ポケモンキッズと旅する 第208回 ネオラント|兵庫県西宮市
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第二百八回、ネオラントと西宮です。

阪神間の都市部を抜け、住宅街の坂道を登りつめると、特徴的なお椀形の山容を持つ甲山(かぶとやま)が視界に現れます。

甲山森林公園は、この甲山の裾野一帯に広がる広大な緑地です。

周囲には標高300メートル程度の甲山を中心として、広葉樹林と谷筋の湿地が折り重なる豊かな自然環境を保っています。

高度成長期の急速な都市化の中で、この地は開発ではなく里山の自然を守る道を選び、緑地保全の場として整備されたことで、都市近郊にありながら多様な生態系を育む貴重な存在となっています。

そのため、舗装路から森の小径へ一歩踏み入れると、雑木林と谷戸の豊かな自然に包み込まれます。

私がこの場所を訪れたのは、雨がしっとりと降り続く梅雨のさなかでした。

森全体が薄い霧をまとい、湿気を帯びた空気の中で、葉の一枚一枚が水滴を抱いて重たげに輝いています。

特に遊歩道沿いには紫陽花が多く、土壌によって青、紫、淡いピンクへと微妙な色を映しながら、雨に濡れた花弁を膨らませていました。

斜面を下り、小さな沢沿いの道に出ると、そこはより深い湿潤な環境で、梅雨の時期に生命力を増す植物が淡い花を覗かせていました。

足元に目をやれば、雨で柔らかくなった土に落ち葉が混ざり合い、これから土壌へ還っていくという、雨がその進行を助けるかのような生命の営みが感じられる光景です。

甲山を見上げると、この日は低い雨雲に山頂を隠されていましたが、遠目にも樹木に覆われた湿潤環境が広がっていると推察されます。

公園の中心に位置するシンボルゾーンでは、噴水の水が雨の湿った空気と相まって潤んだ煌めきをを放ち、梅雨に咲く花々との鮮やかなコントラストが公園に彩りを添えます。

シンボルゾーンから少し登った先には展望台があり、絶好のビューポイントとなっています。

この日は梅雨空の下、麓の街並みがわずかに望める程度でしたが、晴天時であれば大阪湾や明石海峡大橋まで見渡せ、夜景時には神戸方面の宝石のような街灯の瞬きが見られるなど、四季や天候ごとに異なる表情を見せてくれます。

園内を一周する遊歩道は、今回のような梅雨の時期は足元のぬかるみに注意が必要ですが、そこを雨音をBGMに歩くのは、この季節ならではの趣深い感じ方と言えるでしょう。
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