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#176 【英語史クイズ】 ケルン、ブルッヘ、マインツ、ロンドンのうち、英国初の印刷業者Caxtonと最も関係ない都市は?

問題レベル★★★☆☆(中級レベル)
前回、#153で英国初の印刷業者であり、翻訳家、商人であったWilliam Caxtonに関連するクイズを出した。今回は、Caxtonと関連深い都市に関する問題を出題する。もしお時間があれば、クイズとともに、google mapなどを用いて、ぜひ巡礼の旅に一緒に出かけていただければと思う。

問題

イギリス最初の印刷業者のWilliam Caxtonと次のうち3つは関係ある都市。では関係ないのは次のどの都市
(a) ケルン(Köln in Germany)
(b) ブルッヘ(Brugge in Belgium)
(c) マインツ(Mainz in Germany)
(d) ロンドン(London in UK)

Caxtonと関係ある3都市と関係ない1都市

解答

(a) ケルン(Köln in Germany)
Köln(英語ではCologne)は、Caxtonが印刷業の素晴らしさに触れた最初の土地だとされている。ブルッヘでギルドの親方をしていたCaxtonは、仕事の関係で1470年ごろKölnに行ったときに、その印刷技術に強い衝撃を受け、印刷技術を学んだとされる。英語初の活字印刷本「トロイ物語集(the Recuyell of the Historyes of Troye)」を翻訳したのもKölnだと言われている。Caxtonに関係する都市と言える


(b) ブルッヘ(Brugge in Belgium)

運河が美しいとされるBruggeもCaxtonに関係する都市である。Caxtonはロンドンで絹物商人Robert Largeに弟子入りしていたが、師匠が亡くなった後、裕福で文化的な都市だったBrugge(英語ではBruges)に移住した。1450年ぐらいである。

上記にあるように、Caxtonは1470年ごろにKölnに行き印刷技術や印刷業について学んだ。2年間ほどKölnで学んだ後、CaxtonはBruggeで印刷所を設立し、活字印刷本「トロイ物語集」を印刷した。ちなみに、その背景には、エドワード4世の妹マーガレットの強い勧めがあったと言われている。


(c) マインツ(Mainz in Germany)
ドイツのマインツは、実はCaxtonと直接の関係はない。なので、この(c)マインツが答えとなる。Caxtonは、ドイツのマインツではなく、Kölnで印刷業について学んだ。

なお、マインツは活版印刷の発明者ヨハネス・グーテンベルクの出身地であるので、Caxtonと直接関係はなくても、割と近い都市かな?と思い、今回の選択肢の1つとした。


(d) ロンドン(London in UK)

「トロイ物語集」出版の翌年の1476年、Caxtonは英国に帰り、ロンドンのWestminsterに印刷所を設立した。彼が最初に出版した本はチョーサーの『カンタベリー物語』である。なお、Westminster Abbeyのサイトに、Poets' CornerのドアにCaxtonの印刷業を記念したモニュメントがあったが、現在は屋内に移動したと書かれている。

ちなみに、WestminsterにはCaxton通りもある。

以上のことより、ロンドンも当然ながら、Caxtonに関係ある都市である


まとめ

William Caxtonは、2002年のBBCの「100人の偉大な英国人」の1人に選ばれている。英語の綴りの標準化に貢献した人物として有名だからだと思われる。

ただし、Caxtonはフランス語の影響も強く受けており、Wikipediaには、ghostの綴りに発音しない h を導入したのはCaxtonだと掲載されている。英語史として綴りの変遷を調べるときに、Caxtonは避けて通ることができない人物だが、こうして、彼の人生の1部を巡るクイズを作ることができて楽しかった。

今日はこんなところです。