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momoro66
走ることを教えられた鳥の、初めての飛翔
妻は翼を持つ鳥だった。
でも、誰もそれを知らなかった。
親も先生も、陸を走ることしか教えなかった。
だから彼女は走った。
跳ねて、踏ん張って、鶏のように必死に。
細い足で、知らない道をひたすら進んだ。
ある日、翼を持つものが彼女に聞いた。
「なぜ、飛ばないの?」
翼を持つものにはそれが翼だと理解しているが、
多くの人は翼の存在をしらない。
高いところから飛べば、羽は自然に広がる。
でも、飛ぶことには恐れと痛みがつきものだ。
それでも妻は何度も挑戦した。
その度に、痛みと未来を同時に感じた。
そしてある瞬間、気づいた。
羽は、ずっとここにあった。
彼女は翼を広げ、初めて空へと舞い上がった。
人生も仕事も、同じかもしれない。
計画的に進めることは正しい。
でも、感性を解放して飛ぶ道もある。
誰も教えてくれない、でも確かに存在する道。
僕は論理で生きる。
妻は感性で舞う。
理解できない世界に、未来は広がっていた。
人はしばしば、自分の翼に気づかず、
陸を走り続ける。
でも、もしかすると僕たちは皆、
羽ばたく瞬間を、胸の奥に隠しているのかもしれない。
妻も、子どもも、未来も、
可能性は羽ばたくためにある。
今日、僕はその羽音を、少しだけ聞いた。
