっています。

このような
「〜なんだ」→「でも実は〜」
という構成はビートルズの他の曲にも例があって、

『In My Life』(1965)の1番は
'All these places have their moments
With lovers and friends I still can recall'
(これらの場所にはすべてそれぞれの思い出があって
今でも思い出す当時の恋人や友だちと過ごした場所だ)
となっていますが、2番の冒頭では
'But of all these friends and lovers
There is no one compares with you'
(でもこれらの友だちや恋人の中でも
君と比べられる人なんていない)
と「君」に焦点をあてる流れになっています。

1番があってこそ、2番が引き立てられるということもあるのでしょうか

洋楽解説、書いていて楽しかったのでまたやるかも知れません。

またお会いしましょう

参照


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