祖父が働いていた炭鉱の島
ちょっと前のドラマですが、「海に眠るダイヤモンド」ってみなさん観てましたか?
最高なので、ぜひ観てほしいです。
神木隆之介が演じる荒木鉄平という人物。
軍艦島の炭鉱の総務課で働いているという設定です。
私の祖父も、長崎県にあった大島炭鉱の総務課で働いていたそうです。
私が生まれる前、50代で亡くなってしまったので、どんな人物かは分かりません。
※肺がんではないので炭鉱との因果は薄いと思われます。
ふと、むかし祖母に言われたことを思い出しました。
子どもの頃の私は食が細く、米を食べ切るために味噌汁をかけて胃に流し込んでいました。
すると祖母が、
ねこまんまをしてると、おじいちゃんにキセルでゴポンってやられるよ!
会ったことはないですが、そんなに粗暴だったのか…?
印象は最悪です。
しかし、大人になってから、ふと気になりました。
子どもの頃は「やばい爺さんじゃねえか」くらいの感想しか持ちませんでしたが、なぜ祖父はねこまんまを嫌がったのか。
炭鉱の文化に関係があるのでは?と飛躍した思考で考えて調べてみました。
すると、なんと飛躍思考が的中。
炭鉱ではねこまんまがタブー視されていた、という記述がありました。

https://www.joho.tagawa.fukuoka.jp/y_sakubei/kiji0033871/index.html
「味噌をつける」(=失敗する)を連想させるとか、崩落する白米が現場の事故を連想させるとか、色々理由があるようです。
炭鉱は坑内火災など危険な事故も多く、こうしたゲン担ぎも大切にされてきたのでしょう。
とはいえ、米に味噌汁かけただけで半殺しにされるとは…
キセルで殴られるくらいなら可愛い方です。
相対的に優しい祖父、ということですね(?)
そんな祖父が暮らした大島でも、やがて炭鉱は閉山。
東京や大阪に転居する者、県内の他の炭鉱に行く者など、住民たちが散り散りになったのだそう。
祖父と祖母、私の父はこの時、神奈川への移住を選んだため、私も神奈川で生まれました。
余談ですが、大島出身の有名人としては前・日弁連会長の渕上玲子先生がいます。
日弁連会長が大島出身ということは知っており、「いつか大島の話ができたらなぁ」と思っていましたが、接点があるわけがありません。
が、意外にもチャンスはすぐに回ってきました。
仕事の関係で参加したパーティで先生が祝辞を述べていました。
速攻で名刺を持って挨拶にいき、大島の話をしました。
先生のスマホの待ち受け画面は大島大橋。
地元愛が感じられました。

多くの方の顔が写っているため手元だけで失礼します。
炭鉱を失った大島は企業誘致を行い、来てくれたのが大島造船所。
今では大島造船所が島の産業を担っています。
造船の他にも島唯一のホテル、酒造、トマト作りなど、島内で多くのビジネスを手掛けています。
面白い会社ですが残念ながら未上場。
株を買うことはできません。

アクセスが良くない上、幼い頃に一度行っただけの島。
時間をとってゆっくり滞在したいとずっと思っていました。
妻と相談して、新婚旅行先にさせてもらいました。
半ば「つきあわせちゃって悪いな」と思ってましたが、結果として大正解。
綺麗なリゾートホテルも建ち、美しい海も山も残る、のんびりとした素敵な島でした。

島のスーパーで買った鮮度抜群の寿司をここで妻と食べました。
「海を持って帰りたい」
海ボケしたのか、アホすぎる欲望が頭をよぎります。
海は持ち帰れないので、その辺に落ちてた綺麗な石を拾いました。
多分、メノウですね。(詳しい人いたら教えてください)

綺麗な状態で持っていたいので、家に持ち帰ってからダイヤモンドヤスリと耐水ペーパーで磨き上げました。

滅多に来られる場所ではないので、祖父より上の世代が眠る墓に参っておきたい。
とはいえ、父に墓の位置を聞いても「教会の近く」とアバウトな情報しかありません。
そんなアバウトな情報を市役所の出張所に持ち込んだところ、なんと墓の管理者名簿を出してくれました。

教会は山の上。
ふもとまで来ましたが、勾配がキツく、道の細さも分からないので、山の上で詰む可能性があります。
旅行先で立ち往生するのは悲しいので、おとなしく車を漁港に置いて、徒歩で登りました。
照りつける日差しの中、妻とのんびり坂を上がっていくと教会を発見。
その近辺の墓を探してみると…見つけました。
先祖の眠る墓です。
管理者名簿に載っていた人物も亡くなったことは父から聞いており、最後に来た親族は誰かも分かりません。
市の方が手入れをしてくれているのか、墓はとても綺麗な状態を保っていました。
少なくとも3世代離れた子孫が急に墓参りに来て、先祖も驚いてたことでしょう。
個人的にはここ数年でかなり大きな偉業です。

祖父が勤めていたのは松島炭鉱株式会社。
島で唯一のスーパーの前にある慰霊碑に、その名前が残っていました。

この会社は今も三井松島ホールディングスとして残っています。
現在は炭鉱からは完全に撤退し、様々な業界のニッチトップ企業に投資する会社に変わっています。
俄然興味が湧き、株を買って応援することにしました。
しかし、それでは大島には一銭も入らないので、毎年ふるさと納税もしています。
妻は大のトマト好き。
大島造船所が作っている「大島トマト」は絶品らしく、妻が旅行の時大変気に入った様子。
毎年のふるさと納税を楽しみにしてくれています。
(私はあらゆる食べ物の中で生トマトだけが苦手で食べられません。残念です。)
https://oshima-tomato.nagasaki.jp/
大島は私にとっての故郷ではありませんが、何かと縁ある場所。
今では妻との新婚旅行の思い出の地になったことを嬉しく思います。
薄いながらも、大島との繋がりを保つ方法を模索する日々です。
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