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ポケモン指人形と数百ヶ所旅をした人の「ぬい撮り」講座

ぬい撮り、流行っていますよね。
ぬいぐるみを外に連れ出して、生き生きとした、きれいな写真に収めてみる。

多くの写真の撮り方講座がある中で、この記事がその一つとして、お役に立てれば幸いです。




今回のために連れ出したグレイシアのぬいぐるみです。

私はこれまでポケモンキッズというポケモンの指人形を連れ、数百か所の旅先で多くの写真を撮影してきました。

今回は趣向を変え、被写体をぬいぐるみに代えた写真を掲載し(過去に撮影したポケモンキッズの写真も交えつつ)、個人的に感じた撮影時のポイントを解説してみたいと思います。


◇ 食べ物の撮影:美味しさを写真に閉じ込める

旅先での美味しい料理など、せっかくならその瞬間を写真に残したいですよね。

まずは、食べ物をより魅力的に撮影するやり方をご紹介します。

ぬいぐるみと料理の距離感、テーブルとの調和も含めて切り取ることで、その場の雰囲気までも伝わる一枚になります。

真上から、斜めから、横からなど、魅力を最大限に引き出すアングルを見つけましょう。

一方で撮影時は色にはこだわりすぎないほうがいいと思います。

なぜならば、色合いは後から彩度を上げたり、色温度を調整したりすることができるからです。

ソフトクリーム盛り付けるのがうまくいかなかった点には目を瞑ってください

料理の撮影において忘れてはならないのが衛生面への配慮です。

ぬいぐるみを一度床に置いて撮影し、その後テーブルに置くようなことは避けましょう。

逆に、ぬいぐるみを置く前には、調味料が飛んでいないかなど、テーブル自体が清潔かを確認することも大切です。


◇ おすすめの背景:花・紅葉・庭園

過去にポケモンキッズを被写体に撮影した花の写真の例

写真の背景として特におすすめなのが、花と紅葉です。

花や紅葉は、色彩豊かな背景を作り出してくれます。

過去にポケモンキッズを被写体に撮影した庭園の写真の例

もう一つおすすめの背景が庭園で、特に回遊式庭園がおすすめです。

回遊式庭園では、歩きながら景色の移ろいを楽しめるように工夫されているというその設計思想からして、少し歩くだけで、全く異なる雰囲気の写真にすることができます。


◇ 逆さ写真:現実と鏡像の狭間

風景写真の面白い構図の一つに、「逆さ写真」があります。

過去にポケモンキッズを被写体に撮影した逆さ写真の例

これは水鏡と言いましょうか、水面が穏やかで、まるで鏡のように周囲の景色を反射している場所で撮影した写真を、180度回転させることでできるものです。

撮影した写真を回転させると、現実世界と水面に映った鏡像の世界が上下逆転し、どちらが現実でどちらが鏡面世界なのか区別がつかないほどの美しいシンメトリーな写真となることがあります。

撮影時にぬいぐるみなどを上から写し込み、あとで回転させると、そのぬいぐるみこそが現実世界と鏡像の世界とを余計に混乱させます。

「無風状態」「澄んだ水面」などの条件が目の前にあった場合には、ぜひこのような写真に挑戦してみてください。


◇ 写真の色:色を意識

色相環とは、色を円環状に並べたもので、向かい合った位置にある色同士を「補色」と呼びます。

https://hirotama.blogspot.com/2021/01/hue-circle.html より

赤と緑、青とオレンジ、黄色と紫などが補色の関係にあります。

この補色の関係にある色を組み合わせると、お互いの色が引き立ち合い、鮮やかな印象の写真になります。

例えば、人物写真の場合、緑豊かな森を背景に赤い服を着た人物を配置すると、赤がより鮮やかに、緑がより深く見えるという効果が生まれますが、ぬい撮りの場合はこれがキャラの体の色になります。

つまり、被写体を際立たせたい場合は、背景の色に対する補色となるキャラを選ぶと効果的です。

反対に、調和の取れた穏やかな印象にしたい場合は、背景と同系色のキャラを選ぶと良いでしょう。

過去にポケモンキッズを被写体に撮影した様々な色の背景の例

自然界にはそれ自体の色の他、季節や時間帯によって特徴的な色があります。

赤は彼岸花、紅葉、番傘など。
オレンジは砂浜、柿の実、朝焼けの山々など
黄色は銀杏、菜の花、ヒマワリなど
緑は森林、竹林、苔など
青は青空、海、湖など
紫色はラベンダー、菖蒲、藤の花など
黒は夜空、黒砂、洞窟内など
灰色は曇り空、枯れ木、石垣など
白は雪、白砂、白樺など

訪れる場所の季節や天候でも、これらの自然界における色彩が変わります。

同じ場所でも異なる時間帯によって色合いが変わるぬい撮りの実演

◇ 基本の構図:3分割法、様々なガイドライン

写真構図の王道として知られる「三分割法」は、驚くほど効果的です。

この手法は、画面を縦横それぞれ三等分し、その分割線や交点に被写体や背景の境界線を配置するというものです。

3分割の線を重ねてみると

これにより、写真に視覚的なバランスが生まれます。

私は、この効果を最大限に引き出せると感じるので、写真のアスペクト比を3:4に設定することが多いです。

この三分割法が基本中の基本ですが、被写体や場面によっては他の構図ガイド線も非常に効果的です。

人物のポートレート風写真にするなら、「フィボナッチのらせん」を意識すると自然な美しさや調和を生み出せます。

このらせん構図は自然界の黄金比に基づいており、人の目の動きに沿った視線誘導が可能になります。

また、直線的な橋や道路などを撮影する場合には、「三角形構図」が効果的です。

画面の中に三角形を意識して配置することで、安定感と奥行きが生まれきます。

過去にポケモンキッズを被写体に撮影した三角形構図の例

これらの構図ガイドは、多くのカメラアプリでオーバーレイ表示できるようになっていますので、ぜひ試してみてください。


◇ 被写体の配置・カメラの回転

ぬいぐるみの配置:左右、前後、上下位置

ぬいぐるみの位置を少し変えるだけで、写真の印象は大きく変わります。

ぬいぐるみを左右方向に配置した比較

1.ぬいぐるみの横方向位置(左右の位置)
ぬいぐるみを画面の左右に配置する際は、先ほどの三分割法の線上に置くと、視線が自然とぬいぐるみへ誘導され、全体のバランスが整います。


ぬいぐるみを前後方向に配置した比較と、手前にピントを合わせた例

2.ぬいぐるみとの距離(前後の位置)
ぬいぐるみとの距離も重要な要素で、近づきすぎるとピントが合わなくなってしまうことがあります。

ただし、あえて近距離で撮影する場合は、ぬいぐるみにピントを合わせて背景をぼかす手法も効果的です。


ぬいぐるみを上下方向に配置した比較

3.ぬいぐるみの垂直位置(上下の位置)
ぬいぐるみをバランス良く配置できるといいですが、迷った場合はぬいぐるみの映り込みが過剰な方を選択しましょう。

なぜなら、ぬいぐるみの映り込みが過剰な場合は、後からトリミングで調整できます。しかし、映り込みが不足している場合は、後から修正することはできません。


4.肩や身体の傾き(奥行き軸での回転)
ぬいぐるみが右肩上がり、もしくは左肩上がりといった微妙な角度の変化でも、全体の印象が大きく変わります。


5.ぬいぐるみの正面を向ける角度(縦軸での回転)
右頬を見せるか左頬を見せるかで、同じ人でも印象が異なることは珍しくありません。

光源の位置によっても表情が変わります。


6.ぬいぐるみの顔の傾き(横軸での回転)
私が最も重要だと考えるのが、ぬいぐるみの上下角度です。

個人的にこれは、能で使われる能面に通じるものがあると思っています。

能面は、表情が固定されているにもかかわらず、顔の向きを変えるだけで、喜びや悲しみといった異なる感情を表現します。

ぬいぐるみも、上下角度次第で様々な表情を表すことができると思います。


7.カメラの傾き(カメラ自体の回転)
カメラ自体を上向きまたは下向きに傾けると、写し出す風景全体の印象が大きく変わります。

特にスマートフォンでの撮影の場合、正しい向きで撮影するだけでなく、意図的に逆さに持って撮影する方法もおすすめです。

後から180度回転させれば、下からの角度で撮影した自然な一枚に仕上がります。


8.カメラの斜めの向き(カメラ自体の回転)
カメラを右斜めまたは左斜めに回転させることで、風景全体に動きやリズムが加わります。

ここぞとというときに使うことをおすすめします。


最後に、家に戻ったらぬいぐるみを洗濯するのを忘れないようにしてください。

ここまで、色彩、構図、逆さ写真などご紹介した撮影手法を参考に、節度ある行動を心がけて、ぜひあなたの写真の世界を広げてみてください。


最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。