BL小説3つのお題チャレンジ!【noteでBL第9弾】

noteでBL、第9弾ですって!
次は第10弾ですよ😚
参加者さんも増えて賑やかになりましたね✨
今後ともよろしくお願いしますー!

というわけで今回の詳細はこちらから🔽

お題は
「花」「つめ切り」「大嫌い!でも好き❤️
という今回も難易度高めなやつです!
でも頑張って書いたよ!
文字数は4976文字!
今回もギリギリでした。
毎度のことながら驚きのギリギリ具合。

そんないつものギリギリ文字数コメディBL、読んでやってください!!

~前回までのあらすじ~

久我には本命がいるらしい。信夫は久我の家に行き手料理まで食べさせてもらったのに、映画に誘ったら断られた。久我のどこがいいのだろう。

どうでもいいあらすじ

~登場人物紹介~

■市媛 信夫(いちひめ しのぶ)
大学生。
専門は民俗学。
背が高くて体格も良くて顔も悪くないけど年齢=恋人いない歴な男の子。
性格は真面目でお人好し。
久我のことが好きらしい。
酒は強くも弱くもない。普通。

■久我(くが)
大学院に通う傍ら非常勤講師をしている。
遥夏や響の日本史を担当。
信夫の先輩。初心な信夫をからかって遊んでいる悪いお兄さん。
来るもの拒まず去る者追わずで貞操観念が緩い。
酒癖が非常に悪い。しかも酒に弱い。

■少年
本名は「音無 響(おとなし ひびき)」。
未だに自己紹介をちゃんとしていないので、信夫から「少年」と呼ばれている。
信夫の弟である遥夏のクラスメイト。
無邪気で心優しい性格をしているのだが、とにかく人の話を聞かない。
甘い物は無限に食べられる。

■ちーちゃん
英語教諭の千影先生。
少年と遥夏の担任で久我の同僚。
柔らかい雰囲気のイケメンだが、怒るとめちゃくちゃ怖い。
酒に強い。酔わない。握力ゴリラ。

■市媛 遥夏(いちひめ はるか)
信夫の弟で響のクラスメイト。変な妄想をしていることがあるが、基本的には常識的な高校生。
育ち盛りなので牛丼とかチャーハンを大盛で食べたいお年頃。

■和装の男
本名は「三条 揚羽(さんじょう あげは)」。
千影の大学の同級生。三条は千影のことを友人だと思っているが、千影は友人と思っていない。かわいそう。
久我の飲み友達だけど酒は飲まない。
人をからかって遊ぶのが好きなので、その辺は久我と気が合う。

ひどい人物紹介

================

「爪切り壊した」

俺は今、人生で初めての体験をしている。
爪切りって壊れるんだな。

「どうやったら壊れるんだよ! 俺も使いたかったのに!」

すまん、弟。
お兄ちゃんが壊しちゃったよ。

「俺も右手しか切り終わってないから気持ち悪い。ドラッグストアに売ってるかな」

「売ってるんじゃねーの? 駅前のとこなら大きいし、行ってみれば」

駅前かぁ。
あそこ、少年がちーちゃんとの待ち合わせに使ってるからよく会うんだよなぁ。
なんて考えながら歩いていたら久我先生を見つけてしまった。

前回、電話で映画の誘いを断られたけれど何だかんだで別の日に行った。
でも本命は未だに不明のままだったし、あの時機嫌が悪かった理由も不明。
それはそれで気になっている。

声をかけようと思ったが、どうやら待ち合わせの相手が来たらしい。
笑顔の先生が手を振っている。
俺は咄嗟に身を隠し、様子を窺ってしまった。
ストーカーみたいだけど、これくらいは許して欲しい。

さて、待ち合わせの相手は……
……
……
めっちゃ美形の男だった。
やめろ、これ以上登場人物に美形増やすな。

でも俺は知っているぞ。
この小説書いてる女が「このキャラは性格が悪いから、せめて顔だけは良くしよう」という安直な考えでキャラクター作成をしていることを。

ということは、あの男は、性格が悪い!!

街にいる人間が99%の割合で洋装の中、その男は藍色の着流し姿で登場した。
背は高いが、ゴツゴツしていないというか、美貌のおかげか中性的にすら見えた。
和服美人である。

しかもな。
先生に花束を渡しよった。
花の種類はわからないが、ピンクと赤と白の可愛い花たち!!!

俺がやったらギャグにしかならない行為を、あの、あの、和服美人はさらっと何の嫌味もなくこなしてみせたのだ!!!

しかも先生めっちゃ嬉しそうじゃん。
花をもらって満面の笑みって何だよ!

もうこの男が本命で確定じゃん!!

いたたまれなくなり、走ってその場を後にした。
先生のバカヤロー。

うなだれて帰宅した俺を弟は責めなかった。
手ぶらで帰宅した兄の姿に何かを察したのかもしれない。

「爪切りなかったくらいでそんなに落ち込むなよ……俺も爪切りくらいで文句言わねぇよ……」

いや、そこじゃないけど。
でも気にかけてくれている弟の優しさが身に染みた。

あれから数日。昼のバイトを終えた16時。
いつものように駅前を歩いていると、少年がいた。

「ひめちゃんのお兄さーん! ゴールデンウィーク楽しかった?」

「おお、ずっとバイトだった」

俺の言葉を聞き、満開の花のような可愛らしい笑顔がすぐに曇った。

「……かわいそう」

違うんだ、少年。
俺は確かに可哀想な男だが、可哀想な理由はそこじゃないんだ。わかるかな……。

そんな少年の肩を叩く男が。

「響くん、お仕事が好きな方もいるのですから一概に可哀想とは言えませんよ」

「そっかぁ。ひめちゃんのお兄さん、社畜?」

珍しく少年はちーちゃん以外の人間と一緒にいた。
俺と同じくらいの身長の和装の男。
その整った顔は見覚えがある。

「あーーーー! あの時の!」

「お会いしたことありましたか?」

俺が叫んだと言うのに、目の前の男は顔色一つ変えない。
感情が欠落しているんじゃないのか。

「久我先生に花を渡してた!」

「見ていらしたんですか。ええ、渡しましたよ。母の日のお花」

「……ははのひ?」

「そうです。うちの庭にある花を久我先生のお母様が褒めていたそうで。母の日にプレゼントしてはどうかと提案したのですよ」

そういうことか。
久我先生、家族と仲良いもんな。
花束を渡していた理由がわかって、心の中のモヤモヤが少し晴れた。

「社畜のひめちゃんのお兄さんは揚羽さんと知り合い?」

「俺はまだ社畜じゃないぞ……なりそうではあるけど。そして知り合いじゃないんだ。久我先生と話してるところを見ただけ」

状況の読めない少年に説明をしていると、和服美人は人の悪そうな顔でこちらを見ていた。口元を着物で隠しているが、目が笑っている。
やはり美形は性格が悪い。

「もしかして、僕が久我先生に花を贈ったなんて邪推していました?」

図星だ。
だが、悔しいので口にしない。
と思ったら少年に裏切られた。

「ひめちゃんのお兄さん、久我先生のことが好きなんだよ」

「少年!? 何を言ってるのかな!?」

ニコニコと話す少年を慌てて口止めするが、時すでに遅し。
和装の男は意味ありげな笑みを俺に向ける。

「おやおやおや若いって良いですねぇ」

前にも聞いた事のあるセリフを言われた。
詳しくはnoteでBLの第4弾を読んでくれ。

「では、人生の先輩が悩める青年を助けてあげましょうか」

「……はい?」

先輩といっても数年程度だとは思うが……。

「久我先生の本音、聞きたくないですか? お手伝いしますよ」

そう言って目を細めて笑う姿は、どこか人をたぶらかす狐のように見えた。



確かに俺は久我先生の本命を知りたいと思っていたし、罠のような和服美人の誘いに乗ったのも事実だ。

だが、何だこの状況。
どうしてこうなった。

俺の目の前にはちーちゃんがいて、個室のドアの隙間から久我先生と着物姿の男の背中が見える。

急な場面転換についてこれないであろう読者の皆様に説明しよう。

あの後、和服美人から「三条です」と自己紹介を受けた。
そして久我先生とは飲み友達だという説明も。

「今から先生を呼びます。酒の席で僕が久我先生の本音を引き出すので、あなたは死角になる場所で話を聞いていてください」

なんて雑な作戦を指示されたが、俺に拒否権はなかった。
この小説に俺の都合を都合を気にかけてくれる人間は皆無である。

そして何故さっきまでいた少年ではなく、ちーちゃんこと千影さんがいるのか。
話は簡単だ。

少年の代わりにいるのである。

三条さんが久我先生に連絡をしているタイミングで、千影さんが少年を迎えにきた。
だが、少年は「やだ! 帰らない! ボクもひめちゃんのお兄さんとお話聞く!」と盛大に駄々をこねたのだ。

しかたなく千影さんは「じゃあ、先生がお話聞いてあげる。音無くんは家に帰って待っててね。ケーキ買って帰るから」と交渉をしたのだ。

交渉は成立。
少年はご機嫌で帰って行った。
……あれ?
少年ってこのイケメンと一緒に住んでるの?
という謎が残るがそこは気にしないことにした。

ちなみに少年は「ガトーショコラと、いちごのタルトと、キャラメルバナナのケーキと、クリームチーズのレモンパイと、メロンのムースね」と強欲なことを言っていた。

というわけで、俺たちは三条さんの行きつけの店らしい割烹料理屋にいるわけだ。

「急にお呼びしてすみません」

「三条さんからのお誘いは断りませんよ」

2人の親密さが分かる会話にグヌヌ……となりながらも様子を窺う俺と、興味無さそうなイケメン。
俺は何で弟の担任と相席しているのだろう。

その後、飲み会が開始して1時間もしないうちに、久我先生は酔っぱらった。
早い。

前から思っていたけど、久我先生はあまり酒に強くない。
遠く離れた場所からでもわかる「酔ってます」感。
無防備にも程がある!!

「そういえば、今はお付き合いされている方はいないんですか。2人きりで会ってる姿を見られて、間男に間違えられるのは避けたいところですが」

「今はフリーなのでご心配なく」

ここぞとばかりに三条さんが核心に迫る問いかけをする。
酔ってる人間は本音を漏らしやすい。

「久我先生は色んな方とお付き合いされていますが、好みのタイプはあるんですか?」

「んー……真面目な人がいいかなぁ。実直な人とか……」

先生の声は若干ふにゃふにゃしていた。

「市媛くんのお兄さん、久我先生の好みに一致してるんじゃないですか」

「そうですかね? そうかも?」

イケメンにそう言われたのは素直に嬉しくて、少し照れる。
お世辞かもしれないけど。

まぁ、兄貴も真面目だったしな。
平和な空気が流れていたところに、久我先生が爆弾を投下した。

「真面目な人もいいけど、可愛い子も好きですよ。音無くんとか、いじめたいくらい可愛いですよねぇ。泣き顔見たくないですか?」

「音無」という名前が出たと同時にパリンという音がした。
イケメンが手にしていたグラスが割れた音だ。

怖い。
慌てた三条さんの声が聞こえて来る。

「やめてください。保護者が怖いので」

本当にな!!!

「すみません、驚かせちゃいましたね。僕、握力強いみたいで」

千影さんは何事もなかったかのような顔をして、店の人が余分に持ってきたグラスに瓶ビールを注ぎ始めた。

久我先生の爆弾発言は続く。

「心配しなくても生徒に手は出しませんよ。千影先生も良いですよねぇ。余裕のない表情とか見てみたい」

「顔だけは極上ですからね」

またガラスが割れる音がした。
恐る恐る音のした方を向くと、今度はビール瓶が粉砕されていた。
怖い怖い怖い。

「ガラスの破片、飛んでませんか?」

こちらを気遣う笑顔さえ怖い。

「あ、はい、大丈夫です。俺は何も見てません」

いや、少年抜きで接するちーちゃん、こっわ!!!
今、俺の心臓はバクバクいっている。長距離を走った後のような心拍数だ。

先生の本命が誰かわかるという期待と不安からのドキドキではない。
目の前のイケメンがめっちゃ怖いという恐怖からのドキドキである。

先生、早く本命のこと喋ってくれ!
そして俺を開放してくれ!

「そういえば最近、気にかけている子がいると伺いましたが」

おお、三条さんグッジョブだ。
何て自然な流れなのだろう。

「ああ、信夫くんかな? 大学の後輩なんですよー。真面目で良い子。あの家は皆育ちがいいんです」

「おや、家族ぐるみのお付き合いですか」

「そういうわけでもないんですけど……三兄弟で、長男はつまらない男でしたけど、次男と三男はそれなりに良い男に育ってて……」

兄貴、ドンマイ。
そして遥夏のことにも言及してるのは若干モヤっとするが、俺の評価が高いのが嬉しい。

良い男だってよ、俺!

「でも、あの家はお父さんが一番素敵なんですよ……」

「んん!?」

思わず叫びそうになる俺の口を、イケメンの手がふさいだ。

「気づかれますよ」

淡々としたイケメンの声とからかうような和服美人の声が重なる。

「あなた、年上好きですよねぇ」

年上好き!?
聞いたことないぞ、その設定!!!

「飛鳥と付き合ってた頃に何回か会ったんですけどぉ……かっこよかったです……」

「……ちょっと、寝ないでください。久我先生、起きて」

「起きてますよぉ~」

寝てしまいそうな久我先生と寝させまいと必死な三条さんの攻防が遠くで聞こえる中、俺は呆然としていた。

「え? 俺、親父に負けたの?」

「本命のことは何も言いませんでしたね」

あ、親父は本命じゃないのか。それは良かった。
本命だとしたら地獄だったな。

本命がいて、その次くらいに親父がいて……え?
俺、先生の中で何番目の存在なの?

「うぅ……先生なんて大嫌い……」

「市媛くんのお兄さん、酔うの早いですね」

机に突っ伏した俺の頭の上から千影さんの呆れたような声が聞こえる。
酔ってない。
情緒不安定だが酔ってはいない。

このまま飲みまくって、意識が飛ぶくらい酔えば、今さっき聞いたすべてを忘れることができるだろうか。

同人誌版からどれだけ振り回されたと思ってるんだ。

純情な俺の心を弄ぶなんて!
先生なんて大嫌いだ。

今日はヤケ酒してやる。
めっちゃ酔って、さっきまでの記憶を消してやる。
追加の酒をオーダーしようと端末に手を伸ばしたところで久我先生の明るい声が聞こえてきた。

「でも、今一番からかってて面白いのは信夫くんかなぁ」

陽気な声は酒が入ってるからか、それとも別の理由か。
それはわからないけど、今、俺の名前が。
しかも一番だと!?
面白いってのは褒め言葉だ。
そうか、俺が一番か!

「……でも好き!」

さっきまでの嫌な気持ちが吹き飛んだ。

一番面白い、つまり俺に一番興味があるということだよな!?
今はフリーだと言っていたし、これは脈アリなんじゃないか。

一気にテンションが上がった。
食欲も湧いてきた。からあげ爆盛りとか頼んじゃおうかな!

俺はやっぱり酔ってるかもしれない。

「あちらの席が面倒そうなので、僕は帰りますね」という冷たいイケメンの声にもルンルンで「お疲れ様でした~」と返した。愛想の良い俺。

離れたところで三条さんの慌てる声が聞こえてきたが、俺の耳には入らない。今日は良い日だ。

「起きてください、ちょっと、久我先生! こんなところで寝ないで!」

〈了〉

~あとがき~

何か今回登場人物多かったなぁ……(他人事)。
読んでてゴチャゴチャしてたかと思いますが、ここまで読んでくださってありがとうございます😘
小説というより信夫の語りになっちゃった!

このあと、信夫はルンルンで帰宅し、結局は三条が久我先生を背負って帰りました(途中でタクシーに押し込む)。
ここで久我先生を送ってあげるという発想にならないのが詰めが甘いというか信夫のアホなところです。
ホテルとかに連れ込めばいいのにな。

という話は置いておいて。

ただでさえ登場人物画多い作品ですが、また登場人物が増えました。
今回初登場の三条の容姿はこちらから。

絵師さんがめちゃくちゃ美しく描いてくださってるので、私の文章読むよりこっち見た方が絶対良いです。

以上、今回は少しだけ報われたけど詰めの甘い信夫のお話でした!
壊れた爪切りは遥夏が買ってきました! いい子だね!

私は他の方の作品を楽しんできますね~😆
ゆっくり感想書きたいと思います。
それではまた次回のnoteでBL企画で会いましょう✨

#noteでBL

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