獄中・ポテトチップスがおいしくてたまらない ~ 人生で初めてのおいしいもの


📖『こころにしみる日々(上) 〜 愛と喪失と再生の獄中272日間 〜』

裁判が確定するまでは未決拘禁者という地位になるので、拘置所では食べ物を買うことができた。私はポテトチップスとカップヌードルを買うことにした。カップヌードルはシャバにいるときと同様、たいしておいしく感じられなかったが、ポテトチップスはやたらとおいしく感じた。8.22 勾留されて以来しばらくそういうものを食べていなかったせいもあるのかも知れない。
逮捕時の所持金が2千円とちょっとでノートやボールペン、切手などを必要に応じて買い、お金は残り少なくなっていたため、買える数にも限りがあり、大事に食べなければならなかっただけになおさらおいしく感じたのだと思う。
こんなにおいしいポテトチップスを食べたのは人生で初めてだった。

その他、食べ物に関しては、逮捕される直前に、食べようと思って材料を買おうと思っていたお好み焼きのことが忘れられない。出所したら何とかしてガス代、水道代をまっ先に支払って材料を買いに行って作って食べたくて仕方がない。考えただけで泣けてくる。
留置所で見た、髪の長いオッさんの私弁弁当の中に入っていたハンバーグとエビフライも忘れられない。

それを食べたくて、次のエビフライとハンバーグの日がいつなのかを予想し、注文しようと思っていた矢先に拘置所に移送になってしまい、泣きたい気分だった。
さらに拘置所移送の初日に出た豚汁。留置所では、冷えた弁当しか食べられず、汁物なんてなかったし、しかも暖かくておいしくて感動した。
他に、唐揚げもニンニクがよく効いていておいしかった。何より、白身魚のフライは市販のものだったと思うし、タルタルソースはシンプルだったものの、下手なホテルのランチやバイキングよりもよほどおいしいと思った。ちなみに白身魚のフライは2週間にいちどしか出ず、拘置所では魚類のメニューはこれ一品だけだった。
あと、どういうわけかシャバでは逮捕される前のころは甘い物やパンは、ほとんど全くといっていいほど食べていなかったにも関わらず、なぜか、おしるこやパンやジャムやプリンなどがありがたく、おいしくて仕方がなかった。特に2週間にいちどのおしるこが楽しみで楽しみで仕方がなく、こんなにおいしいおしるこは人生で初めてだった。と言うより、今挙げた食べ物は全て人生で初めてと言えるおいしいものばかりだった。それもこれも全ては紛れもない
虐げられた生活でこそ得られる快楽

のひとつだったのだと思う。ある意味もう二度と味わえることのないものなのかも知れない。そしてそれは
もう二度と得られない
方がいい。
シャバは、今まで気づかなかっただけで、もっと素晴らしいものだらけである

ことは、この地獄の環境の中で、地獄の日々を過ごしてきた私にとってははっきりしていることだからだ。
🔗️📖P.43『2023.3.8~』

🔗💠「虐げられることによって得られる快楽」(📖P55『2023.3.8~』)
🔗💠「獄中・甘いものがうれぴ過ぎー」(📖P55『2023.3.8~』)


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🔰📖『ここしみ』 超・あらすじ
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そんな風に、ひとつの人生の軌跡を通じて、「生きるとは何か?」「愛とは?」を問いかけます。
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📖『こころにしみる日々(上)~ 愛と喪失と再生の獄中272日間 ~』
📖『こころにしみる日々(下)~ 灯りを求めて。出所、そして壮絶な日々 ~』
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