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特等席

今日も遅くまで机に向かっていた
電気を消そうと腕を伸ばしたとき
ふと背中に視線を感じた

ゆっくり振り返ると
小さく光る点がふたつ
目が合うと大きなあくびをした
きっとわざとあくびをして見せたんだ
やれやれようやく消灯ねって

そのまま回れ右をしてベッドへ向かう
足先を布団の中へ滑らせて
身を捩りながら口元まで毛布を手繰り寄せた
枕が頭の重さでずんと沈む
そこへトンと音もなく小さな足が着地した
当たり前のように頭を私の顔の横へとねじ込んでくる
毛布を持ち上げるとスルスルっと流れるように潜り込んで
腕を開くよう手で掘って急かす
脇のところで丸くなり
喉をゴロゴロと鳴らしながら更に体を縮めると
そのうちどちらともなくすうすうと寝息が聞こえだす

おかえり、この場所へ
おやすみ、また明日

晴埜粉雪

チタン 2021.9


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