ウイニングポスト10 2026 プレイ中5 ―ダンシングブレーヴの記憶―
第5章 ダンシングブレーヴという原点
アークファームの歴史を語るうえで、どうしても外せない馬がいる。
ダンシングブレーヴだ。
もし彼がいなければ、今のアークファームは存在しなかったと思う。
もちろん史実のダンシングブレーヴは名馬である。
1986年の凱旋門賞馬。
欧州競馬史に残る名馬として語り継がれている。
だが不思議なことに、私が惹かれたのはその輝かしい実績ではなかった。
むしろ負けたレースの方だった。
イギリスダービー。
最後方から信じられないような追い込みを見せながらも、
シャーラスタニを捕らえきれず2着。
そしてその後に勝ったキングジョージと凱旋門賞。
普通ならそちらを語るべきなのだろう。
だが私の中では違った。
どうしてもダービーの敗戦が心に残った。
あと少し届かなかった馬。
誰もが認める強さを持ちながら、完璧ではなかった馬。
その姿に強く惹かれたのである。
だからウイニングポストではエディットを使って彼に欧州三冠を与えた。
現実では存在しない欧州三冠馬。
いわば私なりの「もしも」だった。
あの日届かなかった栄冠を届けたい。
そんな思いがあったのだと思う。
だが、後になって気付く。
私が本当に好きだったのは、三冠馬になったダンシングブレーヴではなく、
ダービーで敗れたダンシングブレーヴだった。
だからこそ血統が続いたのかもしれない。
アークファームで誕生した他の競走馬たちも、どこか似たところがあった。
ディープインパクト。
テイエムオーシャン。
エルコンドルパサー。
そして後に登場する数々の自家生産馬たち。
みな強かった。
しかし完璧ではなかった。
思い通りにいかない部分を抱えていた。
だから応援したくなった。
だから血統を繋ぎたくなった。
攻略だけならもっと効率の良い方法はいくらでもあったはずだ。
しかし私が選んだのは、そうした馬たちの物語を受け継ぐ道だった。
今振り返れば、ノーザンダンサー始祖系統化も、
ダンシングブレーヴ系確立も、単なる攻略目標ではなかった。
あの日ダービーで届かなかった夢を、血統という形で繋いでいくための旅だったのである。
